
皆さま、こんにちは。クラウドファンディングへの温かいご支援、そして胸が熱くなるような応援のお言葉をいただき、本当にありがとうございます。
今回は、日本豊受自然農の畑で、日々祈るように作物たちのお世話をしているスタッフ、渡邊浩一郎さんの物語をお届けします。私たちが育てる野菜の背景にある、単に「作る」という言葉だけでは収まりきらない、自然と命に深く向き合う日々の営みを感じていただければ幸いです。
渡邊さんが何よりも大切にしているもの、それは「種」です。

豊受自然農では、固定種・在来種を中心に、自分たちの手で種を採り世代を繋ぐ「自家採種」を何年も続けています。渡邊さんにとって種とは、次の作物を育てるための道具ではありません。その土地の厳しい寒さや乾きを乗り越え、何年も命を繋いできた「生命の記憶」そのものです。毎年、最も力強く輝く作物を選び、その命をそっと手のひらに受け取る。「自分の手で命のリレーに携わり、この土地の力になっていく。その姿を見る瞬間が最高の喜びであり、種たちの想いに応えられる唯一の仕事だと感じています」そう語る渡邊さんの目は、命への感謝に満ちています。

そして、その種を包み込むのが「土」です。作物は、土の状態を映し出す鏡。豊受自然農では、農薬や化学肥料で無理に引き出すのではなく、土の中に生きる無数の微生物たちの力を借り、自家製の落ち葉堆肥や「豊受御古菌」によって、土本来の生命力を呼び覚ましています。

自然農の畑では、虫も雑草も敵ではありません。作物を守るための手入れは必要ですが、そこにあるのは「排除」ではなく「敬意」です。渡邊さんは、草を抜くときにも心の中で語りかけます。「ごめんね、今は作物に大きくなってもらいたいから、少し場所を譲ってね」そうして引いた草も、やがて堆肥となり、また次の命を育む土へと還っていく。ここには、何ひとつ無駄なものはなく、すべてが美しい循環の中に生きています。

渡邊さんがここで学び、最も魂を揺さぶられた言葉があります。
それは、「作物や種たちは、人間の役に立ちたい、人を健康にしたい、人を元気にしたいという強い想いを持って生きている」ということでした。この真実に触れたとき、渡邊さんは「私たちはなんて有り難い存在に生かされているのだろう」と、胸がいっぱいになったと言います。だからこそ、どれほど厳しい天候の日も、畑に立つ足取りは前向きで、温かい感謝に満ちているのです。
今回のクラウドファンディングで皆さまと共に建設を目指している「農業棟」は、過酷な時代を生き抜く種を守る聖域であり、自然農の知恵を磨き、次の世代へと尊い命のバトンを繋ぐ場所です。
土に触れ、種を守り、大自然の大きな循環の中で生きていく。
この美しく大切な価値を、未来の子どもたちへ届けるために。どうか皆さまの温かいお力を、この農業棟に託していただけないでしょうか。
引き続き、豊受自然農への応援を、何卒よろしくお願いいたします。



