
今回は、ターバンの額の上部分を修復しました。
『真珠の耳飾りの少女』は現在の名前で広く知られていますが、かつては「青いターバンの少女」とも呼ばれていました。
それほどまでに、この鮮やかな青いターバンは作品を象徴する存在です。
少女の柔らかな肌や真珠の輝きに目が行きがちですが、その印象を支えているのは、額の上を包み込む深く美しい青。
この青には、ラピスラズリを原料とした高価な顔料「天然ウルトラマリン」が使われているとされています。ラピスラズリは当時、金にも匹敵するほど貴重な素材であり、その鮮やかで透明感のある青は、多くの画家たちの憧れでもありました。
フェルメールはその貴重な青を惜しみなく用い、少女の神秘的な魅力を描き出しました。だからこそ、このターバンの青は今なお多くの人を惹きつけ、作品の印象を決定づける存在になっているのだと思います。
400年近い時を経て、細かなひび割れや色の乱れが生じていましたが、一つひとつ丁寧に修復していくことで、フェルメールが描いた色彩の美しさが少しずつ蘇ってきました。
修復作業をしていると、
「この青があったからこそ、少女の肌がこんなにも透明感を持って見えるのか」
と、あらためて驚かされます。

顔の修復はすでに完了し、今回からはターバンや衣装へ。
少女の印象を決定づける青が、これからどのように蘇っていくのか。
ぜひ見守っていただけると嬉しいです。
スタンプ機能を使っての修正作業動画です。
まったく見どころのない退屈な動画になってしまってすみません。



