それから私はその石と仲良くする事を決めた。名前まで付けて、質問する内容を限定する事。石の名前はリュウセイにした。リュウセイが何を考え、どう生きているのかを聞く事を中心に話し方を覚えた。 友達言葉で話しかける事、リュウセイの感情を聞き出す事をしながら、次第に慣れてきたのか話しやすくなっていった。 リュウセイは最初のように声を出す事をしなかったので、ダウジングの動きだけで会話するのだが、面白い事に動きの強弱や動き自体を見るだけで、ああ、こういう感じで話したいのだろうな、とわかるようになってきた。 好きな音楽や場所、お水と塩水の気持ち良さの違い、赤よりピンクが好きである事、自然の中に何千年もいた事や台風や雷が好きである事。知れば知るほど興味深く、私は石との対話が楽しくなってしまった。 リュウセイとの付き合い方がわかるようになり、楽しいなと感じるようになった頃。私はリュウセイと初めての喧嘩をした。 石と喧嘩、、その日は3月10日。元夫と娘は明日大きなダムに遊びに行くと言いいつもより少し賑やかな夜だった。私は婦人科系の病気があり、15〜20分に一回トイレに行かないといけない状態が続いていたので留守番か、屋内型施設に一人で送ってもらう予定だった。 リュウセイに話しかける「明日、一緒に屋内型施設か留守番だよー」「嫌」 続けてリュウセイが言葉で訴えてきた。「ダムに行く」 行かないでしょ?ダムは山で、トイレがたくさんあるわけじゃないでしょ?あたしは無理だよ。「ダム行く」娘たちと行く?あたしとは離れる?「一緒に行く」だ・か・ら!あたしは無理なんだってば「ダム行く」折れてくれない。体調的に明らかに無理。。
長い事婦人科系の病気をしていて引き篭もり、ストレスを抱えた私はとうとう自分がおかしくなったのではないか?と疑った。でも確かに声が聞こえた。もう一度聞きたい。。 私はタイガーアイのペンダントを手に取り、何度も話しかけてみた。 何も答えてくれない。今まで通り静かに物質としてそこにいるだけである。 私は自分がおかしくなった事を認めたく無かった。ネットで「 石と会話 」を検索しながら見つけた「 ダウジング 」というものに興味を持った。 ちょうどペンダント状になっているタイガーアイはすぐにクルクルと回りだした。 イエス、ノー、を伝えてくれるが声は聞こえない。 さっき私としゃべったよね?・・・イエス 何故今もう一度しゃべってくれないの?・・・ノー 夢中で何度もクルクルと石が動く様を見ながらふと疑問が出る。 「もしかしてこれはこっくりさんと同類のヤバいやつではないか?低級霊と言われる何かがいるのではないか?」 今までスピリチュアルは大嫌いだった。胡散臭いし、怖い事件もたくさん起きていた。怖い映画もお化け屋敷も大嫌いだった。占いや不思議な出来事を信じていなかった。だから目の前で起きているこの現象も頭がおかしくなったと捉えていた。 数日、放心状態になる。あの声がまた聞きたい。でももしかしたら低級霊かもしれない。そもそも何もなく、私の頭がおかしくなっているだけなのかもしれない。危険じゃない方法でどうにかあの声をまた聞く事が出来ないだろうか?私は考えるようになった。
2010年9月11日。 一粒のタイガーアイと出会った。 娘と元夫が雑貨屋さんで売っていた福袋を買って、その中に入っていたのだ。 私は病気とも呼べない病気をしていて何年も引き篭もりの状態で生きていた。 「 子宮内膜増殖症 」という、症状は癌に似ているが癌検査では「 陰性 」と出るので症候群止まりであり、それは病気という形では受け取ってもらえなかった。しかし症状が重い為、生きている事が苦痛で仕方が無かった。 タイガーアイは私のパソコンデスク横にかけて置かれたまま着ける機会もなくただ時間が過ぎた。 翌年1月末、ネットで不思議な記事を見つけた。 「 石と会話出来る子供 」の記事でうろ覚えだが、どこかの神社のお孫さん?には不思議なチカラがあり、石たちと会話をするという。 もともとスピリチュアルな世界をとても嫌っていた私。普段ならスルーするはずのその記事が気になり、次の瞬間タイガーアイになんとなく声をかけていた。 「おまえ、しゃべれるの?」 「うんしゃべれるよー?」 時間が止まった。私は耳を疑った。小さな男の子の声で誰かがしゃべった。