撮影・照明担当の上田謙太郎から現場報告
みなさん、こんにちは!『白いまよい子』の撮影・照明担当の上田謙太郎です。今回は、私が活動報告をお知らせします。写真の緑Tシャツでメガネが私です。
広島南特別支援学校での撮影の様子。
まず自己紹介をします。私は愛知県在住の映像作家・大学教員で、手話を勉強している聴者です。これまで映画、CM、ドキュメンタリー映像の現場でキャリアを積んできましたが、4年前から手話の勉強を始めて、今はデフ・ムービーの支援を活動の軸にしています。今年の3月に今村彩子監督の『どうする松本くん!』という映画をプロデュースしました。その時、広島の徳門彩夢さんからメールが来て、「ろう女優を目指しているので出演したい!」と書いてありました。残念ながら、すでに出演者が決まっていました…。ですが!徳門さんはわざわざ広島から愛知県来て、短いセリフのある役で出演してくださり、さらに2日間みっちりと現場を見学をして帰りました。
『どうする松本くん!』撮影風景(左から2番目が徳門監督)
デフ・ムービーはこれからもっと盛り上がる!地方からも!
最近、海外作品も含めるとデフ・ムービーの数が増えています。ただ、地方都市でろう者による映画がたくさん作られているわけではありません。徳門さんが、ろう女優として映画に出演する機会を待っているより、自分で作ってみて、歴史ある映画祭「京都さがのデフ・ムービーフェスティバル」に応募してみてはどうか?と徳門さんに勧めてみました。つまり、自分で監督して、自分で出演するということ!考えてみれば、有名なろう者の方々は、俳優だけではなく、監督や演出もやる方は多いですよね。
自分で撮ってみたら?と言った三ヶ月くらいあと、徳門さんから連絡が来ました。映画を撮るので手伝ってほしい、まず脚本を読んでくださいと言われました。正直、本当に撮るとは思っていなかったです笑。しかもこんなに早く!
美術で使った絵は監督が描いたもの
脚本の内容は、ファンタジックな想像力に満ちたもので、子どもから大人まで楽しめる映画になると思いました。最初の脚本が送られてきてから、何度も改稿した脚本が送られてきて、内容はどんどん良くなっていきました。撮影が近づく時期には、出演者である広島のろう学校の現役生徒たちと稽古を重ねて、試し撮りをした映像が送られてきました。おかげで多くのショットがビデオコンテ通りに撮って、うまく行きました。
こちらが試し撮り(ビデオコンテ)の画面です。
こちらが実際に撮影した本番の映画の画面です。
徳門さんはとてもプランがしっかりしていて、カット割りのセンスがある監督だと思いました。監督のやりたいことが明確なので、カメラマンとしてはとても仕事がしやすく、カメラワークや照明のプランを立てやすかったです。また今回、照明にこだわりたいと言われたので、ワンオペでできる最大限の照明セッティングで撮影しました。俳優に、力強い光や柔らかく優しい光が当たると、演技にもっとエネルギーが宿ります。
自然光も生かして、追加の光を照明で補強するシーンも。
ハウススタジオではビニールを張って、光をソフトに。
『白いまよい子』は、全て手話で会話がされている映画です。音もつけない無音映画になると聞いています。でも、単純に手話を使っているだけではなく、ろう者が撮る映画「ならでは」のちょっとした要素もあることに気づきました。内容と書くとネタバレになるのですが、癖とサインネームがヒントです!ぜひ本編を見てください!



