初めまして。尾道デニムプロジェクトのマネージャー和田と申します。
私たちは、広島県尾道市を舞台に、広島県東部に位置する備後地方で作られるデニムの魅力発信と、尾道の街の魅力発信を目的に2013年1月に「尾道デニムプロジェクト」をスタートしました。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、備後地方は世界でも有数の高品質デニムの産地です。そんな備後地方でつくられるデニムを、尾道で暮らし働く人々が1年間ワークパンツとして穿き込むことで、加工では表現できない本物の色落ちのユーズドデニムを創作する、という一見無謀とも思える取り組みを行っています。
いったいなぜこんなプロジェクトを始めたのかと言うと、一般的なブランドのように単純に利益の追求が目的ではなく、この活動によって地域の産業全体が活気づき、街全体が元気になることを目的としているからです。街のみんなと一緒になってプロジェクトに取り組むことで、一企業の小さな枠を抜け出して、地域に暮らすみんなのプロジェクトになるのです。
このプロジェクトには、大工や漁師、住職や左官、シェフや医師など本当に様々な職業の方が参加してくれています。そんなみんなの共通点は、「自分たちが暮らす街を元気にしたい」という想いと、「誇りを持って仕事に取り組んでいること」です。職業ならではの色落ちやダメージという目に見える個性と共に、目には見えない仕事への誇りや情熱が、尾道デニムには刻まれているのです。
世の中にデニムは星の数ほどあれど、1本1本にストーリーのある「語れるデニム」がどれだけあるでしょうか?
私もかれこれ20年以上デニムの仕事に携わらせていただいていますが、トレンドの変化と共にデニムもどんどんカタチを変え、機能素材の開発やユーズド風加工の技術も日々めまぐるしく進化しています。
それはとても素晴らしいことですが、私たち尾道デニムプロジェクトはもっとデニムの本質を追及したいと考えています。実際に穿き込むことで生まれる、一本一本全てが異なる自然な色落ちや、そこに刻まれるストーリー。そこに価値を見出したこのプロジェクトを通じて人と人、街と街が繋がるという新たなデニムの可能性にチャレンジしていきたい。そんな想いで日々デニムに触れ、尾道の街と向き合っています。
スタート当時は右も左も分からないままに街の方々と試行錯誤を繰り返し、このプロジェクトにチャレンジしてきました。
専門工場での洗いの為に毎週行うデニムの配布・回収を通してプロジェクト参加者とコミュニケーションを取りながら、デニムの経年変化をみんなで共有する。これを1年間怠らずに続けていくことが、クオリティの高いデニムを育てる上でも、より楽しいプロジェクトにしていく上でも、欠かすことのできない大切なプロセスになります。
参加者やスタッフ同士でも、時には本気でぶつかり合いながら全力で駆け抜けたこの4年半を振り返り、改めてそう感じています。
<CAMPFIREのプロジェクトで実行したいこと>
立ち上げからこれまでは、世界が認める日本のデニムブランドのデニムを使わせていただいてきました。そのブランドは多くのファンの方から支持されるブランドで、本当に素晴らしいデニムを作っています。
一方で私たちは、「ユーズドデニムを育てる」という世界初のプロジェクトを通して得た経験や、また、街のプロジェクト参加者の方々の声を元に、より多くの方にフィットする“丈夫”で“穿き心地がよく”“育てる楽しみを味わえる”デニムを自分たちの手で作りたい!と考えるようになりました。
これまでにもプロジェクト参加者さんのアイデアを活かしたワークパンツをオリジナルデニムとして開発・販売していますが、今回チャレンジするデニムは、プロジェクトの根幹となる「ユーズドデニムを育てるためのスタンダードな5ポケットデニム」となります。
胸を張って「これぞ尾道デニム!」と言えるクオリティを持ち、お仕事で穿いてくださる街の方々や、世界中のデニムファンの皆さまに喜んでいただけるデニムを作りたいと思います。そのために、備後産のオリジナルセルビッジデニム生地の開発から取り組み、デザイン・パターン・縫製と試行錯誤を繰り返しながら進めていきます。全くのゼロからのスタートとなるため、今回は皆さまに開発資金および本番生産資金のご支援を賜りたくCAMPFIREさんでこのプロジェクトを公開させていただくことになりました。
ご支援いただいた皆さまには、感謝のメールとささやかながらお礼の品をご用意させていただきます。お礼の品につきましては、備後産のデニムを使ったオリジナルデニムベア(一般発売前のブラックバンダナバージョン)や尾道デニムプロジェクトオリジナルロゴTシャツのCAMPFIRE限定カラー、CAMPFIRE限定シリアルNo.入りの完成したオリジナルデニム、更には尾道デニムプロジェクトならではの体験「デニム交換一日体験」をご用意しております。
最後になりますが、今回のオリジナルデニム開発を通じて備後のデニムや日本のものづくり、そして地域の魅力発信により一層尽力し、世界中の多くの方々にデニムの面白さ・楽しさをお伝えしていきたいと考えています。皆さまどうぞよろしくお願い致します。
コメント
もっと見る