創業200年まであと6年です。萬年屋はもともとは麹屋として天保三年(1832)に創業し、今でも麹を作っている蔵元でもあります。米を洗うところから始まり、4日間かけて手仕事で麹を仕込みます。
昔から使われている「室蓋(むろぶた)」という、木枠に入れて仕込みます。

蒸した米に麹菌を吹き付け、室で一晩寝かせた後、一升枡で一枚一枚この室蓋の中に手で量り入れていきます。室蓋は杉の木でできており、今では作り手の少ない「へぎ板」を使っております。
へぎ板とは、杉、桧、さわらなどの針葉樹の木口にナタや楔(くさび)を打ち込み、木目に沿って手作業で薄く引き裂いて(「へぐ」という)作られる板のことです。繊維を断ち切らないため、水をはじくツヤと、軽さ、耐久性があるのが特徴。
へぎ板で室蓋を作る職人もほとんどいないと聞いています。へぎ板を作る職人はかつては全国にいましたが、現在は非常に希少な存在となっており、特に長野県の木曽地方などが伝統的な産地として技術を継承しています。長く続けていると、大切な仕事道具もなくなっていくというのが、現状です。このように手仕事で作られた室蓋で作られた萬年屋の麹は地元でも美味しいと評判の一品です。
また、萬年屋で味噌は明治時代に作るようになったと聞いています。200年続く企業の中でも、一つの生業で続いている企業は多くありません。例えば呉服屋で創業した後、洋服屋→雑貨屋→レストラン等、いくつもの業種を経て続いている企業が多いのです。
1500年前の製法を守る味噌蔵は、日本中でも本当に限られています。道具も古いものを大切に使い続けることが大切なのを私たちはそれを知っています。だからこそ、絶やしてはいけない。一度絶えてしまうと、そこから復活させるのはとても大変なことです。次の世代に渡す責任があります。



