コンビニに行く。電車で出かける。好きな場所に行く。公園で過ごす。近所を歩く。寄り道をする。ただ、友だちに会いに行く。
そんな「当たり前」の時間が、その人の暮らしをつくります。
けれど、外出に手伝いが必要な知的障害のある人にとって、その「当たり前」の外出は、まだ当たり前になっていません。
公的な制度として「移動支援」があります。
本人が望む場所へ行き、自分の時間を過ごすための制度です。
でも、一緒に出かける人、つまりガイドヘルパーが地域で不足しているため、制度を十分に使えないのです。
外出は、特別なイベントではなく、その人の暮らしの一部です。

事業所に相談しても、ガイドヘルパーがいなければ、外出の予定を立てられない。
行きたい場所があっても、家族に頼らざるを得ない。
そんな現実があります。
私たちNPO法人風雷社中は、大田区で、知的障害のある人の外出を支える移動支援に取り組んできました。
今回のクラウドファンディングでは、2026年度に大田区でガイドヘルパー養成研修を3回実施します。
ガイドヘルパーを増やし、知的障害のある人の「出かけたい」を、実際の外出につなげたいのです。
知的障害のある人と一緒に街へ出る人を、地域の中に増やしたい。
そして、その実践を記録し、他の地域でも使える「ガイドヘルパーから始めよう」スターターキットとしてまとめていきます。
これは、ひとつの地域の課題ではないからです。
大田区だけで終わらせないために。
日本中に、ガイドヘルパーを増やしていくために。
このプロジェクトを始めます。
ガイドヘルパーと一緒に、地域の中を歩く。
34回の研修を実施し、のべ426名が修了しました
風雷社中は、2014年度からガイドヘルパー養成研修を続けてきました。2026年5月までに34回開催し、のべ426名が修了しています。
資格を取るだけで終わらせず、知的障害のある人と実際に街へ出かける担い手を、地域の中に増やしていく。そのための研修を、試行錯誤しながら続けてきました。

このプロジェクトで実現したいこと
実現したいことは、大きく3つあります。
1つ目は、ガイドヘルパー養成研修を3回実施することです。
大田区で、知的障害のある人の外出を支えるガイドヘルパーを増やし、目の前にいる知的障害のある人の「出かけたい」を、実際の外出につなげます。
2つ目は、受講しやすい研修環境をつくることです。
ガイドヘルパーに関心があっても、日程や情報の届きにくさが壁になります。
より多くの人が参加しやすくなるように、例年より実施回数を増やして受講の機会をつくり、広報を強化します。
受講料が負担になりやすい方や、日本語での情報取得に不安がある方にも、できる限り丁寧に対応していきます。
3つ目は、その実践を記録し、他の地域でも使える形にすることです。
大田区での研修実践を、「ガイドヘルパーから始めよう」スターターキットとしてまとめます。
同じようにガイドヘルパー不足に悩む地域や団体が、「自分たちの地域でも始められるかもしれない」と考えるための道具にしていきます。
大田区での小さな実践を、大田区だけで終わらせずに広げたいのです。
ガイドヘルパー不足は、大田区だけの課題ではないからです。
なぜ、ガイドヘルパーが必要なのか

出かけた先で過ごす時間も、その人の暮らしです。
ガイドヘルプは、本人と地域が出会う時間を支える仕事です。
ガイドヘルパーは、知的障害のある人の外出に同行する人です。本人が地域の人や場所との関係を広げていくことも支えます。
コンビニで買い物をする。レジでお金を出す。店員さんとやりとりをする。いつもの道を歩く。いつもの店に行く。
そうした一つひとつは、小さなことに見えるかもしれません。でも、その積み重ねが、その人の暮らしを地域の中につくっていきます。
街に出るから、顔を覚えてもらえる。何度も行くから、本人のペースを知ってもらえる。地域の人が、少しずつ本人を「いつもの人」として受けとめるようになる。
ガイドヘルプは、外出に同行するだけの仕事ではありません。
本人が地域の中で関係を築いていく時間を支える仕事です。
知的障害のある人の外出は、これまで家族が大きく支えてきました。今も多くの場合、家族が担っています。
家族との外出には、大切な意味があります。しかし、外出を家族だけで支え続けることには限界があります。
本人にとっても、家族との外出だけがすべてではありません。
家族ではない人と出かけるからこそ、できる経験があります。家族といるときとは違う表情が見えることもあります。そうして、地域の中での暮らしが広がっていきます。
ガイドヘルプは、家族の代わりをするためのものではありません。
本人が家族だけに頼らずに出かける時間を、地域の中で一緒につくっていくためのものです。
ガイドヘルプは、本人の暮らしを社会全体で支えていくための仕組みです。

家族だけではなく、地域の中で外出を支える人がいることで、本人の暮らしは広がります。
大田区の令和7年度障がい者実態調査から
「外出・移動のサポート」について、次のような結果が出ています。
【18歳以上】
現在利用している:9.4%
現在利用していないが、今後利用したい:11.9%
【18歳未満】
現在利用している:11.7%
現在利用していないが、今後利用したい:15.1%
「現在利用している人」と、「現在は利用していないけれど、今後利用したい人」を合わせると、調査上に見えている利用ニーズは、18歳以上で21.3%、18歳未満で26.8%になります。
その利用ニーズのうち、現在は利用していない人が占める割合は、次の通りです。
【18歳以上】約55.9%
【18歳未満】約56.3%
この数字だけで、支援を必要とする人の半数以上が利用できていないと断定することはできません。また、これは障害者調査全体の数字であり、知的障害のある人だけを示すものではありません。必要な支援も、障害の種別、年齢、暮らし方、家族の状況によって異なります。
それでも、この課題は今回初めて見えてきたものではありません。
過去の大田区の調査でも、「使いたいときに使えない」という声が繰り返し出ています。
人材不足は、待っていても解決しない
大田区の障がい者実態調査では、障害福祉サービス全体でも、人材確保の難しさが示されています。令和7年度のサービス提供事業所調査では、事業を運営する上での主な課題として、最も多く挙げられたのが「人材確保が困難」で、回答した事業所の50.0%にのぼりました。
さらに、新規のサービス提供依頼が増えていると回答した事業所のうち、その増加に「対応できていない」と答えた事業所は54.9%でした。対応できていない理由として最も多かったのは、「職員の数が足りないため」で、60.7%でした。
この調査は、施設、通所、訪問、相談支援、障害児支援、移動支援などを含む、障害福祉サービス事業所全体への調査です。障害福祉サービスの現場では、人材不足が大きな課題になっています。
「外出・移動のサポートを使いたい」という声があっても、事業所に人がいなければ、その声を実際の外出につなげることはできません。
人材不足は、自然には解決しません。待っていれば、ガイドヘルパーが増えるわけではありません。

出典:大田区「令和7年度大田区障がい者実態調査結果報告書」
※未利用者の割合は、同調査の回答割合をもとに風雷社中が算出。
だから、私たちはガイドヘルパー養成研修を実施します。
ガイドヘルパーを増やすために、地域の中で研修を続けています。
2026年度、大田区で3回の養成研修を実施します
日程が合わなければ受講できず、情報が届かなければ、研修があること自体を知ることができません。
年間を通して複数回の入口をつくる必要があります。
福祉の仕事に関心がある人。
地域で何か始めたい人。
ダブルワークとして関わってみたい人。
転職を考えている人。
学生や若い世代。
すでに福祉の現場で働いている人。
多様な人たちに、ガイドヘルパーという仕事への入口を届けたいと考えています。
福祉の仕事を始める入口として
ガイドヘルパーはとても大切な経験になると考えています。
障害のある人の地域での暮らしや社会参加、自己実現に、本人の意思や選択を中心に据えて関わる。
その経験は、その後の支援のあり方にも大きく影響します。
研修を修了した人が、外出支援の現場を福祉に関わる入口にしていくこと。
知的障害のある人と一緒に街へ出る人が、地域の中に少しずつ増えていくこと。
そこまでを見据えて、養成研修を実施します。
研修は、当日だけでは成り立たない
研修には、講義当日以外にも多くの準備があります。
・受講者を募集する
・問い合わせに対応する
・申込を管理する
・会場を調整する
・教材を準備する
・当日の受付や進行を行う
・研修後に受講者を現場へつなげる
・修了者の記録を管理する
その一つひとつに、スタッフの時間と労力が必要です。
ガイドヘルパーを増やすためには、研修を「一度だけのイベント」として終わらせるのではなく、継続して運営できる仕組みにしていく必要があります。
そのため、ご支援は、講師謝金や会場費だけでなく、研修運営に関わるスタッフ経費にも活用します。
ガイドヘルパーを育てる取り組みを、現場の善意や持ち出しだけに頼るのではなく、地域に必要な仕事として続けていく。
そのことも、今回のプロジェクトの大切な目的です。

今回のプロジェクトは、大田区でガイドヘルパー養成研修を3回実施して終わりではありません。
私たちは、その実践を記録し、他の地域でも活用できる「ガイドヘルパーから始めよう」実践スターターキット(Toolkit)としてまとめていきます。
ここでいうスターターキットは、ガイドヘルパーを増やしたい地域や団体が、最初の一歩を踏み出すための「実践の道具箱(Toolkit)」です。
完成された専門書ではなく、研修マニュアルでもありません。
風雷社中が実際の研修運営で使ってきた書式やチェックリストを中心に、「これもあったら始めやすい」という道具を加えてまとめます。
多くの地域で、移動支援の人材不足は課題になっています。
「ガイドヘルパーを増やしたい」と思っても、どこから始めればいいのかわからない地域も多いはずです。
そこに悩んでいる地域や団体が、最初の一歩を考えるための道具にしたいと考えています。
実践スターターキットには、たとえば次のような内容をまとめる予定です。
『ガイドヘルパーから始めよう』スターターキット案
【研修を始めるために】
・ガイドヘルパー養成研修を始めるための基本的な考え方
・研修を企画するときに必要な準備
・団体内で合意をつくるためのポイント
【受講者に届けるために】
・受講者募集のための広報文例
・チラシや告知ページづくりのポイント
・研修で伝えたい「外出支援」の意味
・受講者が不安に感じやすいこと
【研修を運営するために】
・研修運営で必要になる事務局の役割
・問い合わせ対応や申込管理の工夫
・当日運営で気をつけること
【修了後につなげるために】
・修了後に、現場や事業所につなげるための工夫
・受講者フォローの考え方
・次の研修に活かすための記録方法
【研修を続けるために】
・研修に必要な経費の考え方
・受講料、助成金、寄付、クラウドファンディングなど、資金をつくる方法
・継続して実施するための収支計画
【他の地域で応用するために】
・ガイドヘルプの実践を伝える写真記録の使い方
・大田区で実施して見えてきた課題と改善点
・他の地域で応用するときのチェックリスト
ガイドヘルプの実践を伝える教材もつくります
言葉だけでは伝わりにくいガイドヘルプの実践を伝えるために
漫画と写真パネルも制作します。
漫画「ガイドヘルパーから始めよう」&描き下ろしコラム

ガイドヘルパーの仕事は、説明だけでは伝わりにくい仕事です。
本人のペースを知ること。支援しすぎないこと。待つこと。見守ること。
そうした実践の意味を、漫画と描き下ろし解説コラムを組み合わせて伝えます。
※漫画冊子は、NPO法人風雷社中が企画・制作する自主制作・自費出版物です。
ガイドヘルプ写真パネルを作成します
お気に入りのジュースを買う
お肉を食べよう
実際のガイドヘルプの外出場面の写真をパネル化します。
ガイドヘルプの実践を見える化し、これから関わる人に届けるための教材であり、広報ツールです。
目標金額と資金の使い道
目標金額は150万円です。
いただいたご支援は、主に以下の費用に使います。
- 養成研修の実施費
- ・講師謝金
・会場費
・教材作成費・研修運営 - 研修運営・事務局スタッフ経費
- ・受講者募集、問い合わせ対応、申込管理に関わる費用
・講師手配、日程調整、会場調整に関わる費用
・当日運営、修了後フォローに関わる費用
・研修広報、チラシ、告知物の制作費 - 受講しやすい環境づくり
- ・学生や、受講料の負担が大きい方が参加しやすくなるための費用
・わかりやすい研修情報を届けるための費用
・研修後の受講者フォローや、現場につなげるための調整費 - スターターキット・漫画・写真パネル制作費
- ・「ガイドヘルパーから始めよう」実践スターターキットの制作費
・漫画冊子の制作・印刷製本費
・ガイドヘルプの写真記録・写真パネル制作費 - 活動報告・リターン関連費・予備費
- ・活動報告、報告会、広報に必要な費用
・リターンの制作・発送・対応費
今回のクラウドファンディングは、オールイン方式で実施します。
目標額に届かなかった場合でも、いただいたご支援をもとに、研修実施、記録、スターターキットづくりを進めます。
集まった金額に応じて、広報の規模、写真パネルの仕様、スターターキット制作の範囲などは調整します。
ご支援が増えるほど、その実践をより多くの人に届け、より使いやすい形で記録し、他の地域へ広げていく力が強くなります。
リターンについて
今回のリターンは、少額からの応援、漫画冊子、団体・事業所としての普及協力、写真パネル展、トーク登壇、地域展開の伴走まで用意しました。
・500円・1,000円:返礼品なしの応援
・3,000円:漫画冊子1冊
・5,000円:2026年度研修実施報告
・10,000円:漫画冊子10冊の配布協力パック
・30,000円・50,000円:団体・事業所向け普及コース
・100,000円:写真パネル展開催サポート
・300,000円:写真パネル展+トーク登壇
・500,000円:写真パネル展+トーク+地域展開相談
詳しい内容と条件は、各リターン欄をご確認ください。
実施スケジュール
2026年度のガイドヘルパー養成研修は、すでに動き出しています。今年度は、大田区で全3回の養成研修を実施します。
【第1回|7月土曜日コース】2026年7月18日(土)〜8月8日(土)
【第2回|10月水曜日コース】2026年10月14日(水)〜11月11日(水)
【第3回|冬期コース】2027年1月〜3月の間に実施予定。
第3回の日程、会場、募集開始時期などは、準備が整い次第、活動報告、風雷社中ホームページ、SNSなどでお知らせします。
支援金の入金を待たず、研修を始めています
このクラウドファンディングは、支援金を集めてから研修を始めるものではありません。第1回研修は2026年7月18日に開始しており、第2回研修もクラウドファンディング期間中の10月14日に開始します。
支援金が入金される前に必要となる会場費、講師謝礼、教材費などは、風雷社中が法人資金から一時的に負担します。集まった支援金は、こうした先行支出を含む、2026年度の養成研修と関連事業全体の費用に充てます。
研修実施と並行して、受講者募集、問い合わせ対応、申込管理、会場・講師調整、教材準備、当日運営、修了後フォローを進めます。
スターターキットと漫画「ガイドヘルパーから始めよう」PDF版は、完成後、無償で公開する予定です。
漫画製本版、写真パネル、写真パネル展開催サポート、トークセッション協力などのリターンは、制作・準備が整い次第、順次お届け・調整します。
- 漫画・スターターキット完成通知:2027年3月または4月
- 研修実施報告:2027年4月または5月
- 写真パネル展開催サポート(10万円コース):2027年4月1日~7月31日、個別に調整
- 写真パネル展・トーク・個別相談(30万円・50万円コース):2027年5月1日~7月31日
※写真パネルは、各コースの申込状況に応じて必要数を追加制作します。配送期間を含め、各リターンの実施期間内に貸し出せるよう、セット数と日程を調整します。
前回25万円から、今回150万円へ
前回のクラウドファンディングでは、養成研修の実施費の一部と翌年度の準備費として25万円を目標に掲げ、52名の方から26万3,000円のご支援をいただきました。
今回は、2026年度にガイドヘルパー養成研修を3回実施するだけでなく、受講しやすい環境づくり、修了後のフォロー、実践スターターキットと漫画の制作・公開、写真パネル展、地域でガイドヘルパーを増やす取り組みまでを一つの事業として進めます。
そのため、目標金額を150万円としました。内訳は次のとおりです。
- 養成研修3回の実施・運営:90万円
- 受講しやすい環境づくり:10万円
- スターターキット・漫画制作:20万円
- 写真記録・写真パネル制作:15万円
- 広報・活動報告・リターン発送・予備費:15万円
合計:150万円
各金額は現時点での予定です。実際の支援額や実施状況に応じて、項目間の配分を調整する場合があります。
前回は「研修を続けるための支援」、今回は「研修を実施し、その成果を地域へ広げるための支援」です。この違いが、25万円から150万円へ拡大した理由です。
All-In方式で、支援総額にかかわらず進めます
このプロジェクトはAll-In方式です。目標金額の150万円に達しなかった場合も、集まった支援金を受け取り、法人資金や受講料収入と組み合わせて事業を進めます。
支援総額にかかわらず、次の基本部分は実施します。
- 2026年度ガイドヘルパー養成研修3回
- 修了者への情報提供と、希望者へのフォロー
- 実践スターターキット基本版の制作・公開
- 研修と関連事業の実施報告
- お申し込みいただいたリターンの履行
一方、次の内容は支援総額に応じて規模や仕様を調整します。
- 漫画の追加印刷部数
- 写真パネルの仕様と制作セット数
- スターターキットに追加する資料の量
- 広報や地域展開の範囲
なお、リターンとしてお約束した漫画の冊数、写真パネル展、トーク、個別相談などは、支援総額にかかわらず、各リターンに記載した条件で実施します。
ご支援に関するよくあるご質問
Q.支援額以外に費用はかかりますか?
CAMPFIRE for Social Goodでは、支援額に加えて、ご協力費とシステム利用料を支援者の方にご負担いただきます。
ご協力費は支援額の12%+消費税です。システム利用料は、支援額が1万円未満の場合は税込み250円、1万円以上の場合は支援額の2.27%+消費税です。最終的な決済額は、支援手続き画面でご確認いただけます。
Q.寄附金控除の対象になりますか?
風雷社中は認定・特例認定NPO法人ではないため、本プロジェクトへの支援は、個人の所得税の寄附金控除の対象にはなりません。
住民税の取扱いは、お住まいの自治体による条例指定の有無によって異なります。必要な場合は、お住まいの自治体へご確認ください。
Q.領収書は発行できますか?
支援金額分の領収書は、希望される方に風雷社中が発行します。支援後、CAMPFIREのメッセージ機能から、領収書の宛名をご連絡ください。募集終了後、支援が確定してから発行します。
ご協力費とシステム利用料分の領収書は、募集終了後にCAMPFIREのマイページから発行できます。
最後に
外出は、ぜいたくではありません。
知的障害のある人が街に出ることは、特別なことではありません。
買い物に行く。電車に乗る。好きな場所へ行く。誰かに会う。予定を変える。寄り道する。ただ、街を歩く。
そうした時間が、その人の暮らしをつくります。
そして、その人が街にいることで、街の側も少しずつ変わっていきます。
地域の中に、その人の居場所が増えていきます。
でも、制度があるだけでは、本人は街へ出られません。
一緒に出かける人が必要です。本人のペースを知る人が必要です。
家族だけに閉じない外出を支える人が必要です。
地域の中で、本人との関係をつくっていく人が必要です。
だから、ガイドヘルパーを増やしたい。
必要なときに、必要な人が、実際に使えるガイドヘルプへ。
知的障害のある人の「外出の自由」を、日本のあたりまえに。
その一歩を、大田区からつくっていきます。ご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。

街に出る時間が、その人の暮らしをつくります。
最新の活動報告
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排除する街は、何を失うのか?
2026/10/16 15:00多様性と寛容さを取り戻し、矜持ある地域社会に障害のある人を排除する社会は、何を失うのでしょうか。排除される人が、暮らしの自由や機会を失うことは、もちろん大きな問題です。でも、僕はもう一つ、考えてみたいことがあります。それは、排除している側の社会も、大切なものを失っているのではないか、ということです。自分たちとは違う人と出会う機会。違いを受け止める経験。今までの当たり前を、変えていく力。そうしたものを失いながら、僕らの地域社会は、少しずつ不寛容になっているのではないでしょうか。「普通」だけでできた街街には道路があり、商店があり、交通機関があります。でも、街の大切な働きは、それだけではありません。人と人が出会い、顔を覚え、挨拶を交わす。ときには困ったことを相談する。そんな関わりを通して、人は地域社会の一員として暮らしていきます。僕はこれを、街の「メンバーシップ機能」と呼んでみたいのです。メンバーシップ(membership/メンバーシップ=集団や社会の一員であること)という言葉があります。ここで言いたいのは、誰かが街の一員になることを許してもらう、という話ではありません。その街に暮らしている人は、最初から街の一員です。ところが、街の仕組みや人間関係が、障害のない人や多数派の暮らし方だけを標準にしていたら、どうでしょう。そこから外れる人の存在が見えにくくなり、多様なメンバーを取りこぼし、特定の人たちにとっての「普通」が、街全体の「普通」になっていきます。「普通」が、排除の理由になる例えば、買い物に時間がかかる人がいる。大きな声を出す人がいる。言葉でのやりとりが難しい人がいる。そんな人をすぐに「困った人」「迷惑な人」と見てしまうとしたら、それは本人だけの問題なのでしょうか。さまざまな人がいることを想定せず、一部の人に都合のよい仕組みをつくってきた街の側に、問題があるのではないでしょうか。自分たちの「普通」から外れる人を排除する。排除するから、違う人と出会わなくなる。出会わないから、違う人と一緒に暮らす方法を考える機会も失われる。そして、ますます自分たちの「普通」だけが正しいと思いやすくなる。マジョリティの誤学習が生じるのです。ここで「普通」ってなにか?数が多い人たちの常識ってだけでなく、力の強い人たちの都合や常識に合わせられることです。下品なはなしです。かつての地域社会では、女性を対等なメンバーとして扱わないことが「普通」でした。例えば、女性に地方議会の選挙権・被選挙権が認められたのは1946年です。街のことを決める政治に、女性が参加する権利さえ認められていなかったのです。女性たちが声を上げ、反差別の取り組みが積み重ねられるなかで、そんな「普通」は大きく変わってきました。もちろん、いまも差別は残っています。内閣府の2025年のデータでは、自治会長に占める女性は7.8%。地域の意思決定に、誰が参加しているのか。まだ問い直す必要があります。こうして街は、排除される人の自由を奪うだけでなく、自分自身が変わっていく機会まで失ってしまうのではないでしょうか。地域社会を回復するということでは、地域社会の回復とは、どういうことでしょう。僕が考える地域社会の回復とは、本来メンバーである多様な人たちが同じ街の一員として暮らす中で、街の側が変わっていけるようになることです。違う人と出会えば、摩擦が起きることもあるでしょう。出会うだけで、誰もが寛容になるわけでもありません。でも、そのたびに誰かを遠ざけるのではなく、どうしたら一緒に暮らせるのかを考える。必要なら、ルールや環境、関わり方を変えていく。地域社会を回復するとは、違いのある人を排除せず、違いをきっかけに自分たちのあり方を変えていく力を取り戻すこと。そんな姿勢こそが、地域社会の矜持なのだと思います。僕は、そう考えています。ガイドヘルパーを増やすことから僕らがガイドヘルパーを増やしたいのは、知的障害のある人が、行きたい場所へ出かけられるようにするためです。買い物をする。食事をする。散歩をする。誰かと話すこともあれば、ただ一人の時間を楽しむこともある。そんな当たり前の外出が、地域の人たちと出会う機会になることもあります。そこで、これまでの街の仕組みでは対応できないことに気づくかもしれません。だったら、街の側を変えていけばいい。もちろん、障害のある人に、地域社会を変える役割を押しつけたいわけではありません。本人が自分の望む時間を過ごせること。それが出発点です。その当たり前の暮らしを実現していくことが、結果として街を変えるきっかけにもなる。ガイドヘルパーを増やすことは、その可能性を増やすことでもあると思っています。障害のある人が暮らしやすい街をつくることは、障害のある人だけのためではない。街全体が、多様な人とともに生きる力を取り戻すことでもあるのです。僕らは、そんなことを考えながら、ガイドヘルパー養成研修を続けています。知的障害のある人の「外出の自由」を、日本のあたりまえに。クラウドファンディングは10月27日まで。引き続き、ご支援をよろしくお願いいたします。文責 中村和利 もっと見る
人の暮らしを豊かにする「関係人口」を増やしたい
2026/10/15 14:00親友が欲しい、でも友だちはいない友だちが欲しい、でも知り合いがいない知り合いが欲しい、でも家から外にでていない僕らは、いったい何人の人たちと関わりながら暮らしているのでしょう。家族、友人、職場の同僚。いつものお店の店員さん。近所で顔を合わせる人。たまに会って立ち話をする人。親しい人ばかりではありません。名前も知らないけれど、顔は知っている。そんな関係もあります。そうした人たちとの関わりが、僕らの暮らしをつくっています。暮らしを支えているのは、専門職だけではない例えば、いつものお店に買い物に行く。何度も通ううちに、店員さんが顔を覚えてくれる。「こんにちは」そんな挨拶を交わすようになる。特別なことではありません。その人にとって、そのお店は単に買い物をする場所ではなくなっていくかもしれません。そこには、自分を知っている人がいる。自分のことを知っている人が、街の中にいる。それは、暮らしの豊かさの一つだと思います。知的障害のある人の暮らしを考えるとき、僕らはつい、どんな福祉サービスが必要なのか、何時間の支援が必要なのか、といったことを考えます。もちろん、それも大切です。でも、暮らしを支えているのは福祉サービスだけではありません。福祉サービスは障害のある人の暮らしの「一部」でしかないのです。一人ひとりの「関係人口」を増やす「関係人口」という言葉があります。まちづくりの分野では、そこに住んでいる人でも、観光で訪れる人でもなく、ある地域とさまざまな形で関わる人たちを指す言葉です。過疎の地域などで、いきなり移住支援で定住人口を増やすのではなく、何らかの取り組みで継続的に地域と関わる人を増やしていくことが大切なアプローチとなっています。僕は、この考え方を、一人ひとりの暮らしにも当てはめてみたいと思います。その人のことを知っている人。その人と挨拶を交わす人。一緒に何かを楽しむ人。困ったときに、ちょっと気にかけてくれる人。そして、その人自身もまた、誰かと関わり、誰かの暮らしの一部になっている。そんな関係が、地域の中に少しずつ増えていくこと。それが、人の暮らしを支え、豊かにするのではないでしょうか。僕らの暮らしには、深く関わり合える人も必要です。でも、最初からそんな関係があるわけではありません。ちょっとした挨拶や、何気ないやりとり。そんな小さな関わりの積み重ねの中から、大切な人との出会いが生まれるのだと思うのです。ガイドヘルパーは、人と地域をつなぐガイドヘルパーは、知的障害のある人と一緒に街へ出かける仕事です。でも、目的地まで安全に送り届ければ、それで仕事が終わるわけではありません。一緒に買い物をする。食事をする。散歩をする。そうした外出を重ねる中で、本人と地域の人たちが出会う機会が生まれます。ガイドヘルパーが、本人の代わりにすべてをやりとりしてしまったら、せっかくの出会いを奪ってしまうこともあります。だから、必要なときには手伝うけれど、必要のないときには一歩下がる。本人と地域の人が、直接関わる機会を大切にする。そんなことも、ガイドヘルパーの大切な仕事だと思っています。もちろん、誰と関わりたいのか、どんな距離で付き合いたいのかを決めるのは本人です。関係が多ければ多いほどよい、という話でもありません。大切なのは、関わりを選べること。そして、関わりを広げたいと思ったときに、その機会があることです。そして、ガイドヘルパー自身も「地域の人」なのです。ガイドヘルパーとの出会いも、地域の人との出会いの始まりの一つなのです。ガイドヘルパーを増やす、その先にガイドヘルパーが増えれば、外出の機会を増やせるかもしれません。外出の機会が増えれば、出会う人が増えるかもしれません。何度も顔を合わせるうちに、知り合いができるかもしれません。そして、地域の中に、自分を知っている人が少しずつ増えていく。そんな変化を、僕らは大切にしたいのです。ガイドヘルパーを増やすというのは、単に福祉サービスの担い手を増やすことではありません。その人が地域の中で、自分の暮らしをつくっていくための条件を増やすこと。そして、知的障害のある人と出会い、関わる人が増えることで、地域そのものも変わっていく。僕らは、そう考えています。今年度、風雷社中では3回のガイドヘルパー養成研修に取り組んでいます。一人でも多くのガイドヘルパーを育て、その先にある、一人ひとりの豊かな暮らしにつなげていきたい。そして、この取り組みを、大田区だけでなく、ほかの地域にも広げていきたいと思っています。クラウドファンディングは10月27日まで。引き続き、ご支援をよろしくお願いいたします。文責 中村和利 もっと見る
「行きたい」と言わなかったら、困っていないのか?
2026/10/14 12:33鍵のかかった扉を、開けようとは思わなくなる。開いたことのない扉の向こうへ、行こうとは思わなくなる。今日、2026年度第2回ガイドヘルパー養成研修が始まりました。風雷社中では、知的障害のある人の外出を支えるガイドヘルパーを増やすため、今年度3回の養成研修に取り組んでいます。今回は、少し違う角度から、なぜガイドヘルパーを増やす必要があるのかを考えてみたいと思います。「行きたい」と言っていた人が、いつの間にか言わなくなる。それは、本当に出かけたくなくなったからでしょうか。「行けない」が続くと、「行きたい」もなくなる?例えば、映画に行きたいと思っても、一緒に出かける人が見つからない。友人に誘われても、ヘルパーの調整がつかずに断る。そんなことが何度も続いたら、どうでしょう。次からは、誘われる前に諦めるかもしれません。そもそも、映画に行く予定を考えなくなるかもしれません。2016年に発表された経済学の論文『Poverty and Aspirations Failure』(ポヴァティ・アンド・アスピレーションズ・フェイリャー=貧困と希望・目標の縮小)では、こんなことが指摘されています。“Aspirations failure is a consequence of poverty, rather than a cause.”「希望や目標を抱けなくなることは、貧困の原因ではなく、むしろその結果である」(日本語訳)。これは貧困についての理論研究ですが、僕らの取り組みにも通じる視点だと思います。希望がないから、機会がないのか。機会がないから、希望を持ちにくくなるのか。この順序を取り違えると、問題の所在まで見誤ってしまいます。「どうせ言っても変わらない」心理学には「学習性無力感」(がくしゅうせいむりょくかん=自分の行動では状況を変えられない経験が、その後の行動や対処に影響すること)という研究があります。もちろん、この研究だけで知的障害のある人の気持ちを説明できるわけではありません。それでも、こんな場面を考える手掛かりにはなります。「買い物に行きたい」「今度の日曜日、出かけたい」そう言っても、いつも返ってくるのは「ヘルパーがいないから無理」。何度言っても変わらない。そんな状況が続いて、本人が何も言わなくなったとき。「特に外出の希望はありません」そう記録してしまったら、それでいいのでしょうか。2025年に公表された、知的障害のある人の自己決定に関する研究では、15件の研究に参加した246人の経験が分析されています。そこでは、本人抜きで生活上の決定が行われることや、希望を伝える機会が少ないこと、そもそも別の選択肢があることを知らない、といった経験が報告されています。この研究は、ガイドヘルパー不足を直接調べたものではありません。それでも、本人が何も言わないことを、希望がない証拠にしてはいけないと考える理由になります。希望を言えること。言ったことが受け止められること。そして、実現できる道筋があること。そのどれもが大切なのだと思います。「家にいたい」も、大切な希望ここで、間違えたくないこともあります。外出しない人に対して、「本当は出かけたいはずだ」と決めつけることはできません。家にいることを本人が望んでいるなら、もちろん、その希望も尊重されるべきです。でも、ガイドヘルパーが不足していると、外出の1か月前から調整して、ようやくヘルパーが見つかる。そんな状況もあります。当日、本人が「今日は行きたくない」と思っても、次に出かけられるのは、またひと月後かもしれません。今日行かなければ、次の機会がなかなかない。そんな状況では、その日の本人の気持ちを大切にすることさえ難しくなってしまいます。「出かけなかった外出」は、数字にも残らない例えば、ある人が1か月間、一度も外出しなかったとします。その数字だけでは、その人が家で過ごすことを望んでいたのか、出かけたかったけれど出かけられなかったのか、分かりません。そして、最初から諦めて予定にしなかった外出は、もっと見えにくい。2024年には『Uncovering Suppressed Travel』(アンカヴァリング・サプレスト・トラベル=実現しなかった移動を明らかにする研究)という論文が発表されています。障害のある人や高齢者などの、移動の制約によって実現しなかった外出を、どう捉え、調べるかという研究です。実際に出かけた回数だけを数えていては、見えてこない暮らしがあります。僕らの地元、大田区でもでは、僕らがガイドヘルパー養成研修を続けている大田区では、どうでしょう。2025年度の「大田区障がい者実態調査」では、18歳以上の知的障がいのある回答者588人のうち、28.4%がレジャー・余暇等では「ほとんど出かけない」と回答しています。一方、同じ知的障がいのある回答者の34.4%が、今後「外出・移動のサポート」を利用したいと答えています。もちろん、これは別々の質問に対する集計です。「ほとんど出かけない」と答えた人が支援を希望している割合でも、ヘルパーが見つからず外出を断念した人の割合でもありません。さらに、同じ調査の事業所向けアンケートでは、新規のサービス提供依頼に対応できていない28事業所のうち60.7%が、その理由に「職員の数が足りないため」を挙げています。こちらも、移動支援だけの数字ではありません。それでも、外出の実態、移動のサポートを求める声、そしてサービスを提供する側の人手不足が、同じ地域の調査に並んでいることは見過ごせません。「出かけていない」ことを、「出かけたくない」ことと同じにしない。出かけられる条件が乏しいために、希望そのものが見えなくなってはいないでしょうか。「行かなかった」のか、「行けなかった」のか。そして、「行きたい」と考えることさえなくなってしまったのか。僕らは、そこにも目を向けたいと思っています。だから、ガイドヘルパーを増やしたい僕らがガイドヘルパーを増やしたいのは、今、「外出したい」と言っている人の希望に応えるためだけではありません。外出できないことが当たり前になり、希望を言うことさえ諦めてしまう。そんな状況を変えていきたいのです。行きたい場所を考える。誰かと約束する。予定を立てる。当日になって気が変わる。そして、また次の外出を考える。そんな当たり前の暮らしを支えるためには、実際に一緒に出かけられる人が、地域に必要です。「行きたい」と言わないことを、希望がない証拠にしない。まずは、行ける条件を増やしていく。そのために、僕らはガイドヘルパー養成研修を続けています。そして、この取り組みを、ほかの地域にも広げていきたいと考えています。今日から始まった第2回研修も、そのための一歩です。一人でも多くの人が、誰かの「行きたい」を支えられるように。そして、誰もが「行きたい」と言える地域を増やしていけるように。引き続き、皆さんのご支援をよろしくお願いいたします。知的障害のある人の「行きたい」が、当たり前に実現できる地域を、一緒につくっていきましょう。NPO法人風雷社中参考にした研究・資料① Dalton, P. S., Ghosal, S., & Mani, A.(2016)Poverty and Aspirations Failure. The Economic Journal, 126(590), 165–188.https://doi.org/10.1111/ecoj.12210※貧困と希望の相互作用についての理論研究です。② Maier, S. F., & Seligman, M. E. P.(2016)Learned Helplessness at Fifty: Insights from Neuroscience. Psychological Review, 123(4), 349–367.https://doi.org/10.1037/rev0000033※制御できない経験とその後の反応を扱う研究です。③ Sheerinら(2025)Perceptions of People With Intellectual Disabilities on Autonomy and Decision-Making in Daily Life: A Systematic Review and Synthesis of Qualitative Studies.https://doi.org/10.1111/jir.70035※知的障害のある人の自己決定に関する既存15研究のレビューです。④ Palmら(2024)Uncovering Suppressed Travel: A Scoping Review of Surveys Measuring Unmet Transportation Need. Travel Behaviour and Society, 36, 100784.https://doi.org/10.1016/j.tbs.2024.100784※実現しなかった外出を調べる研究レビューです。⑤ 大田区(2026年4月公表)『令和7年度大田区障がい者実態調査結果報告書』。レジャー・余暇等の外出頻度(164頁)、サービス利用意向(79頁)、事業所の職員不足(356頁)。https://www.city.ota.tokyo.jp/kuseijoho/ota_plan/kobetsu_plan/fukushi/syougaisyahukushi/r07_syougai_jittai-chousa.html※28.4%と34.4%は別設問の集計です。60.7%は新規依頼に対応できていない事業所を対象とし、移動支援事業所だけの数値ではありません。【注】複数の異なる対象・方法の研究を参照しています。日本の知的障害者のガイドヘルパー不足が希望の表明を減らす因果関係を、これらの論文が直接証明したわけではありません。本文は研究を踏まえた風雷社中の考察です。 もっと見る










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