▼はじめに

「マダガスカル」は世界的なアニメ映画でも一躍有名になり、聞いたことがある方も多いかと思います。アフリカの南東にある島国で、日本では身近にあるアイスやチョコレート製品にマダガスカル産のバニラやカカオが使われていますね。ちょっと詳しい方は、大きなずんぐりむっくりとした形のバオバブ、周りの色や感情に合わせて色を変えることができるカメレオン、横っ飛びする忍者のような猿のシファカがいる国だとご存知かと思います。

このように不思議な生き物の宝庫として知られているマダガスカルですが、実は、収入・教育・保健の分野での発展度合いを示す人間開発指数は国連加盟189か国のうちの162位と世界最低水準です。今でも農村部に住み、電気やガス、水道のない暮らしを送る人が国民の7割以上を占め、日々の燃料や木材としての利用に森林資源は欠かせません。近年の人口増加によって需要もふくらみ、森林破壊の勢いは増すばかり。かつてあった森林の8割が消失したと言われ、多くの固有種が絶滅の危機にさらされています。

 こうした農村地域の住民に、「森林保全のために木を切ってはいけない」と言ったらどう反応すると思いますか?大半の人にとって、「持続可能でないとわかっていても、生活のために木を切るしかない」のが現実です。森林保全と生活・生計の向上は切っても切り離せない課題なのです。さらに、2020年の新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大によって、貧困層の人々がさらなる貧困に陥っています


 今回のプロジェクト対象地では、2017年から2年間、JICAの草の根技術協力事業が実施されました。この事業では、いつでも技術を教えてもらったり相談したりできる地域住民講師を多く育てることで、コミュニティとしての力を高める支援を行いました。日本に置き換えてみれば、今は都市部では希薄になってしまいましたが、「XXのことなら〇〇さんに聞け」的に身近に頼れる人がいるような地域コミュニティの力と言えるでしょうか。コミュニティの助けを得て、「住民の誰もが参加・実践できる」ことを目指すこの手法は、別のJICA事業で開発されて、その高い効果が実証されてきました。


 上述のJICA草の根事業では、コミュニティの力を基盤としつつ、国立チンバザザ動植物公園や現地NGOマダガスカル・アイアイ・ファンドの協力を得て、改良かまどと植林技術といった、アイアイが生息する自然保護区の森林伐採や野焼きを減らす持続可能な暮らしの技術が住民に普及するための支援を行いました。



 今回のプロジェクトでは、先行事業に携わった現地メンバーを中心として、普及する技術や研修内容のパワーアップをはかり、自立発展性を向上させます。また今回の支援呼びかけに先行して、有志のカンパ資金を使って、現地パートナーの協力のもとで、2020年12月上旬に現地ニーズの事前調査を実施しました。調査の結果は、今回のプロジェクト計画に反映しています。



 ▼解決したい社会課題

 先行事業では2年間の活動で築かれたコミュニティ基盤の下、改良かまどや植林技術の普及が進みました。住民講師らによって「かまど協会」が立ち上げられ、周辺地域の人たちへの販売を目指していましたが、講師ら自身も食べるのに苦労する状況になり、持続可能な生活技術の普及活動が停止しそうな状況に陥っています。そこで、私たちは皆さんにご協力いただく資金を使って、講師らが、技術を普及することによって彼らの生活も良くなる継続性を担保するしくみ作りを、改良かまどや植林などの持続的な暮らしの技術のさらなる普及やそれらの小規模ビジネス化を通じて実現します。

▼このプロジェクトで実現したいこと

プロジェクトの目的は、「地域の人々が、自然を守りつつ、豊かで持続的な暮らしを送れる」ことを目指した人材育成を支援することです。

Manatody基金日本人メンバーによる具体的な指示のもと、JICA事業などで同様の支援に携わった経験豊富なマダガスカル人専門家のフェラナ氏とニリラントゥ氏が、エリアマネージャーとして対象村でリーダーシップをとってきたミカ氏と連携し、支援活動を展開します。

対象地域は先行事業と同じ、マダガスカル北西部ソフィア地方アンジアマンギーラナ(Anjiamangirana)市の3つの農村:アンジアマンギーラナⅠアンジアマンギーラナⅢアンボディミクチャ(Ambodimikotra)です。

直接の対象者は住民講師22名、間接的な受益者は村落住民(約4000人)と周辺の同市住民(16,000人)です。

具体的な活動は、以下の3つです。
(1)自然を守る技術(植林・改良かまど)の補完研修の実施と地域ニーズに合った生活・生計向上の新研修テーマの特定・実施
(2)周辺地域の市場ニーズを踏まえた小規模ビジネス/家計研修を実施
(3)地域コミュニティ力強化のために、住民講師によるモニタリングやフォローアップの能力強化研修を実施

▼実施スケジュール

2021年2月1日より、集まった資金額に応じて順次、以下の活動を実施します。

①2021年1月 クラウドファンディングの開始

②2021年2月末 クラウドファンディングの終了

③2021年4月 現地活動開始(集まった支援金額に応じてミッションの回数と日数を調整します)

④2021年8月 リターンの送付

⑤2021年12月 現地活動終了、報告書などの作成

⑥2022年1月 Thank youムービーの送付

▼目標金額と資金の使い道について

日本人による調整業務はボランティアで行い、キャンプファイヤーへの手数料とリターンの郵送料だけを国内で使用します。現地活動費は事前調査の実績を元に算出しています。

現地人件費 約103,000円(5月~11月までの7か月間。ミッションに参加する現地協力者への謝金、住民講師による研修や受講者のその後のフォローアップなどに対する対価として支給します。)

現地活動費 約270,000円(現地での住民講師らへの技術研修等を行うミッション1回あたり45000円×最大で6回。集まった支援金に応じて回数や期間を調整します。)

現地消耗品費 約25,000円(研修に必要な材料費、印刷費など)

現地通信費 約16,000円(4名の現地協力者らが10か月間に使用する内国及び日本への報告の際にかかる通信費)

手数料 約86,000円(キャンプファイヤー手数料、送金手数料、リターンの郵送料)

▼リターン

①支援金額 3,000円
プロジェクト対象地域の子供たちや住民からの「Thank youムービー」をメールでお届け



②支援金額 5,000円
ポストカード(先着52枚) +「Thank youムービー」(ムービーは事業終了時にメールでお届け)


③支援金額 10,000円
ワオキツネザル刺繍ランチョンマット(先着10枚) or 花刺繍ポーチ(先着2個)+「Thank youムービー」(ムービーは事業終了時にメールでお届け)


④支援金額 20,000円 

ラフィアのザル(先着8個) or Tシャツ(先着2枚 XSサイズ & Sサイズ)+「Thank youムービー」(ムービーは事業終了時にメールでお届け)

⑤支援金額 30,000円
ワオキツネザル刺繍のテーブルクロス(先着3点、110cm四方以上)+「Thank youムービー」(ムービーは事業終了時にメールでお届け)


皆さんにご協力いただくお金で、現地では以下の事が出来ます。

3,000円で住民講師が20人の住民に対して植林技術講習を実施できます。
5,000円で住民が改良かまど40個を製作できます。
10,000円住民7人に対して小規模ビジネス/家計研修を実施し、その後のフォローアップを実施できます。

▼最後に

 日本ではガス、電気や水道のある暮らしが当たり前で、一人一人の生活をよくするための情報がすぐ手に入る環境にありますが、マダガスカルの農村部ではなかなかそうはいきません。家は一間、ベット1つに家族が体を寄せ合って暮らし、日々の暮らしでせいいっぱいなので食料やお金の蓄えが少なく、天候不良がおきるとすぐに食べるものに困窮してしまいます。政府の支援や保険の制度も末端の国民まで日本のようには行き届きません。さらに、最近は新型コロナウイルス感染拡大を経て、脆弱な人々がさらなる貧困に陥っている大変な状況です。日本ほどあらゆる面でのチャンスには恵まれていないかもしれませんが、暮らしをよくしたいと思い立ち上がった有志の住民とそれを支えてきた専門家をぜひ応援してください!必ず、今より持続的で良い暮らしを広めることができます。

▼「マナトゥディ基金」とは?

 

 私たち「マナトゥディ基金」は、マダガスカルをはじめとするアフリカ諸国での草の根活動やSDGsに関する活動を続けていくことをお手伝いする任意団体です。「マナトゥディ(Manatody)」とは、マダガスカル語で「卵を産む」という意味です。「なんとかしたい!」という気持ちを、具体的な形にしてこの世に産みだすお手伝いをしたいとの思いから、名付けられました。

 メンバーは、マダガスカルの青年海外協力隊OVと途上国での国際協力事業を第一線で担う専門家経験者の有志で、ほぼ全員がマダガスカルに長期で滞在した経験があります。メンバーそれぞれの豊富な経験と国内外のネットワークを活かして、これまでに自身が関わった事業のフォローアップや、途上国支援のためにアクションを起こしたい人を後押しする「中間支援」を担っていくことを目指して集まりました。

 きっかけとなった活動は、2020年5月に開始した「マダガスカルへのコロナウイルス対策緊急支援クラウドファンディング」でした。各人のネットワークを活かしたり、NPO法人エコロジーオンラインの協力を得たりして約110万円の支援金を集め、マダガスカル各地の合計23箇所の学校や地区の保健センターなどへマスク・手洗い用水タンク・石鹸を配布しました。


代表白石よりメッセージ:

 私は、国際開発コンサルタントとして、世界各国の途上国や新興国で仕事をさせてもらっています。その中でも、マダガスカルには2013年以降、JICAや他NGOの活動で特に長い期間にわたって関わってきました。家族でマダガスカルに住んだこともあり、現地には家族ぐるみの友人も多いです。
 マダガスカルをはじめ、色々と問題があることはわかった。でも、「コクサイキョウリョク」という言葉で表すと、何となく堅苦しくて、自分事とは思えず、敬遠してしまう。そんな経験はありませんか?いわゆる"業界"の人でなければ、皆さん同じ感覚を持つと思います。私の家族もそうです。
 マナトゥディ基金の重要な役割は、「ヒト・モノ・カネ・情報を繋ぐ」ことです。現地の状況を嚙み砕いて身近な「情報」として皆さんに伝え、日本とマダガスカルの「ヒト」を繋ぎ、応援してくれる方々からのお「カネ」を集めて、「モノ(やコト)」を現地に届けます。
 今回のプロジェクトを一言でいえば、「地域の自然環境保全に繋がるご近所さんとの関係強化小さなビジネスで生活を豊かにするお手伝い」です。実は日本で私たちが抱える課題と似ていませんか?違いはマダガスカルよりも日本の方が圧倒的に選択肢やチャンスが多いことです。マダガスカルの地域住民が、豊かな自然と共に生きる「選択肢」や「チャンス」を広げられるよう、どうかご協力をお願いします。

プロジェクトリーダー田中よりメッセージ:

 私は元青年海外協力隊でチンバザザ動植物公園へ派遣されていました。帰国後もマダガスカルへの技術支援に機会をとらえて関わってきましたが、これまでマダガスカル環境分野の動物寄りの活動が多く、長期的な自然保護に重要なことにも関わらず、野生動物たちが暮らす森の周辺で自然と隣り合わせの貧しい暮らしをする方々への支援には二の足を踏んできました。しかし、自分が親になってから、人の命も自然と等しく愛おしいものだと感じるようになり、ますます持続可能な人の暮らし無くして自然保護はできないと考えるようになりました。マダガスカルは遠い国かもしれませんが、日本と同じく毎日をせいいっぱい生きるお母さん、お父さん、そして子どもたちがいます。彼らの生活改善が自然保護にもつながる、人と自然の共存のためのこのプロジェクトに、ぜひご協力をよろしくお願いします。


団体名: マナトゥディ基金(任意団体)
設立: 2020年8月1日設立
代表者氏名: 白石 拓也
団体Facebookページ

■新型コロナウイルス対策緊急支援クラウドファンディング■
 活動まとめ記事
 毎日新聞記事

  • 2021/01/19 20:05

    ソフィア県アンツイ郡アンジアマンギーラナ市(人口約2万人)には18のFKTがありますが、そのうちの3ヶ所、AnjiamangiranaⅠ、Anjiamangirana Ⅲ、Ambodimikotraを支援サイトとしています。3ヶ所で人口約4千人ぐらいです。私達はこれらの地域で、「LIFEモデル...

  • 2021/01/15 20:03

    はじめまして!マナトゥディ基金メンバーの大渕です。元JICA海外協力隊としてマダガスカルの農村で活動していました。今回は私のマダガスカルでの経験と、今回のプロジェクトへの思いを共有させて下さい。・マダガスカルで何してた? 私が赴任したのは標高約1400mの地方の町にある、農業省の郡事務所。そこ...

  • 2021/01/14 17:57

    たくさんのご支援ありがとうございます。 開始から10日ほどで、32人の方のご支援を頂き、目標金額の50%に到達しました!残り半分です。団体メンバー一同 、ご支援いただきました皆様に感謝です!残り42日間、残り約23万円です。ご支援はより多い方がありがたいですし、リターンの追加も予定しています。...

このプロジェクトの問題報告やご取材はこちらよりお問い合わせください