
毎年、僕は言っていました。
「車椅子やバギーを利用している方も、ぜひご家族で来てください!」
もちろん、本気で来てほしいと思っていました。
でも、実際にはなかなか来ていただけませんでした。
どうしてだろう。
告知が届いていないのかな。もっと声をかけたほうがいいのかな。
最初は、そんなふうに考えていました。
でも、ご家族のお話を聞いて分かりました。
僕が「来てください」と言うだけでは、来られなかったんです。
車椅子席があっても、その隣に家族が座れない。
劇場まで行けても、開場まで安心して待てる場所があるのか分からないなぁ。トイレにユニバーサルシートあるのかな?
エレベーターは使えるのかな?バギーそのまま入るかな?劇場内が暗くなったり、音が大きかったりしないかな?途中で席を離れても大丈夫かな?
劇場へ着いてからのことだけではなく、家を出る前から確認しなければならないことがたくさんありました。
「お出かけすること自体が挑戦なんです」
そう聞いたとき、僕が考えていた「来られる」と、ご家族が安心して出かけられる「来られる」は、全然違っていたことに気づきました。
誰でも楽しめるサーカスをつくりたいと言いながら、僕たちの知識が追いついていなかった。
しまった!!!今までの公演を振り返って、反省がいっぱいでした。
今回の会場では、本来なら客席を並べられる平らな場所を広く使い、車椅子やバギーのまま、ご家族が近くで観られる客席をつくります。
その分、通常より約40席少なくなります。
最初に席数を計算したときは、正直、悩みました。販売できる席を減らしすぎやから採算取れへんかもしれない。。。
でも、その場所がなければ、今年も「来てください」と言うだけで終わってしまいます。
今回は、車椅子席を必要とする12家族をお迎えします。車椅子席を必要としないご家族も、ほかの客席へご招待します。
「途中で席を離れるかもしれないけど、いいですか?」
そう聞かれたときに、迷わず「大丈夫です。一緒に楽しみましょう」と答えられる公演にしたいです。
僕も、まだ分かっていないことめちゃくちゃあるので、
ご家族に聞きながら、劇場の方やスタッフさんと一つずつ確認して日々頭をフル回転させています。
うまくできたことも、足りなかったことも、終わったあとにきちんと残します。
ファミリーGiftは、僕たちにとってもめっちゃ挑戦です!
でも、今年は「来てください」で終わらせません。
家族みんなで来られる客席を、本当につくります。
先日、
「行ってみないとわからないところもありますし、我が家の挑戦という感じで、行かせて頂くことにしました」
と連絡が来たときは、本当にめちゃくちゃ嬉しかったです。何か今の時点でご褒美いただいている気持ちでした。
もし、車椅子やバギーを利用していて「家族で行ってみたい」と思っている方が身近にいらっしゃったら、この取り組みを伝えていただけませんか。僕たちだけでは、まだ出会えていないご家族がいます。
次回は、劇場へ来ることが難しい方へ届ける「オンラインGift」について書きます。
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