知的障害のあるアーティストのアート作品をプロダクトに落とし込むブランド「MUKU」は、障害のある方の表現を軸に様々な企画展を開催する「はじまりの美術館(福島県・猪苗代町)」とコラボレーションし、平日のビジネスマンのONの時間を彩る新商品、【ネクタイ&ソックス】を製作しました。

老舗のネクタイブランド「銀座田屋」・老舗の靴下ブランド「北松メリヤス」と提携することにより、高品質にこだわり抜いたネクタイ・ソックスが完成しました。福祉・チャリティーという視点ではなく、プロダクトというフィルターを通して知的障害のあるアーティストの作品を表現し、クオリティの高いアート作品をハイクオリティなブランドと共に正当な金額で販売します。本プロジェクト、そしてMUKUの活動を通して、知的障害と言われる人たちが表現する、私たちが普段気づかない視点や発想を、広く共有します。

今回は、平日のビジネスシーンに活躍する「ONモードのネクタイ×ソックス」と、休日のプライベートの時間を彩る「OFFモードのTシャツ×トートバッグ」を、同時に公開します。

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1.ネクタイ|葉っぱ

2.ネクタイ|unico犬(フェルメールブルー)

3.ネクタイ|unico犬(ワインレッド)

4.ネクタイ|りんご


創業明治38年、紳士洋品の老舗「銀座田屋」。
MADE IN JAPANならではの仕上がりの繊細さや丁寧さを持つネクタイブランドとの提携が実現したことにより、最高品質のネクタイを提供することが可能となりました。「銀座田屋」は細い絹糸を使用する為、高密度・多色の織りで、細緻な紋様を表現します。これにより、アーティストのこだわりを、プリントではなく織りで実現することが可能となりました。一般の高級ネクタイでは、1寸(約3.03cm)あたり約200本の糸を打ち込むことが可能です。田屋では糸に改良を加え、その密度を500~600本にし、緻密さをグレードアップ。プリントを圧倒する表現力を実現しました。それだけに必要な時間と糸の量は、一般のネクタイの倍を要します。

ネクタイ着用イメージ







1.ソックス|りんご

2.ソックス|フェルメールブルー

3.ソックス|ワインレッド

日本製で質の高い製品をつくりつづける老舗「北松メリヤス」は、靴下の一大産地である奈良県にある歴史のある靴下専門工場です。本靴下も、快適で上質な履き心地にこだわって生み出され、歴史と技術で履き心地の良さとデザインにこだわっています。

ソックス着用イメージ



本プロジェクトで目指すこと

1.知的障害のある方のアート作品を正当な金額で取り扱ってもらえるよう、都内でビジネスを進める企業やビジネスマンに向けてプレゼンテーションすることで福祉と他分野とのお金の流れをつくり、福祉分野を経済的に活性化させること

2.はじまりの美術館と提携して行うことで、福島県の取り組みを東京で広報し、はじまりの美術館の母体である安積愛育園に所属するアーティストにお金がまわってくる仕組みづくりの一助になること

現在グループホームで過ごしている渡邉。作品の多くは障がい者支援施設・あさかあすなろ荘に入所していたときに描かれたものである。代表作のひとつは、四つ足の生き物らしきものたちである。安積愛育園の創作プロジェクト「unico(ウーニコ)」のロゴマークにもなっており、本人曰くこれは「ねこ」とのこと。時に一筆書きで、一気に伸びやかに描かれる足と尻尾。そして何匹もが並んでこちらを向いているさまは、不思議なリズムと可笑しさで、私たちの目を惹きつける。


渡邉行夫『無題』通称:unico犬
厚紙、水性ペン / 298×210mm




渡邉行夫『無題』通称:りんご

画用紙、水性ペン、色鉛筆 / 250×350mm / 2009.6.26



土屋の代表的な作品は、「はっぱ」と題される串に団子が刺さったような形状の作品群と、「はな」と題される画面全体を複数色で塗り分ける作品群に大別される。その他にも「おすし」などの具体物や人物、バス運行に関する記録メモをとることもある。「はっぱ」「はな」双方とも鮮やかな色彩が共通しており、植物の優しいイメージと相まって、愛好者も多い。近年では新築家屋のふすまや、美容室や児童施設の壁面も作画し、好評を得ている。
土屋康一『無題』(通称:葉っぱ)
板、アクリル絵の具、クレヨン/650×910×10mm


今回MUKUは、福島県猪苗代町にある「はじまりの美術館」とコラボレーションします。はじまりの美術館の運営母体である社会福祉法人安積愛育園の創作活動支援プロジェクト「unico(ウーニコ)」に所属する知的障害のあるアーティストのアート作品を、企画・編集して新しい価値をもったものとして、日本のビジネスの中心都市「東京」に伝える橋渡しをします。


約50年間の歴史をもつ福島県の社会福祉法人安積愛育園が運営しているはじまりの美術館は、猪苗代町の築約140年の十八間蔵を改装してつくられました。はじまりの美術館は日本財団からの支援をはじめ、震災を経験した様々な人の想いを受けて生まれ、障害のある方の表現を軸に様々な企画展を開催しています。震災後の日本だからこそ、アートを通して人間や地域社会のつながりをつくり、そこから新しい価値を生み出すことが求められている中で、はじまりの美術館は障害のある方の表現活動をバックアップし、アートを通して新しい価値や視点を提案し続けています。

はじまりの美術館企画展『アラワシの詩』展示一部

福祉施設で働く知的障害のある方の作品は、低価格で取引されることが少なくありません。MUKUが、知的障害のある方によるアート作品をただプロダクトに落とし込むだけではなく、その質の高さにもこだわる理由。

それは、「障害だと呼ばれているその”普通じゃないもの”は、プレゼントである」と、あらゆる分野を超えて提案したいからです。とりわけ、「何かができること」に価値が置かれることが多いビジネスの世界においては、彼らの持つ特性は、価値のあるものとして見られることはないのかもしれません。しかし、私たちはこう考えます。

はみだした部分を持ち、違う世界を見ている彼らだからこそ、アートを通じて、斬新さや新鮮さが詰まった世界を描き出している、と。そしてその視点は、一人一人の世界に新しい視点をもたらすものである、と。障害だと呼ばれている彼らの”特性”には、”無意識に出来上がったボーダーを溶かす力”があります。経済的な価値を生むものだけに価値があるのでも、”何かができること”だけに価値があるのでも、ない。フクシが、あなたの「ON」の時間を彩ります。



●2019年1月24日:プロジェクト公開

●2019年4月2日:プロジェクト終了

●2019年4月下旬:商品お届け予定

●2019年4月下旬~5月中旬:オフィス装飾用作品複製画実装

私達は、この世界を隔てる、先入観や常識という名のボーダーを超える。そして、さまざまな「異彩」を、さまざまな形で社会に送り届け、福祉を起点に新たな文化をつくりだしていく―。

私達は、”異彩を、放て。”をミッションに掲げて、福祉を起点に新しい文化を創造する福祉実験ユニットです。社名は、『ヘラルボニー』。社名の起源になったのは、代表/副代表の自閉症の兄、翔太さんが7歳の頃に自由帳に記していた謎の言葉です。検索しても、何もひっかからない。でも翔太さんにとっては、耳心地がよかったのか、字面が好きだったのか、魅力を感じる何かをきっと、そこに見出していたと思うのです。ヘラルボニーの社名には、今まで社会の中で価値があるとされてこなかったものを、企画・編集することで新しい価値のあるものとして魅せていきたいという思いが込められています。

知的障がいのある人が「できない」ことを「できる」ようにするのではなく、「できない」という前提を認め合う。社会のために彼らを順応させるのではなく、彼らの個性のために社会が順応していく―。

自分たちとは違う人たちを理解できなくてもいい。ただ、まずはお互いのことを知ることができればいい。だからヘラルボニーでは、知的障害のある人のことを知る”ゼロイチの機会”を生む、そんな仕組みをつくることを目指します。


本プロジェクトでは、平日のビジネスシーンに活躍する「ONモードのネクタイ×ソックス」と、休日のプライベートの時間を彩る「OFFモードのTシャツ×トートバッグ」を、同時に公開しています。

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このプロジェクトは、東日本大震災からの復興につながるクラウドファンディングをサポートする「復興庁クラウドファンディング支援事業」の対象プロジェクトです。

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