
※上の写真は試作プレイをするために、白いトランプにイラストをカラープリントした物をのりで貼り付けしている様子です。返礼品ではありません。
このたびは、医療カードゲーム『MEDICO』をご支援いただき、本当にありがとうございます。
そして、まだ完成前のこの作品を、「面白そう」「応援したい」と思ってくださったことを、心から感謝しています。
今回は、そんな『MEDICO』がどのように生まれ、どんな想いで制作しているのか、制作過程の一部をお話ししたいと思います。
私は、診療放射線技師として病院で働いています。
医療現場では、医師、看護師、薬剤師、リハビリ職、検査技師、介護職、医療事務など、本当に多くの職種が関わりながら患者さんを支えています。
ですが実際に働いていると、
「同じ患者さんのためを思っていても、立場によって“正しさ”が違う」
という場面を何度も経験してきました。
検査を優先したい立場。安全を優先したい立場。効率を求める立場。生活背景を大切にしたい立場。
どれも間違いではない。
でも、その“立場の違い”によって、医療は複雑になります。
私は、その構造自体を、「遊び」として体験できないかと考えるようになりました。
そんな時に出会ったのが、中田敦彦さん考案のカードゲーム『XENO』でした。
単純な強さだけではなく、
「相手の心理」「カード同士の関係性」「構造そのもの」
がゲームになっていることに衝撃を受けました。
そこで思ったんです。
「これを医療で出来ないだろうか」と。
最初のMEDICOは、正直、全然面白くありませんでした。
ただ医療職を並べただけ。
職種らしさも薄く、“医療風のゲーム”になっていました。
そこから、
- 診療放射線技師は「透視」
- 理学療法士は「負荷と未来」
- 臨床検査技師は「リスクと情報」
- 看護師は「割り込み」
- 経営者は「全体を動かす」
など、
それぞれの職種の特徴や、医療現場で感じてきた役割を、少しずつカード能力へ落とし込んでいきました。
そして、MEDICOの中心に置いたのが、
「患者さんを守り切れるか?」
というテーマでした。
医療は、誰かを倒すためのものではなく、患者さんを支えるためのもの。
だからMEDICOでは、“患者カードを最後まで守った人が勝つ”というルールにしました。
ただ、守るだけでは勝てません。
時には攻め、読み合い、相手を崩しながら、最後まで患者さんを守り切る必要があります。
この「守るゲームなのに、守るだけでは勝てない」というバランスには、本当に苦労しました。
何度もルールを書き直し、能力を作り直し、実際にプレイを繰り返しながら、少しずつ今の形になっていきました。
MEDICOは、単なる医療テーマのカードゲームではありません。
カードゲームとして楽しみながら、
「医療にはこんなに多くの職種があるんだ」「それぞれ違う立場で患者さんを支えているんだ」
ということを、少しでも感じてもらえたら嬉しいです。
そして、このゲームが、誰かにとって医療に興味を持つきっかけになれば、本当に嬉しく思います。



