
はじめに、このたびの令和8年熊本地震により被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
突然の大きな揺れにより、不安な時間を過ごしておられる方々も多いことと存じます。被災された地域の皆様の安全と、一日も早い復旧、そして平穏な日常が戻りますことを、鏡神社より心を込めてお祈り申し上げます。
このような折ではございますが、7月25日に斎行いたしました鏡神社の夏越祭について、御報告させていただきます。
7月25日の夕刻、鏡神社にて夏越祭を斎行いたしました。
今年も、まさに「夏を越える」にふさわしい暑さ。朝から雲ひとつないような青空が広がり、太陽が容赦なく照りつける一日となりました。

そのような暑さの中、茅の輪をくぐり、半年間の罪や穢れを祓い、残る半年の無病息災を願うため、本当に多くの皆様に御参拝いただきました。
奉納演舞、奉納ライブに御出演いただいた皆様。準備や運営に御尽力いただいた総代、応援団、関係者の皆様。そして、足を運び、共に夏越祭を盛り上げてくださった皆様。
お一人おひとりの御協力のおかげで、今年も無事に祭典を終えることができました。心より篤く御礼申し上げます。
今では多くの方々に茅の輪をくぐっていただけるようになった鏡神社の夏越祭ですが、以前は、茅の輪を設けても、くぐりに来てくださる方はほとんどいませんでした。
境内に人影の少ない夏越祭を前に、「このままではいけない。それならば、自分にできることから始めよう」と、たった一人で灯明を作り、境内に飾り始めました。
最初から大きなことができたわけではありません。誰かに注目されたわけでもありません。それでも毎年、少しずつ灯りを増やし、祭りの雰囲気を整え、皆様に足を運んでいただけるような夏越祭を目指してきました。
奉納ライブを始める際にも、地元で活動されているアーティストの皆様が、一人、また一人と力を貸してくださいました。出演者の皆様が想いを込めて歌い、演奏し、舞を奉納してくださることで、夏越祭に新たな命が吹き込まれていきました。
そうした小さな積み重ねを、十数年続けてきました。
一人で灯した小さな灯明から始まった夏越祭が、今では多くの方々に茅の輪をくぐっていただき、奉納の音楽に耳を傾け、境内で共に時間を過ごしていただける祭りへと育ちました。

この光景を見るたびに、続けることの大切さ、そして一人では決してここまで来ることができなかったということを、改めて感じます。
そして今年、僕にとっては超弩級のビッグサプライズがありました。
あるアーティストの方が、なんと鏡神社のための曲を作ってくださっていたのです。大人の事情もあり、今回はお名前を控えさせていただきますが、鏡神社の夏祭に十数年にわたり、ほぼ毎年奉納してくださっているメジャーアーティストの方です。
お祭りのわずか3日前に詩が降り、その翌日に曲が降りてきたのだそうです。
御本人は「神社非公式の曲です」とおっしゃりながら歌われましたが、僕たちにとっては、決して非公式などではありません。
長い年月、鏡神社の祭りに寄り添い、奉納を続けてくださった方から生まれた、鏡神社への想いが込められた楽曲です。
その歌を聴きながら、妻と二人、涙を堪えることができませんでした。
一人で灯明を作り始めた頃には、十数年後にこのような楽曲を奉納していただける日が来るとは、想像もしていませんでした。
けれども、祭りを続けてきた時間、支えてくださった皆様との御縁、境内に積み重なってきた祈りや思いが、一つの曲となって結ばれたように感じています。
これから、この曲がどのように完成していくのか、本当に楽しみです。
今回のクラウドファンディングも、夏越祭の歩みと同じように、鏡神社を未来へつないでいくための大切な一歩です。
神社を守るということは、建物だけを残すことではありません。
茅の輪をくぐり、家族の健康を願うこと。地域の人々が集まり、言葉を交わすこと。アーティストの皆様が音楽や舞を奉納すること。子どもたちが境内の灯りを見上げ、祭りの思い出を胸に残すこと。
そうした人々の祈りや御縁、地域の記憶を、次の世代へ手渡していくことだと思っています。
十数年前、一人で灯した小さな灯りが、多くの皆様の御協力によって、今では境内を照らす大きな光となりました。
今回のプロジェクトもまた、今すぐに結果が見えるものではないかもしれません。しかし、一人ひとりの御支援と応援が積み重なることで、鏡神社の歴史と祈りを百年先、さらに千年先へとつないでいく力になります。
これまで夏越祭を共に育ててくださった皆様、そして今回のプロジェクトを応援してくださっている皆様に、改めて心より御礼申し上げます。
今年の夏も厳しい暑さが続きます。
茅の輪をくぐり、心身を清めた皆様が、残る半年を健やかに過ごされますことを心よりお祈り申し上げます。
そして、地震により被災された皆様が、一日も早く安心して過ごせる日常を取り戻されますことを、重ねてお祈り申し上げます。
皆様と共に、今年の夏も元気に越えてゆきたいと思います。



