こんにちは。ぴったセル開発チームです。
前回までの記事では、ぴったセルが子どもたちや保護者の皆さまの声から生まれたことをお伝えしました。今回は、開発の中で私たちが大切にした「インクルーシブデザイン」についてお話しします。
インクルーシブデザインという言葉を聞いたことはありますか?
私たちも最初からその考え方を知っていたわけではありません。
ラクサック(2020年から発売したランドセルリュックブランド)をご利用いただく中で、
「ファスナーが難しい」
「整理整頓が苦手」
「忘れ物が多くなってしまう」
そんな声が少しずつ届くようになりました。
その数は決して多くありません。
けれど、その声を詳しく聞いていくと、あることに気づきました。
困りごとは一人ひとり違うということです。
同じ学年でも、同じランドセルリュックを使っていても、困っていることはまったく違いました。
そこで私たちは、子どもたち本人や保護者の皆さまと一緒に考える開発を始めました。
25家族にアンケートをとりそれぞれの困りごとや生活を調査したのち、オンラインでお話をうかがいました。
その後、実際に複数のご家庭へ伺い、学校の準備をする様子や荷物の出し入れを見せていただいたり、モニターのお子様達に日記形式でサンプルを使用した感想を提出していただきました。
すると、私たちが想像していなかった工夫や課題が次々と見えてきました。
忘れ物を防ぐために毎日変わる持ち物のメモをカバンに入れている子。
開閉が難しい部分にパーツをつけて使いやすく加工したり、時間をかけて操作している子。
荷物の場所をすぐに確認できるよう頻繁に取り出すファイルに工夫している子。
自宅の中にもお子様をサポートする工夫がされていました。また日記からはお子様の気持ちや周囲の反応など、製品が与える利便性だけではない影響も知ることができました。
その姿を見ながら感じたのは、「困りごとは本人の努力不足ではない」ということでした。
道具や環境が変われば、もっとできることが増えるかもしれない。
もっと学校生活を楽しめるかもしれない。
インクルーシブデザインとは、特定の誰かのためだけの設計ではありません。
多様な人の声を出発点にして、より多くの人が使いやすいものを考えることです。
ぴったセルもまさにそうでした。
一人の困りごとから見つかった気づきが、多くの子どもたちの使いやすさにつながっていったのです。
私たちは、すべての子どもが同じである必要はないと考えています。
だからこそ、通学の道具にも選択肢があっていい。
ぴったセルには、そんな想いが込められています。
次回は、ぴったセルの大きな特徴のひとつである「ファスナーレス設計」についてご紹介します。



