
全国約80店舗の洋菓子店様と、温かいご支援を寄せてくださる皆さまの力によって支えられている「シェアケーキプロジェクト」。
今回は、神奈川県のMaison Hestia(メゾン エスティア)様にお話を伺いました。
◆ 子どもたちに幸せな誕生日を届けたい
ーーまず、このプロジェクトに参加されたきっかけを教えてください。
「お店をオープンする頃に、Facebookでシェアケーキの活動を知りました。
もともと地元・北九州でフードパントリーのボランティアに参加した経験があり、『自分でも何かお役に立てることはないか』と考えていた時期でした。
また、これまでの歩みを少し遡ってみると、幼少期の記憶がどこかで繋がっているのかもしれないとも感じています。実は私自身、母子家庭で育ちました。小学生の頃、誕生日にケーキはあるけれどプレゼントはなしね、という時期があったんです。
当時は特に深く考えてはいませんでしたが、やはり『お友達の家にはあるものが、自分にはない』と周りと比べてしまう寂しさが、あの頃の自分にもあったのかもしれないな、と。
子どもたちにお誕生日という特別な一日を寂しさを抱えることなく、幸せな気持ちで過ごしてほしいという想いがあり、参加を決めました。」
◆ シビアな環境下だからこそ、安心な素材と笑顔を届けるための工夫
ーー昨今の物価高騰において、店舗の現場ではどのような影響が出ていますでしょうか。
「一時期逼迫していた包材の在庫などは落ち着いてきましたが、原材料の価格は今も上がり続けており、店舗運営においてシビアな状況が続いているのは間違いありません。
当店では、すべてのケーキを小麦粉不使用のグルテンフリー、さらに白砂糖不使用で製造しており、国産の米粉、甜菜糖やミネラルを多く含むお砂糖を使用しています。ただ、こうした身体に優しい材料は、元々の仕入れ値が一般的な材料に比べて高値なのが現状です。日々価格が高騰していく状況の中ですが、できる対策を一つずつ進めながら、お誕生日の思い出に残るケーキを届けるための工夫を重ねています。」
◆親御さんにも、心からの「おめでとう」を
ーーお店を取り巻く環境は本当に厳しい状況かと存じますが、それでもこのプロジェクトを継続してくださっているのは、どのようなお気持ちからなのでしょうか。また、子どもたちやご家庭へのメッセージをお願いします。
「お子様の誕生日は、子ども自身のお祝いであると同時に、親御さんにとっても『母親・父親になってからの周年記念日』なんですよね。大切な節目の日を迎えられた親御さんへもお祝いの気持ちを届けたいという想いがあります。最近だと、そんなことを改めて感じさせてくれる印象的な出会いがありました。
先日お越しになられた、3歳のお子様とお母様のことです。
入店前、お二人が店外でケーキを受け取る練習をされている微笑ましい姿がショーウィンドウ越しに目に入りました。
店内が落ち着いたタイミングでご入店されると、お母様の耳打ちに合わせて、お子様が私に向かって『〇〇です!!えと…ケーキ来まちた!』と伝えてくれたのです。
あまりの愛らしさに私も嬉しくなり、ショーケースからお祝いの品をお出しすると、お子様はキラキラとした瞳で満面の笑みを浮かべ、お母様もホッと表情を緩められました。
その後、バースデーカードのご案内をしていると、お母様の目にみるみる涙が浮かんできました。はっとした瞬間、お母様のバッグに結ばれた赤と白の「ヘルプマーク」が目に留まったのです。
今日この日を迎えるまでのご苦労や背景が胸に迫り、私ももらい泣きしそうになりながら、『3歳のお誕生日おめでとうございます』という言葉を精一杯お伝えしました。
こうした出会いがあるたびに、当店は ただケーキを届けるだけでなく、親子のこれまでの歩みを労う大切な役割をいただいているのだと感じます。これからも、子どもたちのお誕生日に、一つでも多くの笑顔を添えられるよう、この活動を続けていきたいと思っています。 」

(※ケーキの写真は一例です。季節によってフルーツの種類等が変わることもあります)
–店舗情報–
店舗名:Maison Hestia
所在地:神奈川県横浜市中区元町5-209



