
「これ、もう作れないんです。」
革の仕事を続けていると、
そんな言葉を聞くことがあります。
以前なら、できた加工。
以前なら、お願いできた職人さん。
以前なら、当たり前のように選べた革。
それが今は、同じようには作れない。
大きな出来事があって、
ある日突然なくなったわけではありません。
職人さんが引退したり、
加工をする場所が少なくなったり。
ひとつ、またひとつと、
気づかないうちに選択肢が減っていきました。
そして、「また、あの革で作りたい」
と思ったときには、もう作れなくなっている。
30年以上、革とものづくりに携わってきた
オーナーデザイナーの工藤は、
そんな場面を何度も経験してきました。
「良い革だったのに。」
「きれいな加工だったのに。」
「まだ作りたいものがあったのに。」
「もう作れない」と聞くたびに、
残念だと思うだけではなく、
「このままでいいのだろうか?」
そんな想いが、少しずつ大きくなっていきました。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
なくなってからでは、遅い。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ものづくりの技術は、
そこにあることが当たり前のように感じます。
でも、ずっと残り続けるとは限りません。
人の手で受け継がれてきたものだからこそ、
作る人がいなくなれば、
作れなくなるものがあります。
使われなくなれば、
続けられなくなる技術もあります。
だから今回、
「まだ作れる今」に、
もう一度きちんと革と向き合ってみようと思いました。
既にある革から選ぶのではなく、
「どんな表情にしたいのか。」
「どんな革を届けたいのか。」
そこから考えて、革そのものを作る。
簡単な方法ではありません。
それでも今回、
あえてそこから始めたのには理由があります。
「作れるうちに、残したい革がある。」
それが、今回のクラウドファンディングを始めた
一番最初の想いだからです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
財布をひとつ作って、何かが変わるのか。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ひとつの財布を作ったからといって、
日本の革産業が大きく変わるわけではないかもしれません。
それでも、
革を作る仕事が生まれる。
加工する仕事が生まれる。
縫製する仕事が生まれる。
そして、
完成したものを使ってくださる方がいる。
その小さな循環がなくなれば、
ものづくりは続いていきません。
だから私たちは、
「残したい」と言うだけではなく、
実際に革を作り、財布という形にして、
皆さまのもとへ届けることを選びました。
この財布を手に取っていただくこと。
毎日の暮らしの中で、使い続けていただくこと。
それもひとつの、
ものづくりを未来へつなぐ方法だと
私たちは考えています。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
10年後にも、「作れる」と言えるように。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
10年前なら作れた。
でも、今は作れない。
そんな革を、これ以上増やしたくない。
10年後にも、「こんな革を作りたい」という声に、
「できますよ」
と応えてくれる人がいてほしい。
そして、日本にはこんな革があることを、
次の世代にも伝えていきたい。
今回のクラウドファンディングは、
そのための小さな一歩です。
もし、「この技術を残してほしい」
「日本のものづくりを、これからも見ていたい」
そんなふうに感じていただけたら、
今回のプロジェクトを
一緒に応援していただけたら嬉しく思います。
「作れるうちに、残したい革がある。」
INTRODUCTIONのクラウドファンディングは、8月31日までです。
ご支援よろしくお願いいたします。



