昨年8月から10月に、鍵林は初めてのクラウドファンディングに挑戦しました。地域伝統の味は自分が途絶えさせてはいけない。しかしどうすればいいのか・・・。そう頭を悩ませていた時に、クラウドファンディングをやったらどうかとのご提案を頂きました。

鍵林はなんとしてでも守りたい一方で、クラウドファンディングには少し抵抗がありました。ネット上に自分の顔を載せたり、知らない人からお金を集めるなんてやりたくありませんでした。しかし、どうせもう長くないんだから、あとはやることやって死ぬだけだ。そう思うと、今までは乗り気じゃなかったクラウドファンディングもお店のためならやってやろうじゃないか!と決心することができました。今ではうちの商品を食べたことのない方にも是非食べて貰いたいという具合に、この挑戦をチャンスと捉えてプロジェクトを始めました。


「やるからにはきちんとやりきる!」が私のモットーです。「活動報告」にはお店の様子を毎日日記の形でしたためてきました。支援していただいた方には手書きのメッセージをお送りさせていただきました。喜んでいただけたら、私も幸せです。

そんなふうに取り組んでいたら、私の予想を遥かに超える皆様からのご支援をいただくことができました。約134%の達成率です。こうして数字として表せるものだけではなく、それ以上に多くのお声やお気持ちを皆様からいただき、力となりました。そしてなにより、全国の皆様に鍵林自慢の煎餅を届けることができました。本当にありがとうございます。そして、皆様のお声は、引き続きクラウドファンディングに挑戦する後押しとなりました。前回の良いところは引き継ぎ、改善も加えながら挑戦を続けます。もっと多くの方に当店の美味しい煎餅を食べてもらいたい。創業108年の老舗、クラウドファンディング第2章の幕開けです!


前回は多くの方に支援していただき本当にありがとうございます!
皆様の応援のおかげで目標を達成することができました!

茨城の老舗煎餅店「鍵林」

茨城県の南部に位置し、北西部にはかっぱで有名な牛久沼のある龍ケ崎市。そのほぼ中央に、大正3年創業の煎餅処「鍵林(かぎりん)」があります。この独特な店名は屋号「鍵屋林兵衛」からきています。

「どうもこの辺一帯は江戸時代に鍵を作っていたらしい。他にも鍵屋文兵衛もいる」と伝えられています。しかし、なぜかうちは煎餅屋。活き活きした心で作るお煎餅・おかきは活き活きした味になる。をモットーに現在まで商いを続けております。




鍵林製菓は大正3年の創業以来「新鮮で活き活きした美味しい味」を追求してきました。

手作りの味はお母さんの味。我が子に食べさせるつもりで添加物を極力控えたら、素材の味が生きるお煎餅になりました。安心安全を考える心はお母さんの心と同じ。そんな思いで煎餅を作り続け108年の時が経ちました。


3代目を務めた主人が亡くなってからは妻である私が後を継ぎ、現在鍵林は4代目になります。歴史が長く、龍ケ崎市の歴史の本にも紹介されて、由緒ある煎餅屋として認められております。

しかし、老舗ならではの苦労も多く、スナック菓子の普及やお米の不作など、困難な局面にもたびたび直面してきました。その度に知恵を絞って、切り餅や揚げ餅などの新商品を発売し続けて、なんとかここまで乗り越えてきたのです。私はこの店を守るために、まさに「命がけ」で働いてきました。しかし新型コロナウイルスの影響は鍵林にも及び、経営状況は非常に苦しくなって来ています。


長らくご愛好していただいているお客様からは「鍵林伝統の味は無くなって欲しくない」「鍵林はやめないでね」というお声をいただいています。また、今年で私は78歳になりますが、「鍵林を継ぎたい」と言う後継もいます。鍵林を愛して応援してくださる人がいる限り、鍵林は美味しいお煎餅を作り続けたいと願っています。


■ 私財を投げ打ってでも守り続けた伝統の味

実は、三代目を務めた主人には多額の借金がありました。そんな主人が他界して、教員の家庭で育てられてきた私がいきなり会社を任せられる事になったのです。経営のイロハも分からず無我夢中で「この味を守る」という思いで続けてまいりました。経営に不慣れなことから、従業員にお給料を支払う際やお客さんにお煎餅を売る際にも、「悪いんじゃないか」という意識があり、儲けがないままお煎餅を売っていたこともあります。しかしそれでもここまで続けてこられたのは、私財を投げ打ってでもこの店の味を守らなければならないという強い使命感があってのことだと感じています。


■地元の名店が時代と共になくなっていく寂しさ

100年以上この地で商売をやっておりますと、多くの閉店の現実を目の当たりにします。同じ商品でもその地域ごとに様々な文化や歴史があり、その土地ならではの商品がある一方で、時代とともに老舗の名店がなくなり、資金力のある大手の店舗が残るという現実もあります。

龍ケ崎でも「あそこの店は美味しかったね」という声を聞きます。多くの歴史ある老舗店がなくなっていくのはとても寂しいものです。伝統の味は一度なくなると二度と同じものは作れません。煎餅の醤油も、継ぎ足し継ぎ足しで作っているので、その釜を止めたり、醤油を捨ててしまっては、おしまいです。ここでお店をやめたら、世の中に一人でも「鍵林の煎餅が食べたい」という人がいても、その人は鍵林のお煎餅が食べられなくなる。そう思うと、主人が亡くなった時も店を閉めようと考えていましたが、美味しいと言って食べてくれる人がいる限り、自分の都合でこのお店をやめてはいけないと決意しました。


「この店を続けていて偉いね」と言われることもありますが、自分は嫌々やっているわけではなく、好きでやっています。自分はバカだなって思いながらも、故郷の味をなくしてはいけないのです。



■守り抜く。いつまでも美味しい、そして懐かしい鍵林のお煎餅。

100年の歴史のなかで多くの危機に直面してきました。

昭和49年スナック菓子などの新しいお菓子がが一躍ブームとなり、手作りの煎餅は下火になってしまいました。そこで煎餅から切り餅にも商品の裾野を広げると、平成5年頃に切り餅ブームが起こり、経営状況は無事回復します。

しかし多くの企業が切り餅を生産するようになると切り餅の値段は下がるばかりで、手作りにこだわる鍵林はまたしても経営困難な状況に。そこで次に手を出したのが揚げ餅です。これが大きなヒットを打ち出し、今では鍵林でも人気の商品になっています。


■看板商品「浮かれかっぱ」

煎餅は生き物です。気候の変化や湿気の有無で煎餅の扱いは全く変わります。全て手作業でほいろを回しながらお煎餅の質を均一にするのは大変なことですが、そうすることで初めて「いつも同じ商品」ができるのです。

これこそが鍵林の特殊技術であり、鍵林のお煎餅が美味しく仕上がる秘密です。鍵林のお煎餅は半年おいてもく美味しく、自分でも飽きずについつい食べてしまうほどです。

特に看板商品である「浮かれかっぱ」は卸し販売はせずに直営店と物産センター他数店でのみ販売しています。大手のスーパーさんからも引き合いがあるほどですが、数が多く作れない製品なので、一枚一枚こだわって作ります。たとえ一種類でもお客さんに愛してもらえる商品があれば、やっていける、という信念のもと、女将は自分の納得のいく煎餅を追求し続けています。

食べた方が笑顔になるそんな美味しいお煎餅


■小さな支援でも私たちの働く活力になる

これからも死ぬまでお煎餅を作り続けていきたい。それが私の願いです。しかし自分の思いだけでは突破できない現実に、いま直面しております。鍵林を気にかけて愛してくださるみなさまからのご支援は、すべて鍵林の力になります。みなさまからの応援を励みにこれから先も鍵林を残し、100年以上つづく伝統の味を次世代の子供たちへ届けたいと思います。


■プロジェクトで実現したいこと

クラウドファンディングで集まったお金は、さきほど触れた工場設備の修繕費に使用したいと考えています。より多くの方の手にとっていただける身近なお煎餅屋さんとして、お客様のニーズに合った個包装のお煎餅も作っていきたいです。

また、今回のクラウドファンディングを通してより多くの方に鍵林のお煎餅を知ってもらい、一人でも多くの人に鍵林伝統の味を味わっていただきたいと思います。工業製菓で溢れた今だからこそ、手間ひまかけた手作りのお煎餅を一度でいいので食べて頂きたいのです。今回は、通常直営店でのみ販売している「浮かれかっぱ」もリターン品としてご用意しております。それだけではありません。それぞれのリターンが、前回人気のものを残し、装い新たなものを加えにリニューアルされています!普段であればご購入頂けない遠方の方にも自慢の商品をお届けしたいと思います。

リターン品の到着は、本プロジェクト終了後にお送りさせていただきますので、順次お待ちくださいませ。



最後に

このような厳しい状況下ですが、

今回の鍵林の挑戦が、地域の老舗店の励みになることを願っています。



◎営業時間

土日祝日:午前10:00 ~午後5:00

平日:午前10:00 ~午後6:00

※年中無休

〒301-0000 茨城県龍ケ崎市3359番地

TEL:0297-62-5881  FAX:0297-62-6348




<All-in方式の場合>

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。


  • 2023/10/29 19:17

    中小企業は今受難の時代を迎えているのかな(◎_◎;)順風満帆の会社なんてあるのかしら?と思いたくなるほど、わが社も様々な要因で困窮が続いている(;´Д`)燃料、原材料費の高騰は勿論のこと、10月からは賃金の値上げ、それに伴う社会保険料の値上げなど、これでもか!と困難が続き、まるでモグラ叩きゲー...

  • 2023/10/22 18:46

    最近、見たい映画も少なくなってしまったし(アマゾンの見放題無料しか見ないし?)、金欠でカラオケもあまり行けないし(~_~;)秋の夜長を持て余すようになってきた。で、youtubeで興味本位に英王室の歴史などの投稿を見ていたら、これが実に面白い。齢80近くなってこんな面白いストーリーがあると知っ...

  • 2023/10/14 17:51

    撮影予定日の12日、13日は久しぶりに本当の秋晴れ(^^)/真っ青な空と涼しい風で、ちょっと幸運の女神が微笑んだみたい(^^♪ついでに鍵林の宣伝になるならと、強心臓で引き受けちゃった〇サイのコラーゲンのCM、桜の満開のとき3日間かけて撮影して、放映されるのは今か今かと待ち構えていたのに、一向に...

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