nourish代表の加藤です。クラファン開始から1週間で書くつもりだった活動報告が、気づけば終了3日前になってしまいました。。。ファーストゴール達成のお礼が遅くなって申し訳ございません。そして応援ありがとうございます。
今日は、僕が見ている酪農産業の構造について共有させてください。
意図的に作られた牛乳の市場
少し昔の話になってしまいますが、、、第二次世界大戦後、国を強くして国民を豊かにするために国策で、鉄道(物流確保)、鉄鋼(国内で原材料を発掘して外貨節約)、自動車(生産性の高い国の産業)、など様々な分野に力が入れられました酪農はそのうちの「子供たちの栄養確保」です。この計画を実行するにはお金が必要なので世界銀行から借ります(貸し付けられます)。借りると、返さなければいけない、返すには生産量が上がり国が豊かになる必要がある。
ここから酪農の話です↓
100年ほど前、北海道の酪農家が飼う牛は3〜4頭、酪農人口は40万人強。生産性は低い産業です。そこから1950年代以降、国が市場そのものを作りあげます。供給は、集約酪農地を北海道に指定してアメリカの大型機械で一括建設。需要は、学校給食法で脱脂粉乳、のちに牛乳を義務化。生産者保護は、不足払い法で乳価を保証し、指定生乳生産者(ホクレン)で価格を均一化して販売先を確保。
需要と供給の両方を国が作り、働く人を守る。牛乳の市場は自然にできたものではなく、確実に意図的に作られたものです。当時の優先順位を考えると正しい判断です。
2026年の今、どうなっているのか
・酪農家の価値が乳量で測られている。
保証は乳量に対する価格補填です。たくさん作るのが最優先だった70年前はそれが正解でした。でも食料がなくて栄養失調になる子供がいなくなった今(他の理由ではまだいっぱいいます)、この仕組みは不要になっています。量に保証がつけば量を作る、資本主義では当然です。目的を果たしたなら設計し直すべきで、食料安全保障が目的なら乳量ではなく農地の広さに、所得を上げたいなら買取価格ではなく利益に保証をつければいいわけです。
・酪農家が40万人から1万人に減った。
乳量で測られる以上、大型化した方がコストは下がる。そうしない農家はキツくなって離農する。これは失敗ではなく、大型化を前提にした政策が成功した結果です。大手乳業は利益を伸ばし、赤字の酪農家は増えている。1万人のために牛乳を飲むキャンペーンをしてそれが還元されるなら、農家は一気に裕福になるはずです。何かおかしい。長くなるのでこの話はまた今度で。
・消費者の負担が大きい。PSE(Producer Support Estimate)という、農家がどれだけ国の保護を受けているかを示すOECDの指標があります。日本40%(うち消費者負担75%)、EU20%(15%)、US10%(5%)。日本の農業は補填で成り立っていて、しかもその大部分は国からの直接支援ではなく、関税などを通じた消費者負担です。


・牛たちが限界。
見えにくいところ。乳量が指標になった結果、1960年代に年間平均4000kgだった乳量は今9000kg弱。母牛の体への負担は倍以上です。繋ぎ飼いが6〜7割で放牧は数%、濃厚飼料は8割以上が輸入、妊娠と出産を繰り返して経済寿命は5年ほど。1戸あたり3〜4頭だった頭数は100頭、面倒を見れるはずがない。その上ゲップや森林伐採、水や土壌の汚染で悪者にされている。かわいそうです。
個々の農家を見れば例外はもちろんあるけれど、産業全体で見ると、この構造は消費者にとっても、地球にとっても、酪農家にとっても、牛にとっても負担が大きすぎる。限界に来ていると思います。
nourishは、この構造への抵抗というか、他の方法がないかの試行錯誤・実験だと思っています。量ではなく育ててくれた畑の面積に対しての買取価格、利益が出たら還元できるように同じ町で製造、酪農でなくてもミルクが作れるように酪農家からのみ買い付ける。離農の選択肢を増やしたい。小さなnourish一社では何も変わらないので、この仕組みでやっていけると証明できたら、やり方を公開してもっと多くの人に入ってきてほしい。
そんなことを考えながらやっています。
みなさま、良い週末をお過ごしください。



