
こんにちは、Hito Rehaの横山です。
これまで、シェアハウスの物件紹介を続けてきました。今回は少し話題を変えて、「このプロジェクトが、ここに至るまでに何をしてきたのか」をご紹介します。
私たちは、いきなり「障害のある人と大学生が一緒に暮らすシェアハウスをつくろう」と考えたわけではありません。これまで大学生と一緒に、「障害児との交流・体験」「社会課題についての課題定義」「解決のためのアクションやワークショップ」「アイデアを形にするための検討」などを行ってきました。
その中でも、最初の大きな一歩になったのが、「障害児との交流・体験」です。大学生が、障害のある子どもと半日過ごす今回ご紹介する活動は、Social Innovation Accelerator College(SIAC)という大学生向けの実践型プログラムで行ったものです。SIACは、東北を舞台に社会課題について学び、社会起業家や現場に触れながら、課題を発見・定義し、解決策を考え、実践していくプログラムです。
その活動の中で、大学生たちに実際に障害のある子どもたちと一緒に過ごしてもらう機会をつくりました。対象となったのは、特に医療的ケアが必要な子どもや、重症心身障害のある子どもたち。大学生にとっては、普段の大学生活ではなかなか接する機会のない子どもたちです。
そこで、説明を聞くだけではなく、実際に一緒に過ごしてみる。ということを大切にしました。「どうやってコミュニケーションを取ればいい?」最初は、戸惑うこともあります。
「どう話しかければいいんだろう?」
「何をしたら楽しんでもらえるんだろう?」
「自分の言葉は伝わっているのかな?」
そんな疑問が出てきます。そこで、実際に子どもたちと関わりながら、どうすればコミュニケーションが取れるのか。どんな遊びなら一緒に楽しめるのか。相手は何を望んでいるのか。を考えていきます。言葉だけではなく、表情や視線、身体の動きなど、さまざまなサインを見ながら関わっていきます。
「支援する側」だけではありませんさらに、食事や排泄などの場面では、実際の介助・支援についても体験します。もちろん、専門的な支援には知識や技術が必要です。でも、この体験で私たちが大学生に感じてほしかったのは、単純に「介助のやり方を覚える」ということだけではありません。それよりも、「障害のある人と一緒に過ごすって、こういうことなんだ」という感覚を持ってもらうこと。
そして、「自分にもできることがあるかもしれない」と感じてもらうことです。「知らない」から「関わったことがある」へ障害のある人と接した経験がなければ、「自分には関係のない世界」と思ってしまうこともあります。でも、一度一緒に過ごしてみる。一緒に笑ったり、遊んだり、困ったりする。すると、それまで「障害のある人」という一つの大きな括りで見えていたものが、「この子はこういうことが好きなんだ」「こうすると伝わるんだ」「こういうことは苦手なんだ」という、一人ひとりの「人」として見えてきます。私たちは、この経験がとても大切だと考えています。
そして、この経験は今回のシェアハウス構想にもつながっています。私たちがつくりたいのは、「障害者を大学生が支援する家」ではありません。大学生と障害のある人が、同じ家で生活する。その中で、「何か手伝おうか?」と声をかけることもあれば、「それは自分でできるよ」と言われることもある。一緒にご飯を食べたり、別々に過ごしたり。困ったときには助け合い、必要なときにはそれぞれの時間を尊重する。そんな日常の中で、「障害のある人と一緒に暮らすことが特別ではない」という感覚を、少しずつ広げていきたい。それが、私たちがこのプロジェクトで大切にしている「共存する価値観」です。だから、まず「一緒に過ごす」
今回のシェアハウスは、建物をつくることがゴールではありません。この家を一つのきっかけにして、「知らなかった」から「知っている」。「知っている」から「関わったことがある」。「関わったことがある」から「一緒に暮らしてみる」。という経験を、少しずつ増やしていきたい。その最初の一歩として、これまで大学生と障害児との交流・体験を行ってきました。
「なぜ、大学生と障害のある人が一緒に暮らすのか?」その答えを、私たちがこれまで大学生と一緒に考えてきた過程から、少しずつお伝えできればと思います。
引き続き、応援よろしくお願いします!



