
今回のプロジェクトは、一つの「蔵」を再生し地域の文化への導入となる博物館&ギャラリーとするものです。
しかし、その先に私たちが実現したいのは、博物館、宿、ショップ、飲食店などが集積した文化創造拠点のようなものです。
宿だけでは足りない。
ゲストハウスjunosを開業して約一年。
この場所に宿泊施設ができたことで地域での滞在時間が増えたことや、ここを目的地に訪れる方も現れたことなど、確かな手ごたえを感じています。
しかし、せっかく訪れてくれる方により深くこの地域の魅力を知り、感動体験をしていただくためには、宿の機能だけでは足りないとも感じるようになりました。
街を歩いて喫茶店でのモーニング文化や夜のスナック文化を体験していただくために、飲食店マップを作ってご紹介したり、スタッフがまちあるきガイドへご案内したりと、今ある街の姿のままでそれを見る視点を提供し、コミュニケーションの工夫は重ねてきました。
ですが文化的体験のコアとなるような確かな場所や、既存の文化や習慣に新しい解釈を加えた施設があれば、初めて訪れる人にも地域文化がより伝わりやすく、訪れたい街になるのではないかと。
施設展開イメージ
そして出会ったのが今回のプロジェクトの舞台となる「増田屋」さんの建物です。
国登録有形文化財であり、高知東部随一の風格を持つ主屋は、忘れられない一晩を過ごす宿泊棟に。旧商店街に面した店舗部分は、酒蔵を営んでいた歴史にちなみ、高知の地酒を角打ちで楽しめる酒屋にする構想です。観光客が立ち寄れる土産物店としても活用します。
宿&角打ちのイメージ
さらに蔵ファンで修繕する蔵は、歴史を知る小さな博物館に。
そしてこのタイミングで、近隣の元・喫茶店の建物活用についてもご相談を受けています。ここがシェアカフェになれば、飲食店機能や移住者のチャレンジショップとしての機能も加わることになります。(こちらはまだ妄想段階ですが・・仮称「喫茶 柚子」。)
このように複数の機能を持つ一角として整備することで、さまざまな目的を持って訪れた人が交流し、新しい文化を創造する拠点になりうると考えます。
また、博物館や喫茶店単体では経済的に成立しない場合でも、宿泊事業などと組み合わせることで存続していけるのではないかとも考えています。
こんな風景をつくりたい
蔵の隣に建つ津波避難タワーさえも景色になって、こんな街角をつくりたい。そんな未来をイメージしています。
一つずつ灯りをともし、街角をつくっていく
ゲストハウスjunosの灯り
私はふだん建築の仕事を通して、一軒ずつの建物と向き合っています。最近は高知東部でも、古民家や空き店舗を活用した新しいビジネスに挑戦する若い方のプロジェクトも増えてきました。カフェ、宿、魚屋などなど。
地方で「まちづくり」というと、何か大型の施設を作ったり誘致すれば達成するように思えますが、実際はとても地道な積み重ねの先にあるものです。一つずつの建物は立地条件や抱えている歴史、コンディションも違い、そこにやりたい事業の形を重ね合わせ、建物と事業計画を同時に設計していきます。
屋根裏や床下にもぐって調査したり、スイッチの位置一つ決めるのに時間をかけたり。けっこう大変です(笑)
しかし工事が完了してそこに「人」の活動が入り、建物に命が吹き込まれる瞬間や、建物の前を歩くと暗かった街に灯がともっている光景を見た時。そのたった一軒の灯でも胸が熱くなるものです。
それが積み重なることでまちが作られていきます。
今回のプロジェクトでも、一つずつの場をしっかり作り上げていくことに変わりありません。その先に、どんな街角や地域の姿があるのか、地域全体の未来も同時に描きながら・・・。
この構想を実現するには、私たちjunosだけでなく多くの方のお知恵やお力添えが必要です。この未来に共感していただけたら、クラウドファンディングへご支援いただけたらうれしいです!



