皆さま、こんにちは。事務局長の小宮山です。
今回は、9月に南アフリカを訪れ、ゾラニの皆さんと過ごす中で感じたことをお伝えします。
私はこれまで、海外には十数か国行っています。ただ、ホテルに泊まっていると、どこの国でも似たような過ごし方になり、現地の暮らしに触れる機会は限られます。
せっかく南アフリカまで行くのだから、もう少し、その土地の生活を知りたい。
そこで思い出したのが、アルマが、
「故オドゥワ監督の自宅にホームステイさせてもらった」
という話でした。
「それなら、私も合唱団のメンバーの家に泊めてもらえないかな?」
同じ宿泊代を払うなら、お世話になるご家庭の収入にもなり、私も現地の暮らしを体験できる。その方がお互いに良いのではないか?そう考えて相談し、ある合唱団員の家にホームステイさせてもらうことになりました。
アパルトヘイトの名残もあり、ゾラニでは白人は見かけませんでした。写真のように、平屋の家が並んでいます。
ゾラニの景色
道路はほとんど舗装されておらず、あちこちに散らばるゴミも気になりました。
「ゴミの回収は、どうなっているのだろう?」
普段、日本で暮らしていると意識しないことにも、目が向きます。
2階建て以上の家は見当たりませんでした
何軒かの団員のご自宅を訪問させていただきましたが、
ご自宅の中は、皆さん奇麗に整理整頓されていました。
宿泊先では、自動洗濯機が壊れていて使えませんでした。どうしているのか聞くと、
「手洗いしている」「小宮山さんの服も洗っておくよ」
と言われました。さすがに、そこまでしていただくのは申し訳ない。
人生で初めて、洗濯物を手洗いしました。
還暦近くになっても、まだまだ「人生初」はあるものです(笑)。
ホームステイさせてもらったお部屋
トイレは水洗ですが、水を流す取っ手が壊れていて、流すのにひと手間かかります。家も古く、日本の自宅と同じようにはいきません。
ところが、こうした不便さとともに、強く印象に残ったことがあります。
私が出会った人たちや、街で交わす挨拶には、明るさや温かさがあったのです。
朝、散歩をしていると、見知らぬ私とも、ごく自然に挨拶を交わしてくれる。私が歩いた範囲では、よそ者だからと遠ざけられているような感じはありませんでした。
アルマの本名である「アユミ」を知っている人も、少なからずいました。
こちらから「Hello!」と声をかけると、「こんにちは!」と、日本語が返ってきたこともあります。
「いやいや、今は朝だから『おはよう』だろう!」
という細かいツッコミは控え、素直に驚きました(笑)。
暮らしの設備は、日本の方が便利だと感じる。でも、そこで過ごしている人たちが、その分だけ不幸そうかといえば、私にはそうは見えませんでした。

演奏本番前の1枚
「このゾラニの街の人たちと、日本の人たち。どちらが幸せなのだろう?」
そんなことを考えてしまいした。
もちろん、短い滞在で、その町の暮らしや、人々の気持ちのすべてが分かるわけではありません。もっと長く住めば、色々見えてくることもあるでしょう。
アルマからは、大人の働く機会が限られていることや、日本人ではちょっと受け入れがたい文化・風習についても聞かされています。
アルマは合唱団の子供たちともSNSで直接つながっていて、子供たちから
「家庭の事情でお金に困っている。支援して欲しい」
という切実な相談を受けることもあります。
「困っている」と聞けば、何とか力になりたい。ただ、その都度アルマが受け止め、お金を送る形にしてしまうと、他の子供たちへの同様のことをしなくてはならなくなり、私たちの資金では支えきれなくなります。
今回の訪問では、現地の合唱団スタッフの皆さんと私たちで、こうした相談に対して、どのように役割分担で対応していくかも話し合いました。
合唱団代表のナティさんからは、
「そういう問題は、私たちの責任で対応する。子供たちから相談されたら私に回してくれ」
という言葉がありました。
子供たちから切実な相談が来た時に、誰が相談を受け、どう対応するのか?
そうしたことを顔を合わせて話し合えたのも、今回の訪問の大きな成果だったと思います。
今回は「日本人と南アフリカ人、どちらが幸せか?」というタイトルでしたが、それぞれに良いところもあれば、課題もあり、自分の中でも簡単に答えは出せません。
先日、うちの社員に、南アフリカでの活動報告をした際も、まとめの言葉として、
「仕事も楽しめるならいいけど、そうでなければ、頑張り過ぎずに、自分の時間を充実させてね。」
と言ってしまいました。
「会社の経営者が言うことか?」
と自分にツッコミをいれましたが(笑)、これも本音です。
私自身、仕事以外の世界に足を踏み入れたことで、出会う人も、経験することも増えました。
まさか南アフリカで、人生初の手洗い洗濯をするとは思っていませんでしたが(笑)。
社員にも、仕事だけでは出会えない人や経験を、自分なりに楽しんでほしいと思っています。
一方で、ゾラニの皆さんも、それぞれの暮らしの中で歌い、仲間と過ごしています。
彼らは、日本での暮らしや、私たちとの交流を通じて、どんなことを感じるのでしょうか?
私が南アフリカでいろいろな発見をしたように、彼らも、日本でたくさんの出会いや発見があったら嬉しいですね。
そして、日本の皆さまにも、歌声とともに、彼らの人柄に触れていただけたらと思っています。
演奏を終えた後の集合写真
事務局長 小宮山敬仁



