もくじ
―はじめに
―難民キャンプでも死亡者
―「3密」状態で暮らす難民、人口密度は東京の2倍以上
―コロナ禍の女性や女の子たち
―「いのち」を守る支援をいち早く
―特に弱い立場にある女性や女の子に配慮
―100万円集まればできること
―スケジュール
―国際協力NGO「CARE」とは
―最後に
はじめに、新型コロナウイルス(COVID-19)により、健康や日々の生活に影響を受けられている皆様へお見舞いを申し上げます。
私たち、公益財団法人ケア・インターナショナル ジャパンは、世界100カ国で人道支援活動を行う国際NGOケア・インターナショナルの一員です。災害時の人道支援を行うとともに、「女性や女子」に焦点をあてた活動を通して、最も困難な状況にある人々の自立を支援しています。
今、新型コロナウイルス感染症が蔓延し、世界各地(216の国・地域)で、700万人以上が感染し、40万人以上もの命が奪われています(6月16日時点)。そして、その脅威は、紛争などにより故郷を離れ、劣悪な環境で暮らす難民の人々にも、すでに脅威をもたらしています。
難民キャンプでは、石けんや手洗い場などの衛生環境も整っておらず、数万人もの人口が密集して居住する、まさに「3密」状態です。そして、一部の難民キャンプでは、すでに新型コロナウイルス感染者や死亡者が発生しており、爆発的な感染拡大がいつ起きてもおかしくありません。さらに、封鎖(ロックダウン)状態にある多くの難民キャンプでは、人々は、その日の食べ物も得ることができず困窮しています。
そこで、私たちは、このような危機的状況にある人々に、3つの支援を届けていきます。
このウイルスとの闘いは、世界的な解決に向け、一丸となり協力していかなければ打ち勝つことができません。なぜなら、ウイルスには「国境」がないからです。
2020年3月25日国連のアントニオ・グテレス事務総長はこのように発言しています。
「新型コロナウイルスが、途上国で火のように広がり数百万人が感染すれば、ウイルスが突然変異するリスクがあり、全人類を脅かす可能性がある」
しかし、私たちCAREは、信じています。ウイルスだけではなく、人間が誰かをケアする心、「思いやり」も国境を越えて届けることができ、それにより救える命があると。
どうか、このコロナ禍の中で生きる難民たちの今を知っていただき、いのちを守るための支援に皆様のお力をお貸しいただけないでしょうか。
世界最大の難民キャンプである、バングラデシュ、コックスバザールの難民キャンプでは、ミャンマーでの紛争から逃れたイスラム系少数民族が約90万人暮らしています。6月15日時点で38人の感染者と2名の死亡が発生し、封鎖(ロックダウン)状態にあります。バングラデシュ国内の感染者は6月16日時点で9万人を超えており、1日あたりの感染者数も2,000人前後で推移、増加に歯止めがかかりません。
一方、中東地域では、シリアやなどからの多く難民を受け入れるトルコ、レバノン、ヨルダン等でも感染者、死亡者が発生しており、同国内の多くの難民キャンプも感染拡大防止のため、封鎖や移動の制限が行われています。
さらに、5年にわたり紛争下にあり多数の国内避難民が発生しているイエメンでは、医療体制が崩壊状態にあり感染が拡がっています。また感染拡大と紛争の影響により、500万人を超える人々の食糧や安全な水へのアクセス不足が懸念されています。
難民の人々の暮らしは、安全・快適とは程遠く、感染拡大が起これば、いつ多くの人々が命を落とす事態になってもおかしくありません。
■人口が「密集」
例えば、コックスバザール難民キャンプは、1平方キロメートルに4~7万人もの人々が暮らしています。その人口密度は、東京都の2~4倍を超える非常に過密なものです。さらに、1つの狭い家の中に多くの人数が住まなければならず、より密接した環境にあります。
■安全な水、石けんがない
予防には手洗いが有効とされますが、安全な水や石けんなどの衛生用品の供給が十分ではありません。また、キャンプの給水施設やトイレ・手洗い場などの衛生設備は、数十人で共有していて、密集、密接せざるを得ない状況です。
■医療体制のもろさ
難民キャンプでは、提供できる医療に限りがあり、ひとたび感染拡大が起きると医療崩壊を起こしかねない脆弱な状態にあります。例えば、コックスバザール難民キャンプには、集中治療室はなく、ウイルス検査ができる施設まで行くのにバスで12時間もかかります。
■災害のリスク
このような地域は自然災害にも弱く、モンスーンによる豪雨やサイクロンなどの強風、大地震などが発生すれば、住環境や衛生状態のさらなる悪化がおこり、より甚大な感染被害を及ぼす可能性があります。
このような非常時、女性や女の子たちは特に困難な状況におかれます。
また、世界的にみると、医療従事者の7割が女性であるため、女性はより感染の危険にさらされています。
さらに、このような非常時には、感染症対応がまず優先されることから、医療体制が脆弱な地域では、出産などの母子保健サービスの提供が制限されてしまう恐れがあります。
加えて、日本でも報道されている通り、公衆衛生上の緊急事態は、失業や経済的貧困、移動の制限等へのストレスから女性への暴力や嫌がらせも増加する傾向にあります。フランスでは、3月17日のロックダウン以降、家庭内暴力の事件が30%増加しており、シンガポールでも家庭内暴力関連の電話相談が昨年の同月と比較し33%増加しています。
私たちCAREは、このような危機的状況にある難民キャンプの人々や、世界の困難な状況にある人々に、3つの支援を届けます。
1)感染から身を守る支援
難民キャンプの人々を感染から守るため、石けん等の衛生物資の配布、安全な水の供給と手洗い場の設置とともに、手洗いなどの感染予防の啓発活動、予防等に関する適切な情報の発信を行います。
2)暮らしを守る支援
封鎖状態にあり、生計を立てられない人々を対象に、食糧の配布や現金給付(クーポン券配布を含む)の支援を行います。
3)医療現場への支援
医療体制の強化を図るため、石けん、消毒剤、薬、医療用マスク、防護服、毛布等の必要物資の支援を行います。
私たちCAREは、女性や女の子のニーズに的確に配慮し、支援活動を行っていきます。
例えば、衛生物資の配布には、生理用品やおむつなどの新生児キットも配布します。また、コロナ禍においても、出産等の母子保健サービスが継続的に提供できるよう医療体制をサポートしていきます。さらに、暴力やいやがらせを防止するための啓発活動や、医療機関と連携し情報の収集、被害者へのカウンセリングや心理社会的サポートを提供していきます。
100万円で、例えば、このようなことが実施できます
<寄付型・All-in方式です>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、寄付金の範囲で計画を実行します。また、寄付型のため、リターンはありません。本クラウドファンディングの手数料およびファンドレイジングにかかった諸経費を除き、すべての金額を現地での活動に充てさせていただく予定です。
<寄付金控除の対象です>
本クラウドファンディングは、寄付型で実施しているため、寄付金控除の対象となります。ケア・インターナショナル ジャパンは、内閣府より「公益財団法人」としての認定を受けているため、寄付金については、税制上の優遇措置を受けることができます。
クラウドファンディングでご寄付を集めながら、同時に、一刻も早く支援を必要とする人々へ対応するため、世界のCAREメンバーとともに既に活動を開始しています。また、昨年のクラウドファンディングを通じて日本の支援者からお預かりした「緊急支援基金」からも一部拠出し、本活動に活用させていただきます。
■緊急支援のエキスパート
CAREは、アジア、アフリカ、中南米、中東など世界80ヵ国以上の途上国や紛争地域などに現地事務所を持ち、年間5,000万人以上に支援を行っている国際協力NGOです。現地事務所では、紛争や自然災害に備えて緊急マニュアルや支援物資を備蓄しており、緊急事態が生じた際には、グローバルネットワークとこれまでの緊急支援実績を活かして、瞬時に被災者への対応を行っています。
感染症に関しては、これまでに、エボラ出血熱や重症急性呼吸器症候群(SARS)、コレラへの対応を行ってきました。これらの経験を活かし、すでに世界各地で展開している水と衛生や保健に関する支援活動の強化・拡大等を行い、支援を速やかに実施していきます。
■「恩返しの精神」で生まれたケア・インターナショナル ジャパン
CAREは、第二次大戦後の1945年、荒廃したヨーロッパの復興支援を目的としてアメリカで設立されました。その後、敗戦国の日本にも支援物資が届き、約1,000万人もの日本人が、食糧や生活用品が詰まった緊急支援物資「CAREパッケージ(ケア物資)」を受け取りました。そして、1987年「国際社会へ恩返しを」という想いから設立されたケア・インターナショナル ジャパンは、これまで延べ70カ国以上へ支援を届けています。
コロナ以前から、紛争や暴力にさらされ、故郷を負われるという日本では到底考えられない多くの痛みを負ってきた難民たち。しかし、長年難民たちに寄り添ってきた私たちは、彼らの強さも知っています。
強く生きぬこうとする人々を、私たちは支えていきたい。
私たちが当たり前と感じている必要な権利や機会を、彼女たちも同様に得られるよう、手を差し伸べていきたい。
目に見えないウイルスの怖さを知り、人と人が容易に近づけない状況になった今、私たちに求められているのは、ソーシャルディスタンスだけではないと思います。この物理的な分断を乗り越え、「心の距離」を近づけて手を取り合い、この問題のために協力していくことではないでしょうか。
どうかこの機会に、難民という人々を知って、支援の手を差し伸べてください。
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