こんばんは!残すところあと13日となりました。
今回は、軌道に乗った後の展望の、二つ目をお話します。
写真は、昨年10月末に、初めて海外旅行で単身自主研修した
フィンランドの国立博物館のものです。
なぜ、フィンランドなのでしょう。
それは、私が昨年読んだ、北海道の地方創生に関するある本の中で、
地域が再び立ち上がるには、教育も大切な要素であり、
教育先進国といわれ、北海道に気候などがよく似ているフィンランドに学ぶことが多い、ということを読んだためでした。
私の目論見は、学習塾としてはもちろん、
室蘭や西胆振で、知識や文化の交流拠点を作り、旧来の文化を知り、現代にアレンジする、文化創造・発信の
プラットフォームも兼ね備えることでした。
そこには、フィンランドの教育の考え方のみならず、
フィンランドを中心としたデザインなども取り入れ、
かつ、日本の、地域の、あるいは個人のこれまでを振り返り、
明日の自分自身、地域、日本に対し、何をして行くかということを
考えられる空間にしたいという思いを、凝縮しようと思いました。
フィンランドで学んできたこと
隣国スウェーデンとロシアによる、800年弱の被支配の歴史。
これこそが、フィンランドが教育先進国となった契機と言えるでしょう。
かつてのフィンランドは、独自の神話(カレワラ)を持っている、非キリスト教国でした。
ところが、西暦1100年前後に、ノルマン人がヨーロッパ各地に
勢力を伸ばし、キリスト教化を推し進めていく中で、フィンランドも
そのターゲットになりました。
そこから約6世紀経ち、ロシアとスウェーデンのバルト海沿岸の覇権を
巡る戦いに巻き込まれ、エストニア・ラトヴィア・リトアニアといった
バルト三国同様に、ロシアの支配下に移りました。
やがて、第一次世界大戦期に、日本がロシアに勝ったあたりで、
フィンランドもロシアからの独立を果たしますが、しばらくはロシアの
影響が抜けずにいました。
第二次世界大戦も終わり、さあこれから独立国家として本腰を。
という時期に、何をよりどころにして国づくりをすべきかが
課題になりました。
そこで、国力を高めるために採った方策が、教育でした。
自主性を尊重しつつ、一人一人が何らかの「職業人」になることを、
早い段階から意識して育てること。
それが、これからの日本でも求められる教育の姿と、すべてではないに
せよ、重なってくる部分が大きいのではないでしょうか。
そして、今、OECDの学力調査では、読み書きでは日本とほぼ同格
というレベルに達しており、産業もITや工芸(デザイン等)が強化
された状態にあります。
さらに、観光の面でも、戦場となった海上要塞の島がそのまま世界
遺産になっていたり(スオメンリンナ島)、マリメッコ本社に大きな
ショップがあったり、ムーミンランド(ナーンタリ)があったり…
それだけでなく、空港や、現地ガイドブックには、何と日本語表記も
あったり。
普通に過ごしていても、人々が国のアイデンティティをしっかりと
把握していて、それが魅力的に表に出てくるという場所でした。
つまり、そうして学んだことを忘れないように…
今の事務所・教室は、できるだけ北欧デザイン(特にフィンランド)を
意識したアイテムをそろえています。
そして、フィンランド教育についてもっともっとリアルに学び、
この「共生舎」を、いわば「現代風の寺子屋」ないし「現代風の松下村塾」のような場所にできるようにしたいと考えます。
全て真似をするのではなく、日本人という国民性、北海道という地域性、
西胆振という地域性、そして室蘭という地域性、すべてを勘案した上で、
「自主創造」の気持ちを、どなたでも抱いていただけるような場所に
したいと考えております。
2年以内に、もう一度フィンランドに行き、
またしっかりとエッセンスを吸収するためにも、
いまを踏ん張りたいと思っております。
引き続き、皆様のご支援、よろしくお願い致します。