前回のバナナ苗の搬入と植え付け準備に続き、いよいよ本プロジェクトの中核となる植え付け作業を実施しましたので、その様子をご報告いたします。実施日: 2026年5月24日 参加人数: 計10名 (プロジェクトメンバー含む)作業エリア: 8ライ(約1.28ヘクタール) 植え付け本数: 3,200本当日はタイ東北部らしい強い日差しが照りつける晴天で、気温はかなり高く、炎天下での作業となりました。それでもメンバー全員が最後まで力を合わせ、1日かけて全3,200本の植え付けを無事に完了することができました。参加してくれたメンバー全員に、作業報酬をお渡しいたしました。植え付けの流れ① Noiによる植え付け指導作業開始にあたり、まずメンバー全員でNoi(農業担当)による植え付け方法のレクチャーを行いました。ホムトンバナナの栽培は手順が品質に直結するため、全員が同じ方法で作業できるよう、丁寧に説明・実演を行いました。② 苗の殺菌処理植え付け前に、全ての苗を殺菌剤(バクテリア防除薬)に数分間浸す処理を施しました。【なぜ殺菌処理が必要なのか】 バナナ苗には、土壌由来の細菌や真菌が付着していることがあります。特にホムトンバナナは「パナマ病(フザリウム病)」や「根腐れ」などの病害に弱い側面があり、植え付け前の殺菌処理は被害を未然に防ぐうえで非常に重要なステップです。薬液への浸漬(ひたし)は、苗の根や球茎の表面に付着した病原菌を除去し、新しい土地での健全な発根・活着を助けます。タイ農業省の指導でも、ホムトンバナナ苗の定植前殺菌処理は標準的な工程として推奨されています。③ 植え付け間隔:2メートル×2メートル苗の植え付け間隔は、縦横ともに2メートルに設定しました。【間隔2メートルが適切な理由】 ホムトンバナナは成長すると葉が大きく広がり、通気性と日照の確保が収量と品質に大きく影響します。間隔が狭すぎると株同士が競合して生育が弱まり、病気が広がりやすくなります。2メートル間隔は、1ライあたり約400本を植えられる標準的な栽培密度で、風通しや日光を適切に確保しながら、農園全体を効率よく管理できるバランスの取れた設定です。今回は8ライに3,200本(1ライ=400本)という計算どおりの植え付けが完了しています。④ 穴の深さと植え付け方法各苗は、深さ・幅ともに約20〜50センチの穴を掘り、苗の球茎がしっかりと安定するよう埋め込みました。なお、根腐れを防ぐため、穴の底への肥料の直接投入は避け、活着が安定してから追肥を行う方針としています。今後の管理について植え付けから収穫まで、ホムトンバナナはおよそ8〜10ヶ月を要します。これからの管理の主なポイントは以下のとおりです。 ・水やり: 植え付け直後は土が十分に湿る程度にしっかり水を与えます。活着後は雨季の降水量を見ながら適宜調整します。 ・除草: 雑草を定期的に管理することで、栄養が株に集中し、より大きな房(ふさ)を育てることができます。 ・施肥: 活着が確認できたら、窒素・リン酸・カリウムを含む肥料を開始します。有機肥料(牛糞堆肥など)と化学肥料を組み合わせた管理を予定しています。 ・病害虫管理: 引き続き、パナマ病やバナナ苞囲虫(バナナウィービル)などへの注意を怠らず、早期発見・早期対処を心がけます。 3,200本のバナナがこの土地でしっかりと根を張り、健やかに育ってくれることを願っています。この栽培を「経験」として積み重ねていくために植え付け以降のホムトンバナナの日々のお世話については、メンバーのAuとNoiが指導を受けた手順に沿って、現在進めております。ただ、私たちプロジェクトメンバー自身、ホムトンバナナ栽培において収穫(カッティング)までを経験したことはまだありません。今回が、文字どおり初めての挑戦です。この栽培方法で苗がしっかりと育ち、収穫まで導けるのかどうか、正直なところ、私たち自身もまだ未知の領域にいます。そのため現在は、メンバーそれぞれがホムトンバナナに関する知識を学びながら、実際の農園での実践を通じて理解を深めていく、という形で取り組んでいます。収穫に至るまでの間に何が起こるかはまだ予測できませんし、想定外のことも起きるかもしれません。しかし、成功するか失敗するかに関わらず、この最初の栽培から得られるすべての経験を、次へとつなげていきたいと考えています。だからこそ、日々の農園の様子を丁寧に記録し、正直にお伝えしていくことを大切にしていきたいと思っています。良い報告も、うまくいかなかったことも含めて、ありのままをお届けしていきます。引き続き、温かく見守っていただけますと幸いです。次回の報告について次回は、オーナー制度プランにてご支援いただいたバナナの木オーナー様・農園オーナー様のバナナに関する報告をお届けする予定です。現在、オーナー様それぞれのバナナの木・農園区画の配置を検討しています。撮影のしやすさや、初期の生育状況なども見ながら、6月中をめどに各オーナー様の区画を正式に決定していく予定です。支援によって生まれた「あなたのバナナの木」「あなたの農園」が、いよいよ農園の中で誕生します。詳細は次回の報告でお知らせいたします。なお、オーナー制度プラン以外のプランでご支援いただいたすべての支援者様にも、引き続き農園の最新レポートをお届けしてまいります。どうぞ引き続き、温かく見守っていただけますと幸いです。
実施日: 2026年5月23日苗の到着2026年5月23日、ナコンラチャシーマ県から2台のトラックの荷台に積まれた約3,200本のホムトンバナナの苗が、私たちの農園へと運ばれてきました。搬入を前に、メンバー全員がある程度の期待と緊張を持ちながら到着を待っていましたが、実際に目の前に広がった光景は、想像をはるかに超えるスケールのものでした。「タケノコ」のような姿に驚くバナナの苗がどのような状態で届くのか、事前にははっきりとしたイメージを持てていませんでした。実際に届いた苗は、まるでタケノコのように先端が細くとがった形状をしており、一見するとバナナとは思えないほどでした。また、苗の太さや大きさには個体ごとにかなりの差があり、1本持ち上げるだけでもずっしりとした重さを感じるものから、比較的細身のものまでさまざまでした。【なぜ苗にこれほど個体差があるのか】 ホムトンバナナをはじめとするバナナは、種ではなく**吸芽(きゅうが)**と呼ばれる親株の根元から自然に発生する子株を分けて増やす方法が基本です。吸芽には大きく分けて2種類あります。「剣吸芽(けんきゅうが)」は、地上部が細くとがった葉を持ち、球茎(根の塊)が土の深い位置に発達しているもので、植え付け後の活着が良く、定植に最も適した優良苗とされます。一方、「葉吸芽(はきゅうが)」は幅広い葉を持ち、球茎の発達がやや弱いため、植え付けには不向きとされることが多いです。今回届いた苗の多くがタケノコのようなとがった形状だったのは、まさにこの「剣吸芽」タイプである証拠でもあります。球茎が大きく充実しているほど養分を多く蓄えており、植え付け後の生育が安定しやすく、収穫までの期間も短縮されるとされています。午前:荷下ろし作業 この日はプロジェクトメンバーだけでは人手が足りないため、地域の方4名に作業協力をお願いしました。作業はすべて、適切な報酬をお支払いした上での雇用として行っています。このように地域の方々と協力しながら作業を進めることは、農園の運営が地域の雇用機会にもつながる形を目指すという、本プロジェクトの考え方とも一致するものです。午前中いっぱいをかけて、トラックの荷台から苗を1本ずつ手作業で下ろしていきました。数が非常に多く、単純な作業に見えても体力を要する仕事です。苗の重さと本数を考えると、これだけの量を1日でさばくのは決して容易ではありません。数を確認しながら丁寧に下ろしていく地道な作業が、黙々と続きました。午後:苗の分類と植え付け準備午後からは、下ろした苗をサイズや状態ごとにある程度グレード別に分ける作業に移りました。【なぜグレード分けが重要なのか】サイズや充実度の異なる苗を同じ条件で植えてしまうと、生育にばらつきが生じ、農園全体の管理効率や収穫時期の均一性が下がってしまいます。あらかじめ苗を分類しておくことで、活着後の成長速度が揃いやすくなり、追肥や病害虫管理のタイミングも合わせやすくなります。商品として市場に出す際にも、品質の安定が求められるホムトンバナナの栽培では、この初期段階の丁寧な仕分けが最終的な出荷品質に影響します。また、翌日の植え付けに備えて、植える間隔の測定と畑全体のレイアウト確認も行いました。2メートル間隔での植え付けを予定しているため、8ライの土地に3,200本が均等に収まるよう、事前に位置を確認しておく必要があります。農園が形になり始める日約3,200本の苗を目の前にして、改めてこのプロジェクトの規模と現実をひしひしと感じる一日となりました。プロジェクトメンバーと地域の方々の力を合わせ、搬入から分類・準備まで、すべての工程を1日でやり遂げることができました。単なる搬入作業ではなく、「ここから農園が始まる」という、大きな節目の一日でもあります。少しずつですが、確実に農園が形になってきています。※引き続き、明日は、植え付け作業のレポートをお送りしたします。




