皆さま、こんにちは。タイでKokotelというホテルチェーンを運営している松田励です。
2015年に創業し、今年の5月で5周年を迎えました。2016年にバンコクで一号店を開いてから、2020年現在ではチェンマイ、プーケット、クラビなどタイ全土に8店舗にまで拡大致しました。社員は約200名になります。「日本語のKokoro(心、heart)」 と「Hotel」を合わせてできたKokotel。その名の通り、「おもてなし」に象徴される日本風の真心がこもったサービスを、「微笑み」の国タイで提供することをモットーに、これまで営業を続けてまいりました。


 「リーズナブルで安心・安全・快適な宿が無い」⇒作ったらお客様に喜んでいただけるはず!

私がKokotelを創業した理由には、当時私が感じていた2つの矛盾がありました。
一つは、リーズナブルで安心・安全・快適な宿がないということでした。
東南アジアの主要都市のホテルは高級ホテルか極端にコストを抑えたバジェットホテルやホステルなどに二極化されておりました。そこで、「リーズナブルで安心・安全、快適な宿」「家族で楽しめるファミリー向けのホテル」というコンセプトを思いつきました。
それ以来、日本からいらっしゃる方々にも安心してお泊り頂けるホテルを目指してまいりました。

※ココテル一号店のロビー/カフェ

 「微笑みの国タイのはずなのに、宿でのサービスレベルが低い」
             ⇒「おもてなし」との融合で高くできるはず!

もう1つ感じていたのは、サービスレベルに関する矛盾です。

タイ人はとても親切で寛容な人々です。例えば電車や駅で母親が赤ん坊を抱えていたら、一瞬で周りの人が席を譲ったり階段でベビーカーを持ってくれたりします。東京では、どうでしょうか? その親切で助け合う心が、単に愛想笑いではない、品のある本当の「微笑み」になっています。そしてそれが、世界的なタイのブランドにもなっているのです。

しかし、高級ホテルではないエコノミークラスのホテルに宿泊すると、不思議なことが起こりました。あまりにも冷たく無愛想なサービスが待っていたのです。これは大いなる矛盾です。道端ですれ違うタイ人は優しいのに、なぜホテルのフロントにいるタイ人は冷たいのか? (ちなみに、日本では全く逆の経験をします。)

私は、サービスレベルの低さは働くタイ人スタッフのせいではなく、エコノミーホテルを経営するマネジメントの責任であると考えました。サービスマインドの土壌はあるはずなのだから、それをどう実際の行動に移してあげるかは、マネジメントの手腕に依るはずです。日本人の私が社長であれば、日本人客が求められる「おもてなし」を、タイ人スタッフを通じて実現できるのではないか。

そこで、採用と教育には常に大きなエネルギーをかけ、ポジティブな企業文化の醸成に力を注ぎ、これまで事業を展開してきました。200人ほどいる現在のチームは、「おもてなし」の心と「微笑み」を兼ね備えた強いチームになっています。


この5年間で、それまでの人生約40年間分に匹敵する苦しみと困難を経験しました。それと同時に、5年間で40年間分の喜びも味わいました。

ホテルがまだ無い(それどころかオフィスも無い)ので、社員をなかなか採用できない。たくさん歩いても店舗を開業する物件がなかなか見つからない。契約直前で開業物件の大家さんと破断してしまう。タイの工事業者との指示の仕方がわからず、新規開業が遅れてしまう。もっとひどい場合は工事業者が金をもって行方不明になってしまう。お互い母国語でない英語でのコミュニケーションにより、社員と無用なミスコミュニケーションが生まれる。せっかく入れたITシステムがうまく回らず、すぐにゼロから別のものを再投資しなくてはいけなくなる。5-10月の旅行ローシーズンには資金繰りが苦しくなり、ギリギリセーフで半日遅れで社員に給料を振り込み、放心状態になる。挙げていけば挙げきれないほどの、失敗と困難がありました。

一方で、これらを上回る様々な喜びもあったのです。

1店舗目は、開業直後から世界中からお客様がきてくださり、すぐに満室になりました。ネット上には、毎日毎日感動をつづってくれるゲストの方々がいらっしゃいます。その中には、特定のスタッフの名前を挙げて感謝や感激をオンラインレビューに書いてくださる方も多くいます(その都度、社内では当該スタッフを表彰します)。入社から2年ほどでめまぐるしい成長を見せ、入社時には考えられないようなずっと責任のある仕事をしてくれる社員がいます。会社が苦しい際に社員に激励のメッセージを送らなければと思うと、逆に社員から私への激励のメールが届くことがあります。

たまたま店舗に社長の私がいるのを見つけたマレーシア人ファミリーは、「このホテルに感動してとてもファンになったので、一緒に写真を撮りたい」と言ってくださいました。(以下の写真)

タイの観光業は、そのほとんどを海外からの観光客に頼っています。毎年4,000万人が海外から訪れる観光立国である一方、彼らがいなくなれば大きな影響になります。国内旅行の市場が8割を占める日本とは、根本的に異なるのです。
今年1月末以降、多数の宿泊キャンセルと予約の減少が起きました。それでも3月前半までは、社員の頑張りでなんとか60-70%の稼働率は維持してきました。
しかし、3月半ばに外国人の入国が原則禁止になったのは死刑宣告に等しく、店舗運営は難しくなりました。そのため、4月より順次店舗を閉鎖し、数か月間は全店舗を一時閉鎖(一部地域においては政府の指導により強制閉鎖) しておりました。

左:閉鎖期間中の1号店  右:現在も閉鎖中のクラビ・アオナン店

現在、給与カットを中心とするコスト削減はもちろん、家賃交渉や政府の補償申請などを可能な限りの努力を行ってまいりましたが、半年近くが過ぎた現在でもまだまだ先行きの見通しが立たない状況です。
7月以降、バンコク・チェンマイの店舗の営業を再開しましたが、国内旅行者のみではかろうじて家賃を支払う程度の収入にとどまっており、まだまだ厳しい状況が続いております。

その他の店舗の再開業は、そもそも海外旅行客が多いエリアであることもあり、年末から年明けにずれ込んでしまう可能性が高いです。識者やアナリストの予測では観光の回復の兆しは年明けにならないと厳しいという見方が強く、我々も年内を何とかしのげるよう引き続き最善を尽くしております。

これまで「おもてなし」の精神を長年培ってきた屋台骨であるホテルスタッフの生活を支え、皆さまがタイ旅行ができるようになった際に最高のサービスでお迎えできる体制をなんとか継続したく、クラウドファンディングにて皆様にご助力頂ければと思い今回プロジェクトを立ち上げさせていただきました。

     ■ホテルの需要が回復するまで、社員に少しでも多くの給与を払うために使います

現在、社員たちは限定的な給与の支払いで日々の生活をしのいでいる状態です。
年末に向けた全店舗の営業再開に向けて、極限までコストを削り、なんとか従業員の給与をねん出している状況です。少しでも多くの給与を払いたいと思いますが、会社としての原資は限られます。今は、来年まで旅行客の需要が回復しないことを想定し、従業員が最低限の生活ができるだけの給与を確保することに注力しています。

「おもてなし」と「微笑み」を繋ぐことを、机上の空論に留めることなく実際に実行するのは、1人1人の社員です。その社員の力こそが会社の事業と、そして私の人生の最も重要な資産であり、それを失うことを避けたいのです。

社員の生活を守るため、せっかく小さく咲いた「おもてなし」と「微笑み」の花を摘み取ることを避けるため、皆様のお力添えを頂ければ幸いです。

 皆さまが来泰される際にお使い頂けるお食事券やご宿泊券に始まり、弊社のグッズ開発/企画に参加いただける権利、そして純粋な資金援助、といくつかのパターンをご用意させていただきました。お食事券・ご宿泊券は店舗にてお使いいただけますので、直近でお越しになる予定はなくとも、ぜひこれを機会に来年以降にタイ旅行をご計画頂ければ幸いです。

【クーポンが使える7店舗】*一部例外あり
①Kokotel Bangkok Surawong (バンコク)
②Kokotel Bangkok Sukhumvit 50 (バンコク)
③Kokotel Bangkok Dheva Thonglor (バンコク)
④Kokotel Chiang Mai Nimman (チェンマイ)
⑤Kokotel Phuket Patong (プーケット)
⑥Kokotel Krabi Oasis (クラビー)
⑦Kokotel Krabi Ao Nang(クラビー)

各店舗の詳細は下記よりご確認いただけます。
また、今後Kokotelの店舗が増えた際にはそちらでもお使いいただけます。
https://www.kokotel.com/


皆さまをタイでお出迎えできる日をお待ちしております。

           ※昨年のソンクラン(タイの旧正月)時のスタッフ衣装


■本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

  • 2020/09/16 00:33

    Kokotelクラウドファンディングが9月15日の22時(タイ現地時間)をもって終了しました!8月26日から開始した本クラウドファンディングも本日20日目をもって終了しました。総勢208名の方から4,541,000円のご支援を頂戴いたしました!当初の目標金額300万円を大きく上回るご支援を頂き...

  • 2020/09/10 16:36

    Campfire上でのクラウドファンディングですが、9月8日時点で最終日まで7日間を残して、当初の目標額だった300万円を達成いたしました! 初設定した目標額は到達しましたが、残り5日間でいけるところまで走り抜けたいと考えています。新ターゲット500万円の達成に向けて、リターン(返礼品)を追加...

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