はじめに・ご挨拶

「アルビノ・ドーナツの会」代表の薮本舞と申します。
皆さんアルビノ(アルビニズム、先天性眼皮膚白皮症)をご存じでしょうか。アルビノとは、からだの色素が生まれつき不足している状態です。 頻度は17,000人にひとりと言われています。 色素(メラニン)は色素細胞(メラノサイト)の中にあります。 色素細胞は毛髪・体毛・皮膚・眼にたくさんあり、髪の色や肌の色に関わっています。代表の私自身、アルビノで生活をしています。


「見た目」の違いや、「見えづらさ」「アルビノ」のことへの無理解から、就職活動で難航した経験を経て、2007年2月にアルビノの人たちの当事者グループである「アルビノ・ドーナツの会」を設立しました。

「アルビノ・ドーナツの会」について

アルビノ・ドーナツの会はアルビノ当事者あるいは、その人と共に寄り添って暮らす人たちが情報交換を行い、アルビノに関しての情報を発信、そしてより多くの人に、「アルビノ」について広めていくことを主な活動としています。

アルビノ・ドーナツの会クリスマス会の様子

「支えあえる人の輪を作る」事を目標に、アルビノ当事者の人や、共に寄り添って暮らす人たちの交流会を主軸に、啓発活動として、学校や地域などに対して理解を深めるための講演活動、メディアの取材、啓発誌への寄稿、他の団体との合同イベントなども積極的に行っています。活動場所は大阪を拠点としていますが、関東・四国・山陰地域・東北・九州など広くネットワークがあります。関西に限定せず笑顔の輪を広げています。

アルビノの人たちの交流会の様子

アルビノ・ドーナツの会を立ち上げる以前、私は同じアルビノの人と出会ったことが殆どなく、お話しする機会もありませんでした。そういう状況で不安ばかりが募り、将来自分が楽しく生活しているイメージが全く想像できませんでした。2007年、アルビノ・ドーナツの会を立ち上げて活動したことにより、多くのアルビノ当事者の人、その人と寄り添って暮らす人たちと出会うことができました。その人たちと実際に交流したことにより、自分が想像していたよりも、日常生活を楽しく、もっと気楽に暮らしているということを知りました。現時点でも、これからの不安が全くないわけではありませんし、もちろん今後も色々と出てくるとは思いますが、『不安だけに塗りつぶされる日々を送らなくてもいいんだ』と知ることができたのは、私にとっては大きな経験となりました。

アルビノ甲子園の様子

このプロジェクトで実現したいこと

【今回の実現したいことの概要】
アルビノにはロービジョン(弱視)と呼ばれる症状があり、動物園の動物をはっきりと見て楽しむことができません。
しかし(株)QDレーザの『レティッサ』を使用すれば動物を自分の目で見ることができます。そこで『レティッサ』をレンタルし、動物園で動物たちを自分の目で楽しむ体験会を実施したいと考えてます。
【行き先】
アドベンチャーワールド
【実施内容】
当日は5組程度のアルビノのある当事者学生を含むご家族が参加し、『レティッサ』を使用した動物鑑賞会を実施予定
【日時】
12月17日 

もう少し詳しく解説していきます。
皆さんはお友達やご家族、恋人と動物園に行くときどのように動物園を楽しんでいらっしゃるでしょうか。多くの方は普段図鑑やテレビ画面でしか見ることができない動物を実際に目で見て、大きさや動き、特徴を確認し、その迫力や可愛らしさを楽しんでいると思います。
しかし、アルビノのある我々は色素が薄いといった外見的な特徴だけでなく、ロービジョン(弱視)と呼ばれる症状があり、例えば眼鏡やコンタクトといった視力矯正器具を使っても視力を出すことが難しい、実際には生まれてから肉眼で対象の細かな部分まで目で見ることが難しい、という特徴があります。動物園に行ってもぼんやりとした動物のシルエットを感じ、細かな部分を見て楽しむというよりも雰囲気を感じ楽しむといった楽しみ方をしています。

しかし、もしこの動物を今見ている見え方よりもより見やすく、細かな部分まで見ることができれば、今までにはない感動や新しい動物園の楽しみ方が体験できると感じています。今まで動物園で自分の目で動物を見て楽しむということは難しいと考えていましたが、株式会社QDレーザという視覚支援機器を開発している企業の『レティッサ(RETISSA)』という製品を使用すれば、我々アルビノのある当事者でも目で見て楽しみを拡大するという可能性があることを知りました。
「アルビノ・ドーナツの会」の学生とご家族を動物園に招待し、この「レティッサ」を使わせていただけたら、今まで見えづらかったものを見て楽しむという新しい価値に触れることができ、学生にとって可能性を広げる経験になると感じています。また『レティッサ』を使用すればロービジョン(弱視)のある当事者も、もっと動物園を楽しむことができるという新しい価値を発信することで、ロービジョン(弱視)のあるお客さんが動物を見て楽しむ未来を作っていけたらとても嬉しく感じます。 

プロジェクトをやろうと思った理由

同じアルビノのある女の子が『レティッサ』を使って水族館で魚を見て楽しんでいる動画があるので是非ご覧ください。


私はこの動画を見た時に、アルビノが原因でロービジョン(弱視)のある我々でも、『レティッサ』を利用すれば今までとは違った楽しみ方で可能性を広げることができるのではと感じました。
「アルビノ・ドーナツの会」には様々な年代のアルビノの当事者がいますが、特に学生は自分の見え方と周りの人の見え方のギャップやコミュニケーションの取りづらさなど、感じやすい時期でもあります。見えるということがすべてではありませんが、「見て楽しむ」という新しい価値に触れることによって、学生は新しい感覚を感じ、周りとのギャップやコミュニケーションの取りづらさなどについても新たな気づきが生まれ、より豊かな人生の可能性も感じてもらえるのではないかと期待しています。
また今までにはない視覚支援機器が出てきたことで、これから先動物園や美術館といった基本的には見て楽しむような娯楽施設でも、ロービジョン(弱視)者が『レティッサ』を使用し見て楽しめるような場所になっていってほしいという希望もあり、この取り組みを発信したいと感じています。

ロービジョンの可能性を広げる『レティッサ』の技術

「ロービジョンや強度近視なのにレティッサを使うと見える」という人がいるのは、「レーザ網膜投影」という技術の効果です。レンズで拡大して見やすくするのとは全く違う「レーザ網膜投影技術」の原理と安全性を簡単にご説明し、この技術を応用した製品をご紹介します。

<レーザ網膜投影技術の原理> 
ヒトの目は、眼球前方の水晶体の厚みを調節することでピントを合わせた映像を、眼球後方にある網膜に映しています。その映像は、視神経を通って脳に送られます。したがって、近視・遠視(老眼)・乱視・白内障などによって水晶体の調節作用が適切に働かない場合は、網膜にピントの合った映像を映すことができず、「視力が出ない」「見えづらい」ということになります。 そこで眼鏡やコンタクトレンズで視力を矯正しますが、それでも視力が0.3以上にならない場合を「ロービジョン」といいます。視力が0.2くらいだと、例えば教室で最前列の席に座っても黒板の文字は見えづらいです。そこで、単眼鏡や拡大読書器など、眼鏡やコンタクトレンズよりももっと倍率高く拡大できる視覚補助具を使うことになります。これらは見たいものを大きく拡大して(アップにして)見る機器なので、一度に見られる範囲は少なくなります。また、ピントが合っていない画像を拡大することになる、いわばピンボケの画像を引き延ばすことになるため、くっきりと見えるわけではありません。たとえば動物園に行って動物を見た場合、象やキリンを見分けることができて、シマウマの縞やキリンの模様を見ることは難しいというようなことが起こります。

レーザ網膜投影技術のイメージ微細なレーザを瞳から入れて、網膜にピントの合った映像を描くので、自分の眼でピントを合わせられない人もくっきりした映像を見られるという技術です。

これに対し、今回アルビノの学生に使っていただこうとしている、レティッサの「レーザ網膜投影」は、今までの視覚補助具とは全く異なる技術です。レティッサを使っている人自身の目がロービジョンや強度近視の場合でも、眼鏡、コンタクトレンズ、単眼鏡などを使わずに、ピントの合った映像が見られるという原理なのです。
映画のように壁に映像を映すことで知られているレーザプロジェクタを超小型にし、映像を走査するレーザ光を非常に弱く細くして、眼球前部の瞳から眼球後部の網膜に届けます。そして、レティッサに内蔵したカメラで撮った映像を、レーザプロジェクタの機能で網膜に描きます。ピントの合った映像を網膜に投影できるので、近視・遠視・乱視・白内障でも、またロービジョンの人もピントの合った映像が見られるということになります。
見え方には疾患の違いなどによる個人差があって、すべての方に効果があるわけではありませんが、アルビノによるロービジョンのある方に「レティッサを使うとよく見える」とおっしゃる方が多く、レティッサの「レーザ網膜投影技術」を使えば、これまで見えていなかった、動物たちの身体の特長や動きを発見し、楽しんでいただけることが期待できます。

<日独の医療機器の治験で立証された安全性>レティッサは、眼科の医師や眼鏡会社の協力を得て開発されました。日本とドイツでの治験では、当社の網膜投影装置の安全性が立証されました。また光源となるレーザの出力は国際基準及び、それに基づく経済産業省消費生活用製品安全法の規制を満たしています。

詳しくはこちらをご覧ください:安全性について

<RETISSAの製品①レティッサディスプレイ2+カメラ>

前述の動画「RETISSA 水族館に行ってみよう」で使われていた眼鏡です。装着すると、メガネフレームに内蔵したカメラの映像が、眼鏡のレンズ部分に取り付けられたレーザ網膜投影装置で網膜に投影されます。レーザ網膜投影装置のコントローラと電源は、専用ポシェットに入れて持ち歩けます。網膜に映し出されるのは、オートフォーカスのカメラで撮影された、フォーカスフリーのフルカラー映像です。3倍のズームで遠くのものもアップで見ることができ、明るさの調整も可能です。また、画像を白黒反転する機能は、特に文字を読むときに効果を発揮します。装着者の目や鼻の位置に合わせて、フッティングすることで安定した使用感が得られます。片眼で見ていただきますが、右でも左でも見やすい方の眼で見るようにセットできます。両手が自由になるので、作業しながらお使いいただくのにも最適です。

レティッサディスプレイ2+カメラ

<RETISSAの製品②レティッサオンハンド>

片手で持って使います。接眼レンズの反対側に内蔵したカメラの映像を、60度という広い視野角で網膜いっぱいに描き出します。重さは500グラムで持ちやすいアーム付き、プロジェクタ、レーザ、電池などはすべて内蔵されているので、外部の配線はありません。またフィッティングも必要ないため、手に取ってスイッチを入れればすぐに使えるという手軽さがあります。網膜に映し出されるのは、オートフォーカスのカメラで撮影されたフォーカスフリーのフルカラー映像です。7倍のズームで遠くのものも見やすくし、明るさの調整も可能です。また、画像を白黒反転する機能は、特に文字を読むときに効果を発揮します。映像の動きを一時停止して、じっくり見ることができる画像キャプチャという機能も付いています。
レティッサオンハンド


軽くてシンプルな持ちやすい形です。
文字を書く時にも便利です。

※ここでご紹介した①レティッサディスプレイ2+カメラと②レティッサオンハンドは医療機器ではありません。
特定の疾患の治療や補助・視覚補正を意図するものではありません。

実際にアルビノ当事者が『レティッサ』を使用している体験レポも是非ご覧ください。


支援金の使い道

ご支援いただきました支援金は、大切に下記の用途で利用させていただきます。
①株式会社QDレーザ様から『レティッサ』を貸与する費用
②参加費無料のイベントの主催費用
③動画作成費用
④オンラインセミナー費用
⑤リターンの書籍、グッズ購入、配送費用
⑥手数料

リターンについて

①プロジェクト報告動画(YouTube)を作成し、エンドクレジットに支援者のお名前を記載させていただきます。
②知ってほしい『見た目問題』についてセミナー(オンライン)への参加権。 ドーナツの会代表薮本がアルビノについて、人と人との違いについて普段学校などを回りお話ししているセミナーへご参加いただけます。
③アドベンチャーワールド様のグッズ(3種類ご用意あります)にアルビノから考える「見た目問題」ブックレット、お礼メールをお付けし郵送にてお届けします。
④アルビノについて知ってもらうための書籍にアルビノから考える「見た目問題」ブックレット、お礼メールをお付けし郵送にてお届けします。
・「この顔と生きるということ」 
・「アルビノの話をしよう」
・「私がアルビノについて調べ考えて書いた本」
⑤株式会社QDレーザ『レティッサディスプレイ初代』 本機(左右あり)にアルビノから考える「見た目問題」ブックレット、お礼メールをお付けし郵送にてお届けします。
⑥株式会社QDレーザ『レティッサディスプレイ2+カメラ』本機ににアルビノから考える「見た目問題」ブックレット、お礼メールをお付けし郵送にてお届けします。
⑦レーザ網膜投影実用化への道のりにアルビノから考える「見た目問題」ブックレット、お礼メールをお付けし郵送にてお届けします。 

実施スケジュール

11月上旬 クラウドファンディング開始
12月上旬 クラウドファンディング終了
12月17日 アドベンチャーワールド『レティッサ』を利用した動物鑑賞会開催
23年2月 動画公開
23年2月 オンラインセミナー開催
23年3月 リターン品の発送

アドベンチャーワールド様からの応援メッセージ

ドリームデイ・アット・ザ・ズー実⾏委員会副委員⻑ 嶋中有樹
⾃⾝の先天性左全⼿指⽋損当事者としての観点を活かし、より良いイベント・パーク創りを⽬指す。

私たちは、アドベンチャーワールドを舞台に、障害のある18歳以下のお⼦様とそのご家族を無料でご招待し、気兼ねなく楽しい1⽇を過ごしていただく「ドリームデイ・アット・ザ・ズー」を毎年開催し、2022年11月3日には全国から933組 4,031名のゲストにご来園いただきました。⼀⽣思い出に残るような1⽇を、⼀⼈でも多くの⽅に楽しんでいただきたい。すべての⼈が⼿を取り合い共に助け合って⽣きていける社会を実現したい。「ドリームデイ・アット・ザ・ズー」のようなイベントがなくとも、「⾃分の属性や特性を気にすることなく、思う存分楽しむことができる場所」を⽬指してパークの在り⽅を⽇々試⾏錯誤しています。
⼈によって楽しみ⽅は様々です。匂いを楽しむのが好きな⼈、⾳を楽しむのが好きな⼈、⼿触りを楽しむのが好きな⼈、そして⾒て楽しむのが好きな⼈。障がいのない⼈は、⾃分の好きな楽しみ⽅…それこそ多種多様な⽅法を制限なく選ぶことができます。
⼀⽅で障がいのある⼈は楽しみ⽅の選択肢が限られていたり、そもそも選ぶことができなかったり、特定の属性の⽅が「選ぶ」ということそれ⾃体が想定されていなかったり…。そんな選択肢の⾮対称性を「そういうものだ」と受け⼊れるしかないのでしょうか︖アルビノ・ドーナツの会様が取り組む今回のプロジェクトは選択肢の⾮対称性を可視化すると同時に、「⾒えにくいなりの楽しみ⽅」が当たり前とされていた⽅たちに、新たな可能性や選択肢を創り出す⼤きなきっかけになると私は確信しています。⾃分の属性や特性を気にすることなく、思う存分楽しむことができるパークを⽬指す上で、この取り組みにご協⼒できるというのは⼤きな意義があります。皆様にとっても、このプロジェクトが多様な属性や特性のある⽅たちについて考えを深めるきっかけになりますように。

ドリームデー・アット・ザ・ズー2021 開催の様子


最後に

皆さんのご支援により、実現したいことは、
①アルビノのある学生に『レティッサ』を使用し動物園の動物を目で見て楽しんでもらい、新しい可能性を感じてほしい!
②アルビノについて考える機会となり、アルビノは特別な存在ではないことに気づいてもらいたい!
動物園のような目で楽しむような場所でも、もっと『レティッサ』を使えるようになってほしい!
以上の3点です。
私のプロジェクトがきっかけでアルビノについて少しでも多くの方に知っていただき、またアルビノだけでなくロービジョン(弱視)の当事者にとって楽しい未来が実現できたらとても嬉しく感じます。


<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

  • 2023/02/03 17:56

    ご支援いただきました皆様へイベント実施後久しぶりの活動報告となってしまいました!ご支援いただきました皆様へのリターン品の発送準備が整ってきております。アドベンチャーワールド様のパンダのぬいぐるみやポストカード、アルビノや見た目問題について書かれた書籍、QDレーザ様のレーザ網膜投影実用化の道のり...

  • 2022/12/22 18:52

    ご支援いただきました皆様こんにちは、アルビノ・ドーナツの会の藪本です。ご報告が遅くなりましたが、皆様からいただきましたご支援により、12月17日アドベンチャーワールドにて「アルビノの学生に自分の目で動物園を楽しんでほしい!」イベントを開催できました!!!イベントにはアルビノの小学1年生男の子1...

  • 2022/12/09 17:46

    ご支援いただきました皆さまへアルビノ・ドーナツの会の藪本舞です。クラウドファンディングの支援が昨夜締め切りとなり、無事にクラウドファンディングを終えることができました。122名の皆様からご支援いただき、1,656,000円という多額のご支援をいただけましたこと、心より感謝いたします。私自身、ク...

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