プロジェクト概要

 10年前、ヨーロッパから日本の武士道にあこがれて来日した、日本大好きベルギー人、ティアスです。日本語を学び、日本人と結婚し、今、2児の父となりました。日本のことを知れば知るほど、この日本の伝統文化(日本茶とお茶席)のすばらしさを世界中に発信したいと思うようになりました。

 

<私の3つの願い>

1.日本で栽培された有機栽培のお茶が、世界で正しく評価されるようになってほしい。

2.身分も国籍も問わず、静寂の中に人と人の心を通わせる、すばらしい日本のお茶席の文化を世界に伝えたい。

3.日本人は働きすぎ。だから、忙しさの中で自分を見失っているのではと思う。日本の伝統文化であるお茶席のすばらしさを心から味わってほしい。そして、本来の自分を取り戻してほしい。

 

 

 初めまして、ティアス宗筅(そうせん)です。

 初めてのクラウドファンディングプロジェクトですが、皆様と私の想いを分かち合って、ご支援をしていただき、日本のすばらしい伝統文化がもっともっと世界に広がっていくことを願っています。

 

 

【2016年9月7日クラウドファンディングセミナーでのプロジェクトプレゼン  約7分】

 

少し長文ですが、下記で私のストーリーと想いを描いてみましたので、しばらくお付き合いください。

 

自己紹介

 私はベルギーのアントウェルペンという(フランダースの犬で有名な)街で生まれました。中学校・高校の時は、社会に反発をし続けていました。成績も優れることなく、毎日の生活を退屈に感じ、特に将来像も夢も何も描いていなかったです。どちらかといえば、友達が多かったわけでもなく、些か皆と感覚の違った少年で、日陰者に近い存在でした。

 

 

 でもある日、私にとってその後の人生を左右する出会いがありました。高校で剣道を始めて、数ヶ月経ってから、顧問の先生から、ある本の蘭訳(オランダ語訳)を渡されました。それは吉川英治の『宮本武蔵』でした。読み始めると夢中になり、1000頁以上あるこの大冊を僅か3週間で読破しました。初めて触れる、日本の麗しい風景、日本の当時の風習、そして武蔵自身のストイックで感服できる心境に魅了されました。

 

 「日本の文化について学びたい」、「日本語を覚えたい」、「宮本武蔵が生きていた世界はどんな場所なのかをもっと深く把握したい」という思いが溢れてきました。私はその時人生初めての夢を持ちました。「日本で生活してみたい」と心から強く思うようになりました。そして、将来の進路について何も考えていなかった私ですが、その実現のために大学入学を決心しました。

 

 ベルギーのルーヴェン大学の日本学科を卒業してから日本に移住してきました。近世(江戸時代)文学・歴史・文化を学ぶために、関西大学の大学院に進学しました。複合的で奥深い日本文化の理解を深めるために剣道、空手道や杖道の武道、そして、能楽(謡・仕舞)と茶道を稽古しました。

 

 現在は遠州流茶道の師範として、茶の伝統、フィロソフィーやエステティックを巡るデモンストレーション、講演やワークショップを行っています。

 

▲2015年2月13日 第二回奈良大茶会 珠光茶会 薬師寺・まほろば会館(遠州流・濃茶席)の様子。

 

 また、ベルギー人として初めて、日本茶インストラクター資格をいただき、海外の葉茶屋に向けての日本茶コンサルティング、個人や接客業者のためのお茶の楽しみ方、提供の仕方やマナーのトレーニングなど、利き茶イベント、ワークショップ、茶産地ツアーを行っています。また、茶ノ実鶴園のブランドで厳選した有機栽培日本茶をネットを中心に販売しています。 

有機栽培茶生産者は消費者の共感を得るのに困っている。 

 2014年の農林水産省の統計によると、日本で生産された緑茶の全産出量(85.900トン)のうち、有機栽培のお茶は、わずか2.167トン(2.5%)であるとの報告がありました。

 

 

 これの一つの原因として考えられるのは、消費者は有機栽培の意義に対する理解がまだ浅いということが考えられます。欧米では、「一日一個のリンゴで医者知らず」ということわざがありますが、自ら健康的な食べ物・飲み物を摂ることによって、健康を自然と保つことができます。言い換えれば、医者の訪問回数が減ります。この概念に対する意識が強くて、自然で余計なものを使用していない有機の食物がかなり注目されています。一方、日本では科学的なものに対する懸念や、自然なものに回帰することを通じて、身体と精神の本来の健康を保護することに専念している方がまだ少数です。

 

 もう一つ有機茶農家が困っていることは、「有機」というものの中にでも良し悪しがあるということです。例えば、大衆向けにスーパーで販売できるよう、有機茶の大量生産が可能です。有機JASの認定を受けている農薬や肥料さえ使用すれば、JASマークが取得でき、製品を有機として販売できます。でも、この場合は、慣行栽培とほぼ変わらない程度、農園に人工的な作為を加え、環境に負担をかけてしまうことになります。有機栽培で最も重要とされる要素はやはり、人工的ではなく、自然の流れで作られたものであることが大事だと考えられます。

 

 

 このように、自然を重んじて、人間の体にも優しいお茶を製造している農家は、基本的に小さな農家です。有機茶栽培に対して強い理念と気持ちを抱き、大儲けよりも品質の高い商品に重点を置いています。だが、有機栽培が(ことさらにお茶の有機栽培において)過小評価されているため、生産者の尊重すべき気持ちが行き届かないケースも少なくありません。

 日本で有機栽培で作られたお茶の様々な品種と成り立ちを紹介し、有機栽培茶の本当の楽しみと美味しさを消費者側と共有することを通じて、生産者たちを援助し、支援し、少しでもお役にたちたいと願っています。

私が確信しているお茶の力 

 ベルギーから日本に移住してきたのは10年程前のことです。初期から茶乃湯の稽古をしています。 

 

 

  お茶席では身分も階級も性別も年齢も国籍も、全て解除されます。言わば、お茶の空間に包まれている間は社会的な抑圧から解脱され、相手に対する先入観も当然その場で解除されます。更に、ほとんどのお茶会は非現実的な空間で行われるので、別世界に入ったという気持ちを容易に呼び起こせます。この空間では、自らを見つめ直して「再初期化」することができ、場の雰囲気と同行者に対するありがたみ、周囲の人に対する敬意や自らが肌に風を感じるように心身共々を休憩させることが可能になり、常識として最も大事な概念をここで再発見できると思っています。 

 

▲2016年6月27日 京都・鴨川デルタにて野点茶会の様子。

 

 茶の湯だけでなく、実は日本茶全般に上記の心の豊かさと精神的な安らぎをもたらす力があると私は確信しています。でも、一つ大きな課題があります。

 

 現在、化学的肥料と農薬の使用が増加していて、茶の木を始め、お茶を嗜む人の身体に負担をかけています。健康な身体にこそ、健康な精神が宿ると言います。

 

 

 このプロジェクトで、有機栽培のお茶を多くの人に分かち合うことを通じて、更に素敵な世界の形成を願いつつ、皆の心を清らかにして、同時に、日本文化の根本的な価値観・概念を再認識し、思いやりのある世間への再初期化を図りたいと思っています。  

次世代に健康な地球を残したくありませんか? 

自然栽培のお茶が自らの健康も、地球の健康も保証してくれます。

 

 有機栽培は地球環境、私たちが生きている環境、我々の子供・孫が生活していく環境に対して優しい栽培方法です。こういった環境に育ったお茶は、円熟した表土、植物としての自然なる年間サイクル、並びに周辺の生物の存在を尊重した生産方法によって成り立っています。その味わいは、至純で澄み切っています。茶樹の根っこに不要な添加物が与えられず、加工法には、不当な小細工も含まれていません。その栽培には、気苦労・注意・熱意・愛情が総て注がれています。大自然のみによる貴重な賜物です。

 

 

 こんなお茶を飲用すると、健康を害し得る化学殺虫剤や不自然な肥料の残留物を摂取することを防ぐことができるのはもちろんですが、健康的な地球環境へ自ら貢献することもできます。それから、形而上的な見方もありますが、このお茶が大自然から頂いたもの総てを摂取することになり、生産者が注いだ気苦労・注意や愛情までも全て自らのエネルギーに変換されます。

有機茶の楽しさ・美味しさを広く知ってもらいたい 

 日本国内を始め、海外に向けてネット上のプラットフォームを設置し、そこに日本茶の有機栽培者のストーリーや農園事情とともに、お茶の販売をしていくことを考えています。加えて、国内で農園ツアー・有機栽培日本茶の教室やワークショップ・利き茶イベントなどを通じて、参加者とともに、有機栽培茶の楽しみを多方面から深めていきたいと思います。

 

▲2016年4月20日 MTRL京都 にて“TEA of MTRL” PROJECT キックオフ -オープンミーティング「新しい “喫茶” を考える」様子。

 

 資金がさらに集まれば、欧米の展示会に日本の有機茶を持って行ったり、ツアーを企画して、日本と同様なイベントや教室を海外で開催していきたいと考えています。 

集まった支援の用途とその内訳

HP改善と運営費用 100,000円

商品企画・開発 100,000円

ストーリー材料の収集と整理費 45,000円

プロモーション材料の作成費 55,000円

イベント開催費用(場所代、移動費、お茶代など) 70,000円

機材、収納、物流環境の設置非常 80,000円

 

合計 450,000円

 

このうち、300,000円をクラウドファンディングで調達したいです。

 

目標金額以上に資金が集まれば、次の目標の達成に向けて頑張りたいです。

海外ツアー・展示会参加費用 300,000円

スケジュール

2016年10月〜12月

・HP改善

・生産者に会い、ストーリー取材、写真撮影、商品企画

・HP掲載 ー 公開 ー プロモーションと販売開始

・お返し品準備、送付手続き。

2017年1月〜

・支援者の皆様にお返しの続き。

・利き茶イベント・茶産地ツアー・茶道ワークショップ企画、スケジュール公開

・農家さんのプロフィール作成・商品追加を継続。

2017年2〜3月

・第一海外プロジェクト企画

全体的な嗜みを応援してください

 あなたが日常的に飲まれているお茶については、実際にどれほど知っていますか。どこで、どのように栽培され、農家がどんな想いでそのお茶の製造に取り組んだのかという情報は欲しくありませんか。

 

 肥料や農薬の使用に関する情報や環境の事情についても知らずに、安全性が信用でるのでしょうか。さらに、茶農家が作る茶は、皆それぞれ自然条件と製造方法が異なるので、それに対応する工夫が最終作品にどう影響するかは知り得るケースが少ないです。

 

 これらの情報がなくて、購入されているお茶を実際に嗜むことができるといえるのでしょうか。この空白を補うために、お茶を販売するのみならず、そのお茶を全体的に嗜むことができるように、農法、茶農家の想い、地勢やお茶の楽しみ方のご提案など、裏情報を全て公開します。

 

 この地球を元気な状態で次世代に引き渡すべく、優しい農法を勧めながら、自らの健康を配慮して、日本の有機栽培のお茶を全体的に嗜むことを応援しませんか。

  

  ご支援をどうぞよろしくお願いします。

 

 

応援コメントいただきました。

奈良・月ヶ瀬健康茶園 岩田 文明さん

 

 

 

吹田商工会議所 すいた経営革新支援センター長 佐藤 雅一さん

ティアスさんは、平成27年6月にセンターに初めて来られて以来、今日まで20回以上通われています。自らの思いに正直に、しっかりとした考え方を持って、誰も通ったことの無い道を切り開こうとされています。日本人以上(?)に、日本のお茶の伝統文化を愛し、世界に発信することを願っておられる姿は、本当に頭が下がる思いです。ティアスさんの言葉に是非、耳を傾けていただきたいと思います。

 

 

 

関西大学名誉教授 A・S・ギブズ先生

ティアス宗筅君の生き方に見られる、茶道に対しての現代人の理解を深めるための怠らざる努力は、日本茶を(健康的な飲料だけでなく)社交も絆を支え、精神のリフレッシュも助長する媒体と見なす彼のビジョンの基礎の一つを成す。

 

彼が確信しているのは、茶之湯という行いの一番の特徴である、途絶えることのない瞑想と、他者の安寧と悦びのための気配りとの逆説めいた組み合わせが、今の社会に甚だしく必要な要素なので、数々のワークショップやプレゼンテーションを通して、パーフォーマンスなどではなく、まさしく生きる心構えとしての茶道へのアクセスを、なるべく多くの方々にもたらすように、彼が尽力している。

 

 

起案者情報

【団体名】茶ノ実鶴園

【代表者】Huybrechts Tyas(ハーブレヒツ ティアス)

【HP】http://www.the-tea-crane.com

【facebook】https://www.facebook.com/TeaTalkBe

【Twitter】@TheTeaCrane

【Blog】http://www.the-tea-crane.com/blogs/blog

  • 2016/09/08 01:09

    【以下動画あり】  私の活動を応援してくださっているみなさん、こんばんは。  当プロジェクトは後残り時間が21日と成りました。もう直ぐ、プロジェクト期間の3分の2を切ります。今までの間は、活動について、たくさんのコメント、応援メッセージやご支援をいただき、誠に感謝しております。  多くの...

  • 2016/08/22 12:54

    先日、8月20日に奈良の白ちゃんハウスで「ペチャクチャナイト 奈良 2016 Summer」が開催されました。  一人のスピーカーとして、私の現在の活動と当プロジェクトの紹介をしてきました。動画がありますので、是非ご覧ください。  引き続き、ご応援とご支援をどうぞよろしくお願い致します...

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       みんなさんこんばんは、  有機茶に注目し始めて以来、お茶席で使える濃茶用の抹茶を有機のもので探し続けてきました。だが、中々美味しいものに巡り合わないのが現状です。  そこで思うようになったのは、「美味しい」というものは、現在「美味しい」と言われるものと4〜50年前に「美味しい」と言...