はじめに・ご挨拶

はじめまして!株式会社牛かうVacaの馬上温香(まがみはるか)です。

1989年11月6日生 
千葉県いすみ市で乳牛を150頭飼育し、循環型酪農に取り組む高秀牧場の長女として誕生しました。現在は高秀牧場の敷地内で、牧場の新鮮でおいしいミルクを使用したチーズやジェラート、スイーツを作り、「高秀牧場ミルク工房」で販売とカフェ営業をしています。

牛乳・乳製品は身近な食卓に当たり前にあるものなのに、牛乳の生産現場に必ずいる牛、や酪農家のことは知られていないことばかり、、、

酪農を営む家族のもとで生まれ育ち、牛とともに生きてきた私にとって、生産現場と消費者の距離が寂しくてたまりませんでした。

乳牛が生涯をかけて教えてくれる、私たちが生きていくうえで考えないといけない大切なこと。

~食は命であり、日々命をいただいて生きていられること~

酪農を通して命の大切さにたくさん気づきました。

牛のこと、酪農のこと、たくさんの方に知ってほしいと思っています。

牛かうVaca?

2021年のはじめに、高秀牧場の加工販売・飲食部門の経営を切り離し、「株式会社牛かうVaca」を設立し、代表取締役に就任しました。ウシカウバッカ、と読むこの会社ですが、牛、かう=COW、Vaca=スペイン語で牛、と単純に三か国語で牛牛牛、とだだ漏れの溢れる牛愛を会社名に込めましたが、実はこの会社名にはあと2つの意味があります。

①「牛飼うばっか」

酪農家は牛に集中して、牛の健康に目を向け良質な牛乳生産に集中してほしいと思っています。乳製品加工をする上で、牛乳の品質は絶対で、美味しいミルクのためには酪農家の手が欠かせません。
牛のお世話以外の、製造、販売、その他諸々のことは私に任せなさい。酪農家は、牛飼うばっかりでいいよ。酪農家のかっこよさは私が代わりに伝えるからね、というメッセージ。

父、憲二 牛が生きがい

②「牛飼う馬鹿」

牛を飼う上で、牛に詳しくなるのは当たり前です。、、、が、高秀牧場の社長をはじめ、奥様、跡取り息子(私の両親と弟のことです、、!)の牛オタクっぷりといったらものすごいものがあります。

すっごい詳しいし、すっごい牛大好きな牛バカなんです。
そんな愛すべき牛バカの酪農家を私は心から尊敬していますよ、という意味。

弟で酪農後継者の大地 父とのマニアックな牛談義が止まりません


私自身は、牛が大好きだけど生まれつき牛アレルギーがあります。酪農家には、なれませんでした。

現場では役立たずな私が牛を伝える理由...それは、牛や、酪農家の魅力を伝えることが酪農家の娘として生まれた私の使命だと信じているからです。

株式会社牛かうVacaは「酪農の魅力伝道師」として牛が教えてくれる大切なことを広く伝えていきたいと思います。

酪農家になれなかったけど、大好きな牛達の近くで、ミルク工房に来てくれるたくさんのお客様へ牛の話をしたり、酪農体験で子供たちにあたたかな牛のおっぱいに触れてもらったり、出張授業で命の話をしたりと、今、とても幸せです。


牛を育てることへのこだわり

高秀牧場では「循環型酪農」に取り組んでいます。牛の排泄物から堆肥を作り、その堆肥を畑に戻して牛のエサとなる牧草やとうもろこしを育てて餌として牛に食べさせています。

高秀牧場の畑のほかに、地域の稲作農家さんと連携し田んぼで飼料イネや飼料米を栽培し、餌の自給率100%を目指しています。草類の他にも、国内の食品工場から出る醤油、ビール、みりんなどの絞り粕、地元の酒蔵さんから届く酒粕などを与えています。循環型酪農は、地域一体で取り組む資源を無駄にしない酪農です。

循環型酪農に取り組んだ結果、牛たちの健康が増進し、コクと甘みがありながらもすっきりとした味わいの美味しいミルクをだしてくれるようになりました。

牧場スタッフと、地域の農家さんと、牛たちが繋いでくれた命の恵みであるミルクを大切に加工し、チーズ、ジェラート、スイーツを製造しています。


チーズ作りへのこだわり

2012年、フランスでの修行経験もあるチーズ職人を迎え、ナチュラルチーズの製造を始めました。経験豊富で技術の高い職人さんのおかげでとても美味しいチーズができあがりました。

チーズ工房

チーズは職人たちが、日々コンディションの違うミルクを確かめながら、フレッシュから熟成までバラエティに富んだチーズを10種類以上手造りしています。

初代職人の後を引き継ぎ、現在は2名の職人が高秀牧場のチーズ製造を担っています。


小さな工房ではありますが、そのチーズの品質は確かなもので、これまで国内外のコンクールでも賞をいただいてきました。

2014年 Japan Cheese Award 金賞・外国人審査員賞 「まきばの太陽」

2015年 Mondial du fromage 最高金賞 「草原の青空」

ミルクの優しい風味を感じられるチーズは、遠方からはるばる買いに来られる方も多い自慢の逸品です。

お客様からは、「チーズの概念が変わった」「チーズは苦手だと思っていたけど優しい味わいで美味しく食べられた」との声をいただいています。

今のお店が作られた背景

観光牧場ではなく、牧場の敷地内の一角にある小さなチーズ工房に、お客様はチーズを求めて遠方からはるばるきてくれて大変ありがたいと思う反面、せっかく牧場に来てくれたのに牛に一瞥もくれることなく帰ってしまうお客様の姿に胸が痛んだのが、正直な気持ちでした。

牛がのんびりと歩いている姿を見ながらゆっくりとできるカフェがあれば、、、そんなカフェで牛や酪農家のことをもっと知ってもらいたいと考えたのが、ミルク工房設立を思い描いた最初のきっかけでした。

とはいえ私も、最初から「牛ってすごい!」なんて思っていたわけではありません。牛がいることも、牛のお産も、酪農の全ては幼少期から身近にあり、当たり前の日常でした。何年も一緒に過ごした牛がトラックに載せられてどこへ行くかなんて、考えたこともなかったし、目の前に出されたお肉をなんの疑問もなく食べ、嫌いなものは平気で残していました。牛乳は、家になければ牛舎のタンクに取りに行けばいつでも飲めました。

高校卒業後、親元を離れ1人カナダへ留学。初めての1人暮らしで、荷ほどきも終わり、一息つこうと冷蔵庫を開け、、「あ。牛乳って買わないとないんだ」とやっと気が付いたくらい、牛も牛乳も近くにあるのが当たり前でした。

そして、人生で初めてお金を出して買った牛乳が、美味しくない。。。

牧場には美味しい牛乳はもちろんのこと、堆肥を買ってくれた農家さんから一級品の野菜や果物がたくさん届き、食生活はかなり豊かなものでした。百姓貴族、とはまさにこのこと。

美味しい農産物には畜産農家から出る堆肥は欠かせないものだということも、地元を離れて初めて気が付きました。

帰国して実家のチーズの販売を手伝いながら、やっと酪農に目を向けるようになりました。

ずっとそこにあったはずなのに、見てこなかった酪農家の働く姿、牛を想う気持ちに心打たれました。

毎日を牧場で牛と過ごし、牛の健康に気を配り、愛情をかけて育てながら、牛乳をいただいていますが、牧場は命の現場です。

生まれたての子牛と母牛

乳牛は出産をしてミルクを出し、何度かの出産を経るとお肉として出荷されます。新しい命が生まれる一方、長年一緒に過ごした牛を最期と知りながら送り出さなければいけない。

酪農家の喜びや葛藤に想いを馳せたことはあるでしょうか。

生きている間はミルクを人間に与えてくれ、排泄物は堆肥として私たちが食べる野菜・果物・米作りに利用されている。命が終わってしまっても、今度はお肉となって誰かの命を繋ぎます。

牛という動物のすごさを感じたことはあるでしょうか。

酪農を身近にしていると、すべての食べ物は命であり、これをいただくことで私たちは生きていけるんだということを強く感じます。食べ物を無駄にすることは命を無駄にすること。無駄にしていい命など、何ひとつとしてないこと。

こんな大切なことを、牛が生涯をかけて日々教えてくれているような気さえします。

みんなが美味しい牛乳を飲めるのは、美味しい乳製品を食べられるのには,そんな背景があります。

牧場で生まれ育った私でさえ、こんなにも気が付くのに時間がかかってしまいました。ただでさえ、生産現場と消費者が遠く、お互いが見えない業界。私が架け橋になりたい、牛が教えてくれる大切なことを伝えたいというのが私の一番の想いです。

伝えるためには、まずはお客様に来てもらわねば!と思いました。


高秀牧場ミルク工房

既に牧場らしい壮大で美しい景色と可愛い牛はそろっています。美味しいチーズもあります。

もっとたくさんの人に来てもらうために考えたのは、作りたてのジェラートを提供することです。

老若男女問わず幅広い世代が好きなジェラートと、嗜好性は強いが品質の高いチーズを2本柱にしました。

2016年、アイスクリーム製造、飲食店営業許可を取得し「高秀牧場ミルク工房」をオープンしました。


高秀牧場ミルク工房

ご来店いただいたお客様が、美味しい乳製品を食べられるのはもちろんですが、私の一番の想いである「知ってほしい、伝えたい」を実現するために、店内を牛で埋め尽くしました。どこを見ても牛が目に入るようにしています。


テラス席は放牧場に隣接し、のんびりと過ごす牛たちの姿を眺めながら、ジェラートや牛乳を味わえるようにしました。

なによりもこだわった牛の展示は、手描きで想いを込めて。
実は時々リニューアルしています。ジェラート片手に展示を見ながら、へえ~、牛ってこうなんだ、
そうだね、いただきます、ちゃんと言わないとね。と言葉を交わすお客様の会話を聞くのが何よりの生きがいです。

ジェラートやピザを食べ終わり、手を合わせてごちそうさまでした、を言ってくれるお客様に、日々、「伝わっている」と強く実感しています。


ジェラート作りへのこだわり

ジェラートは季節に合わせたレシピが100種以上!地元の農産物を使うことで、地元の農業も元気にしたいと思っています。ジェラートを始めてからは地元のお客様もたくさん来てくれるようになり、地域の住民に「牧場」を受け入れてもらえるようになりました。酪農体験への参加者も増え、たくさんの人に牛のことを伝えられるきっかけとなっています。

地域の農家さんや加工場から、新しい農産物の販売方法としてジェラートを作れないか?と声をかけていただくこともあります。

これまでのコラボ商品は

・いすみ市の酒蔵「木戸泉」の酒粕ジェラート
・御宿町「大地農園」オリジナルいちごジェラート
・市原市「市原みつばち牧場」蜂蜜ソフトクリーム
・木更津市「THE COFFEE」オリジナルブレンドのエスプレッソジェラート

など、オリジナルで開発した商品もたくさんあります。

甘すぎず、ミルクのコクを生かしながらしっかりと素材の味がするジェラートです。
濃厚さは感じられますが、クドさがなく後味がすっと抜ける、いっぱい食べられるジェラートを作りました。


スイーツ作りへのこだわり

2019年、新たに菓子製造業を迎え、スイーツ作りがスタートしました。
専属パティシエを迎えケーキや焼き菓子などを製造しています。

コンセプトは、牛乳の美味しさと牛の可愛さが伝わるスイーツ。自社のチーズを使ったチーズケーキや、可愛い牛柄のロールケーキなどがとても人気です。

牛柄ロールケーキ

牛さんオーダーのオリジナルケーキも


プロジェクトで実現したいこと - 2号店を作りたい

牧場へ来てくれるお客様に対しては十分な魅力が伝えられていると思いますが、まだまだ高秀牧場のことを知らない人のほうが多いのが現実です。

今回、新しいプロジェクトに取り組もうとした理由は、高秀牧場の敷地から離れたところに支店(2号店)を出したいと考えたからです。 

人口が多い地域に出店することで、牧場が遠い存在になっている人に酪農のことを伝えたいです。

美味しいジェラートやチーズを売るだけではなく、皆様の食卓に当たり前のように存在する牛乳が誰がどのようにどんな想いで生産されているのか。

牛乳だけでなく、自分が食べているものへ意識を向けていただき、命の価値を感じてもらうような店づくりがしたいです。

新店舗は内装にこだわり、そこに牛はいないけれど、牧場の雰囲気をもちこんだような店舗づくりを行います。

ジェラートは搾りたてミルクや新鮮な農産物を使用して牧場内の製造所で製造し、美味しさそのままに持ってきて提供します。こだわりのジェラートは、ジェラートの品質を守る壺型ショーケースで保管、最適な温度でお客様にご提供します。

壺型ショーケースのイメージ

店舗の一部には、ディスプレイスペースを設けて、酪農家の日常や牛の可愛らしさ、普段口にする牛乳・乳製品がどのように食卓に並ぶのかを知っていただけるような展示をし、リアルな酪農の現場をお見せする予定です。

そして何よりも、2号店に足を運んでいただいたことをきっかけにして、牧場へ訪れてくれる人をもっと増やしたいと思っています。


資金の使い道・スケジュール

ご支援いただいた資金は、新店舗出店のための資金に充てさせていただきます。

壺型ショーケースを含む設備、初期の運転資金の一部に使用させていただきます。

よりよい店舗の雰囲気づくりに必ず役立てさせていただきます。


リターンのご紹介

子牛の名付け親権利

高秀牧場のこだわりチーズ詰め合わせ

高秀牧場の自家製ジェラート詰め合わせ

高秀牧場のてづくりスイーツ詰め合わせ

酪農家が行う命の授業

店舗の利用チケット

酪農体験へのご招待

などたくさんの商品をご用意しております。

高秀牧場の自慢の牛達が出してくれる美味しいミルクをいただき、大切につくりあげた商品をぜひ味わっていただきたいと思い、チーズ、ジェラート、スイーツをリターンとして選びました。私の特におススメを厳選しました。こちらは全国へ発送が可能です。

高秀牧場へお越しいただけそうな方へは、店舗でご使用いただけるチケットをご用意いたしました。
何度でも使用できるチケットもありますので、四季折々の牧場の景色や牛たちの様子を見に来ていただけると嬉しいです。

より、命を身近に感じていただくための企画として、牧場での酪農体験や、出張授業、牛の名前を付けてもらう、といった内容もございます。

気軽に牧場に遊びに来ていただくことが、生涯を通して大切な学びに繋がると思っています。


今、日本の飲用向け牛乳の自給率は100%!! 全体の食料自給率が38%と世界各国に食料を頼り切っている日本で、子供たちが学校給食で飲む牛乳は国産100%です。酪農家は日本人の食を支える誇り高いお仕事だと思っています。

現在、日本の酪農家個数は減少の一途をたどり、この20年で半数以下まで激減しています。

牧場や牛の魅力を知り、酪農家になりたい!という人が出現したら万々歳です。

ずっと日本の美味しい牛乳を安心して飲めるように、未来の酪農家を見つけることも、1つの目標です。

最後に - 命をつなぐということ

自分の命は誰かの命をいただくことでつながっている。牛がお肉になって誰かの命をつないでいるように、鶏も、豚も、魚も米や野菜や果物だって、私たちの命をつないでくれています。

それに気づくと、食卓を見る目が変わります。毎日の食事に、どれだけの命があることか。

酪農に携わっていなければ私も気がつかなかったことかもしれません。

「いただきます」「ごちそうさま」の意味をきちんと次の世代につなげていきたい。

以前に小学校や中学校で命の授業を行ったあとの子供たちの感想を紹介します。

「食べ物はみんな命なんだとわかった。食べ物の好き嫌いを減らして命を無駄にしないようにしたい」

「いろんな命のおかげで自分もお友達も生きている。自分の命も、まわりの人の命も大事にしたい」

実際に、酪農体験に参加した学校や、保護者の方々からは、「給食残渣が減った」「苦手な食べ物が少しでも食べれるようになった」「人に優しくすることをより意識するようになった」との声をいただいております。

「おいしいね」の後ろ側にある命のことや、命と向き合う生産者のこと、みんなが知れば命の価値が変わるはず。命を無駄にしてはいけないという意識が高まれば、フードロス問題や、いじめ、自殺率の高さの解消にもつながると信じています。1店舗の小さな力ですが、発信し続けることで変わる未来があります。


子供たちの未来が、今より生きやすい世の中になるために、

みなさまのお力添えをよろしくお願いいたします。


高秀牧場ミルク工房

千葉県いすみ市須賀谷1339‐1 
10:00~17:00   木曜定休


<All-in方式の場合>

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

  • 2021/12/11 14:44

    ご支援いただいた皆様、本当にありがとうございました。お礼のお品は順次発送を開始しております。牛と酪農家の素敵な写真が撮れたので、ポストカードをつけて発送します。チーズ・ジェラート・スイーツをご選択いただしました方々に関しましては、作りたてをお届けするべく毎日搾りたてのミルクで丁寧に製造しており...

  • 2021/11/12 08:54

    皆様からのたくさんのご支援のおかげで間もなくオープンを迎えることができます。リターンの発送も順次開始しております。保健所の検査、工事の検査などオープンに必要な検査はすべてクリアしました(あー、今日まで胃が痛かった!笑)11月18日のグランドオープンまでに、スタッフ達とオペレーションの最終確認を...

  • 2021/11/01 20:29

    初めてのクラウドファンディングへの挑戦が終わりました。最初は全然集まらないだろう、、と思ってましたが、終わってみれば目標金額の70%を達成し、総額200万円以上のご支援をいただきました。皆様からご支援いただいたお金は一円足りとも無駄にせず、「いただきます」「ごちそうさま」の大切さを広く伝え、次...

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