この映画のはじまり

はじめまして、片山健人と申します。
俳優として活動する傍ら、このたび初めて自主制作映画『Uターンブルーライン』の企画・プロデュース・主演を務めます。
これまで映画『爆弾』(25)『僕らの千年と君が死ぬまでの30日間』(23)『ラーゲリより愛を込めて』(22)などに出演し、映像作品を中心とした様々な現場で貴重な経験を積ませていただきました。
その一つひとつへの感謝を感じる一方で、もっと深く、長い時間をかけて、一つの作品と向き合ってみたいという想いも、次第に強くなっていきました。
ただ、どうすればそんな環境へ辿り着けるのか分からない。ただ待っているだけで、その瞬間は本当にやってくるのだろうかという鬱屈としながら過ごす日々。
好きなことを続けられていることにはもちろん感謝していますが、同年代の友人たちが家庭を築き、それぞれの人生を歩んでいく姿を見るたびに、自分だけが立ち止まっているような感覚になることもありました。
そんな日々の中で、ふと心が苦しくなった時に思い浮かぶのは、瀬戸内の島々で出会った人たちの笑顔や、穏やかな海の景色でした。
島で交わした何気ない会話や、ゆっくり流れる時間に触れるたびに、「こういう生き方があってもいいのかもしれない」と、少しだけ心が軽くなる瞬間がありました。
そんな中、愛媛の実家へ帰省し、甥っ子たちと久しぶりに海水浴をした時、子どもの頃には当たり前だった海の景色が今の自分にはとても新鮮に感じられたのです。
こちらはその時に撮影した父と甥っ子の写真です。

穏やかな海と、そこで過ごす家族の姿を見ているうちに、この景色や時間を映画として残したいと思うようになりました。この写真は、『Uターンブルーライン』を撮ろうと決意するきっかけになった一枚でもあります。
ちょうどその頃、島巡りが趣味の父が、愛媛のメディアで“島巡りの達人”として紹介されていました。
それを見て、父と一緒に島を巡りながら、愛媛の海の美しさや、ゆったり流れる時間、人の温かさを映した映画を作れないだろうかと考え、本作『Uターンブルーライン』の企画が始まりました。
島を巡る旅の中で

私は愛媛県松山市で生まれ育ち、幼い頃から瀬戸内の島々を身近に感じながら過ごしてきました。
休日にはフェリーに乗って近くの島へ海水浴に行ったり、しまなみ海道を渡ってキャンプをしたり。大人になってからも、時々父の島巡りに同行してきました。
そこで出会った人たちは、それぞれの暮らしを自然に受け入れながら生きていて、その姿がとても印象に残っています。
父は島を訪れるたびに、その土地で暮らす人たちと自然に会話を始めます。
漁のことや仕事のこと、その日の天気や昔の島の話まで。
何気ない雑談ばかりですが、そうした時間の中で、その人の暮らしや考え方が少しずつ見えてくる。私はそういう時間が好きでした。
父と島を巡る

今回の作品は、そんな父とともに島々を巡るドキュメンタリーです。
父と泊まりがけで旅をするのは、子どもの頃以来で、父について行くだけだったあの頃と今とでは状況が違います。
子どもの頃のように夢や希望だけを見ていればよかった時期は過ぎて、仕事のことや将来のこと、自分にとっての幸せとは何かを考えるようになりました。
そんな中で島を巡り、人々の話を聞き、父との時間を過ごす。

島に残って暮らしている人、一度外に出て戻ってきた人、新しいことに挑戦している人。話を聞くうちに、その人たちの生き方だけでなく、自分自身のことも改めて考える時間になりました。
そして何より、普段なら照れくさくて話せないようなことを、旅という非日常の時間だからこそ父と話すことができました。
旅の途中で何か答えが見つかるわけでも、大きく人生が変わるわけでもありません。
ただ、旅の中で感じたことや考えたこと、父との会話や島の人たちとの出会いを、できるだけありのままに残しています。
今、この旅を残す理由

父も歳を重ね、いつまで今のように元気に島を巡れるのかは分かりません。
そして私自身も、数年後には今とは違う人生を歩んでいるかもしれません。俳優として挑戦を続けているのか、それとも別の人生を選んでいるのか、自分でも分かりません。
だからこそ、この作品は今撮る意味があると思いました。
今の父と、今の自分だからこそ生まれる会話や時間があります。数年後に同じ旅をしたとしても、見える景色や交わす言葉はきっと違うはずです。

この映画は、父との旅を記録した作品であると同時に、今しか残せない時間を記録する作品でもあります。
いつか自分自身がこの映画を見返した時、「あの頃の父は元気だったな」「あの頃の自分はこんなことを考えていたな」と思い出せるように。その想いも、この作品には込められています。
僕たち親子の旅は、数ある人生のほんの一つの形でしかありません。
それでも、この旅のどこかに自分自身を重ねたり、自分ならどうだろうと考えたりしながら、一緒に島を巡るような気持ちで観ていただけたら嬉しいです。
撮影の舞台に選んだのは

多島美で知られる瀬戸内海には魅力的な場所が数多くあり、どこを舞台にするべきか悩みました。
そんな中、“島巡りの達人”である父から「ゆめしま海道がいいな」と勧められたことが、この場所を選ぶきっかけになりました。
ゆめしま海道とは、愛媛と広島を結ぶ『しまなみ海道』のすぐ隣に位置する、もう一つの島の道です。
愛媛県上島町に浮かぶ弓削島・佐島・生名島・岩城島の4つの島が橋で結ばれており、まるで海の上を走るかのような景色がどこまでも続きます。信号やトンネルがなく、交通量も少ないこのルートは、走ることそのものに集中できる環境が整っており、サイクリストの間では「知る人ぞ知る」特別なサイクリングコースとして親しまれています。

観光地として知られるしまなみ海道とはまた違い、ゆめしま海道には、人の暮らしがそのまま息づく静かな空気があります。
実は、私はこの場所を訪れるのは今回が初めてで、父とともに新しく出会っていく景色を記録する旅になります。
その時間の中で生まれる感情や風景を、この映画に残したいと思っています。
参加スタッフの想い
共同プロデューサー
三浦 彰浩 MIURA AKIHIRO

片山さんからお話をいただき、仲間を集めてミーティングを重ねながら、ゆめしま海道にも何度も通い、約1年をかけて準備を進めてきました。
島の方々からも「楽しみにしている」とお声をかけていただくこともあり、撮影に向けての期待と、「必ず良いものにしたい」という気持ちが重なり、言葉にならない思いを抱えながらの時間でした。
そして先日、無事に撮影を終えることができました。
実際の現場では、事前に思い描いていたこと以上に、言葉や仕事、風景の一つひとつが生きていて、その場で起こる出来事に向き合いながら過ごす時間になりました。今振り返ると、準備の時間も含めてすべてがこの作品の一部だったと感じています。
この出会いや経験を大切にしながら、ここからの仕上げの工程も丁寧に向き合っていきたいと思います。
共同監督
鈴木 啓太 HIROTO SUZUKI

今回の企画は、帰る場所を持つ俳優の「人生の揺れ」を描ける作品になると感じています。
都会で活動する俳優と、瀬戸内海を望む離島のリアル。
異なる土地、生業、背景を持ちながらも、それらはどこかで重なり合うものでもあります。
30代に入り、仲間が夢を手放していく中で、自分はこのまま進むのか、それとも別の人生を選ぶのか。
誰もが経験する人生の分岐点において、帰る場所を想い、地元へ、そして父の元へ帰ったひと時をカメラで捉えていきます。
親を持ち、子を持ち、仕事を持つ人にとって普遍的なテーマを、ひとつの親子の物語として描くことで、観た人が自分自身の人生や家族との関係を重ねられる作品にしたいと考えています。
撮影チーフ・演出補
岩本 崇穂 TAKAHO IWAMOTO

ゆめしま海道に広がる景色は、人の心を癒やし、そっと希望を照らしてくれる場所でした。
そこに暮らす皆さんも穏やかで、その笑顔が今でも忘れられません。
誰もが一度は、「自分は何者なのか」「何をしてきたのか」「このままでいいのだろうか」と立ち止まって考えたことがあると思います。
この映画は、そんな問いと向き合い、「自分はどんな人間になりたいのか」を改めて見つめ直すきっかけを与えてくれる作品です。
一人でも多くの方にこの映画が届よう、ぜひクラウドファンディングへのご支援・ご協力をお願いいたします。
※岩本さんの長編映画初監督作品『八月の社』が 2026年8月22日より全国順次公開。
台本のない旅を映画にしたい
私は、ロードムービーやドキュメンタリー作品に惹かれることが多く、その瞬間にしか生まれない表情や言葉、予定通りには進まない時間の流れに魅力を感じてきました。
今回の映画でも、台本によって作られた会話ではなく、父と島を巡る中で自然に生まれる空気や、そこで出会う人たちとのやり取りを、そのまま映像として残したいと思いました。
父と二人で自転車に乗り、島を巡る中で、人と出会い、話を聞き、ときには立ち止まりながら進んでいく。
そんな旅の中で生まれた時間そのものが、この映画の核になっています。
完成、そして公開へ向けて

『Uターンブルーライン』は無事にクランクアップし、現在は編集作業を進めています。
映画として完成させるためには、編集・音響の仕上げ、映画祭への出品準備、宣伝や上映・配信に向けた準備など、まだいくつもの工程が残されています。

今回のクラウドファンディングでいただいたご支援は、映画を完成させ、その先へ作品を届けていくために大切に活用させていただきます。
撮影で出会った島の風景や、そこで過ごした時間、父との旅の記憶を、ひとつの作品としてきちんと残し、より多くの方へ届けていきたいと考えています。
作品の届け方について

本作は、ロケ地である愛媛県上島町・せとうち交流館でのお披露目上映を予定しています。また、完成披露試写会の開催や映画祭への出品、将来的な劇場公開など、さまざまな形で作品を届けていくことを目指しています。
また、会場へ足を運ぶことが難しい方にも作品をご覧いただけるよう、クラウドファンディングをご支援いただいた皆さまには、期間限定のオンライン視聴という形で本編をお届けする予定です。
オンライン視聴のご案内(視聴URL・パスワード等)を確実にお届けするため、ご支援時にメールアドレスのご登録を必須とさせていただきます。
リターンについて

ご支援いただいた皆さまには、感謝の気持ちを込めて、さまざまなリターンをご用意しております。
本作の舞台であるゆめしま海道にゆかりのある名産品を楽しんでいただけるものから、完成披露上映会や交流会へのご招待、オンラインでの映画制作座談会、エンドロールへのお名前掲載など、映画の完成をさまざまな形で楽しみ、参加していただける内容をご用意しました。

さらに、映画の舞台となったゆめしま海道を実際に巡る「映画体験プラン」や、汐見の家での宿泊体験、企業・団体の皆さまに向けた上映前CMの放映、映画上映+アフタートーク、団体PR動画制作など、映画をきっかけに島や作品とつながっていただけるプランもご用意しています。
映画を観るだけではなく、この作品が生まれた場所や、そこで出会った人たちにも触れていただけたら嬉しいです。
最後に
映画制作は、私にとって初めての大きな挑戦でした。
父との旅をきっかけに始まったこの映画が、ここまで形になったのは、決して私一人の力ではありません。
ともに映画をつくってきた皆さん、そして撮影の中で出会い、温かく迎えてくださった島の皆さん。多くの方の力を借りながら、ここまで走ってくることができました。
父との旅で見た景色や、島で出会った人たちとの時間を、自分たちだけの思い出で終わらせず、作品として残したい。
そして、この映画を観てくださる方にも、その旅を追体験してもらえたらと思っています。
島の景色や人との出会いを感じながら、家族や大切な人との時間を思い返したり、自分自身の人生について少し立ち止まって考えたり。この映画が、そんな時間を過ごすきっかけになれば嬉しく思います。
一人でも多くの方にこの映画の旅を、ぜひ一緒に見届けていただけたら嬉しいです。
温かいご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。
【写真提供:上島町】
最新の活動報告
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たくさんの応援をありがとうございました!
2026/11/01 18:429月1日から始まった映画『Uターンブルーライン』のクラウドファンディングが、昨日終了しました。125名の方にご支援いただき、総額1,466,500円が集まりました。本当にたくさんの方に応援していただけたこと、心から嬉しく思います。ありがとうございます。何から始めればいいのかもわからず、手探りでスタートした今回のクラウドファンディング。撮影の舞台となった上島町で出会った方々にもたくさんご協力いただきながら、無事に最後まで走り切ることができました。この期間中、本当にたくさんの方とお会いできたことが嬉しかったですし、普段、俳優として活動しているだけでは経験できないようなことにも数多く触れることができ、とても勉強になりました。僕の投稿を広めてくださった方、フライヤーをお店や施設に置いてくださった方、そして発信の機会をつくってくださったメディアの方々にも、改めて感謝申し上げます。今回の経験を通して、改めて感じたのは、自分一人の力でできることには限りがあるということ。周りの方々の支えがあって、今の自分があり、好きなことに挑戦できているんだなと実感しました。東京に出てから、自分のやりたいことを追いかけて過ごしてきましたが、今回の映画をきっかけに、これまで育ってきた地元に少しでも恩返しができたらという思いも強くなりました。自分の小ささを感じることもありましたが、それと同時に、映画の完成を楽しみにしてくださっている方がこんなにもいるということが、大きな励みになりました。これからは、いただいたご支援を大切に使わせていただきながら、編集や音の仕上げにもこだわり、映画の完成に向けて進んでいきます。そして、一人でも多くの方にこの作品を届けられるよう、引き続き動いていきたいと思います。また、リターンについても、上島町ならではの品々をお届けできることを楽しみにしています。お届けは2027年春頃を予定しておりますので、こちらもぜひ楽しみにお待ちいただけたら嬉しいです。映画『Uターンブルーライン』は、僕一人では決して辿り着くことのできなかった場所へ、すでに連れて行ってくれています。そして、ここからさらに、自分でも想像のつかないようなところまで広がっていける可能性を感じています。これからも試行錯誤しながら、一歩ずつ進んでいきます。改めまして、ご支援くださった皆さま、応援してくださった皆さま、本当にありがとうございました! もっと見る
映画『Uターンブルーライン』クラウドファンディング最終日
2026/10/31 16:00本日も応援ありがとうございます!ついに、クラウドファンディング最終日を迎えました。9月1日から始まったこのプロジェクトも、残すところあと数時間で終了すると思うと、すでに少し寂しい気持ちになっています。この活動報告も、100名を超える方々にお届けできていると思うと、とても感慨深いです。これまでご支援くださった皆さま、そしてSNSでの発信や口コミなど、さまざまな形でプロジェクトを広めることにご協力くださった皆さま、本当にありがとうございます。すでに多くのご支援や応援をいただいている中で、重ねてのお願いとなり大変恐縮ですが、最後にもう一度、このプロジェクトを、そして映画『Uターンブルーライン』をまだ知らない方々にも届けるため、お力添えいただけましたら幸いです。先日、今治港から上島町を結ぶ芸予汽船の航路が、2028年3月末をもって廃止される予定であるというニュースを知りました。今回の映画の撮影でも、そして今月、再び上島町を訪れた際にもお世話になった航路です。およそ1時間の船旅は、日常から離れた非日常の時間でもあり、これから始まる島での旅への期待を膨らませてくれる、僕にとって大切な時間でした。この航路をこれまで利用されてきた方々、そして愛してきた方々の記憶にも残るように、あの船から見た景色や島へ向かう時間を、この映画を通して少しでも残せたら。そんな思いも、今回のニュースを知ってより一層強くなりました。より多くの方にこの映画を届けるために。そして、作品をご覧になった方に何かを感じていただけるように。残りわずかな時間ではありますが、最後までこの映画を一人でも多くの方に届けられるよう、取り組んでいきたいと思います。引き続き、ご支援や情報発信など、お力添えをいただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします! もっと見る
【終了まであと1日】映像になった、あの日の島旅
2026/10/30 18:36本日も応援、ご支援ありがとうございます!先日、現在編集を進めている映画『Uターンブルーライン』の初稿を観せていただきました。5月に撮影した映像を、半年ほど経った今あらためて見返してみると、当時過ごした時間や、島で出会った方々との会話、父との何気ないやりとりなどが懐かしく思い出されました。自分自身、これまで何度も体験してきた島巡りの時間が、こうして映像として形になっていることも感慨深かったです。そして、撮影中ずっとカメラを回し続け、膨大な映像素材と向き合いながら編集を進めてくださっている三浦さんには、感謝の気持ちでいっぱいです。初稿を観て、ここからさらに作品がどのように仕上がっていくのか、とても楽しみになりました。今後も試行錯誤を重ねながら、より良い作品に仕上げていけるよう、完成に向けて取り組んでいきたいと思います。ちなみに写真の手拭いは、父が大好きだった火野正平さんの番組『にっぽん縦断 こころ旅』に手紙を送り、番組で紹介していただいた際にいただいたものです。番組と同じように、今回親子で自転車に乗ってゆめしま海道を巡ることができたことを、父も僕もとても嬉しく思っています。クラウドファンディングも、いよいよ残すところあと1日となりました。最後まで、このプロジェクトを見守っていただけましたら幸いです。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします! もっと見る





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