【はじめに・ご挨拶】

数あるクラウドファンディングプロジェクトの中から、当プロジェクトのページをご覧いただき、ありがとうございます。

私は東京在住の大竹智子と申します。飲食の世界に30年近く携わり、現在は日本酒をメインに飲料テイスティングの専門技術を軸として(個人事業主)仕事や活動を行っております。

また、青少年教育の分野にも携わっております。今後「自分の五感で味わう」ことの大切さを子どもたちとも共有し、日本の飲食・農業の発展に繋げていきたいという思いを抱きながら、新たな道を模索している最中でもあります。


今回のプロジェクトでは、テイスティング” の楽しさを広く知っていただくための、日本酒のテイスティングイベントや講座の継続的な開催に向けて資金を集めることを目標としております。

今回のリターンのイベント・講座は東京および関西にて開催いたします。少しでもご興味がございましたら、

ぜひとも!!

以下、熱く、暑苦しく(!?)語りますので、ご一読いただけますと幸いに存じます。


【そもそも “テイスティング” って何?】

“テイスティング” とは、一言で端的に言うと

「人間の官能によって、飲食物の外観・香り・味わいを客観的に評価すること」

です。

ときに、「味や香りは、機械で分析したほうが早くて正確なんじゃないの?」という声が一般消費者の方々から聞こえることもありますが、残念ながら、この発想は的を射ていません。

なぜなら、実際に味や香りを捉えるのは生身の人間であり、その「人間の感覚」で「感じる」ものこそが「味や香りの “生きた存在”」であるからです。ここには、無機的に分析して算出した数値では計り知れない香味の機微や、数値とは合致することのない生物ならではの独特な感覚というものが存在します。ここでは、データはあくまでも一定の裏付けや参考です。

これこそまさに、数値とは異なり解明しきれない生命の神秘と言っても過言ではないと私は考えています。加えて、人間が飲料を含む「食」という生命の根幹を成すものに、古来こだわりを持って生きていること。生き物として高度に進化したことの何よりの証でもあると同時に、自然の摂理でもあるのでしょう。


さらに、同じ人間でも一人ひとり顔が異なるように、鼻や口、そしてその感覚である嗅覚と味覚にも個性やクセがあり、皆が「全く同じ」ということはありません。

しかも、人間の味覚は「経験を積むことによって成長」します。たとえば、子どもの頃に「コーヒー牛乳」から始まったものが、やがて「ミルクと砂糖入りのコーヒー」になり、気が付けば「ブラックのコーヒー」にたどり着いていた、という変化。ほかにも、「20歳で初めて飲んだビールは美味しいと思えなかったけど、いつの間にか、食事の前の1杯が楽しみになった」という変化。――すなわち、以前には感じられなかった食材や味の要素が持つ魅力を発見できるようになる、ということ。このような経験をお持ちの方々は少なからずいらっしゃると思います。


もちろん、「通好み」と呼ばれるものが絶対の存在なのではなく、人それぞれ大切にしている嗜好があり、それは千差万別です。

しかしながら、誰の好みとも関係なく「確かに高品質」と客観的に評価されるべき飲料、食材、料理というものはこの世に存在します。そして、それを評価するのがプロのテイスターの仕事であり、消費者側にも生産者側にも大きな役割を持ち得るのです。

ですから、テイスティングという官能評価は「人間の 人間による 人間のための技術」であり、いかなるコンピューターを駆使しても取って代わることはできないと言えます。というよりむしろ、テイスティングは「究極のアナログ技術」であり、この先 AI 全盛の時代が到来しても人間が人間らしく生きるための「最後の砦」になるとも私は考えています。


また、プロとして仕事にするわけではなくとも、テイスティングの基本を身につけておくだけで、日々の生活のなかで心が潤い、時には人生に彩りが添えられることもあります。

というのは、衣食住の中でも「最も重要」と断言して異論はないであろう「食」に対する五感を磨くことで、感性が豊かになるからです。自分を囲むさまざまなものの魅力に気付き、「満たされる」瞬間を多く味わえる……それは、とても素敵なことだと思います。


【フルコメントを作る能力があるということ】

実務におけるテイスティングや趣味として深く楽しむためのテイスティングは、TPOや「何のためのテイスティングなのか」という目的によって、「チャンネルを変えながら」行うことが多いと言えます。

たとえば、「日本酒初心者の方におすすめの1本を選ぶ」という目的でテイスティングする場合には、「口当たりのやわらかさ」や「香味のバランスの良さ」を重視してテイスティングする、というように、特定のところに焦点を当てる必要が実務ではしばしば出てくるということです。

とはいえ、多様なニーズ――「芳醇なソースの西洋料理に合わせる」「40代、50代の方々が多い会合での提供」「塩味のしっかりしたつまみに合わせる」などなど――に臨機応変に対応するテイスティング力を高めるための唯一絶対のトレーニングは、

「質の高い “フルコメント” を書く能力を高める」

こと。これに尽きると言えます。

“フルコメント” とはフルバージョンのコメント、すなわち「外観・香り・味わいについて抜かりなく言葉で表現する」ことです。ただ、その定義だけでは分かりづらいので、より具体的に体感を伴って理解していただくために私は、

「顔が見えない電話の向こうの相手が、自分の “コメント” を聞いただけで、その飲食物の外観から香味までを感覚で “再現できる” ように伝えられる」ことが「フルコメントを作れる」ということ

であると説明しています。


テイスティングコメントの生命線は「客観性と再現性」です。常に客観的で、再現性の高いコメントを作れるようになるには、一つひとつの飲み物とじっくり、とことん向き合って、フルコメントを書き上げるという練習・経験を積む必要があります。

フルコメントを作る能力があれば、その能力を部分的に使ってアレンジすることはいくらでも可能です。もちろん、「特定の要素のみに焦点を当てて、大量のサンプルを短時間に試飲して結論を導き出す」という作業にも対応できます。

けれども、その逆はありません。限られた視野だけでどんなに数多くの飲み物を試飲しても、フルコメントを作れるようにはなれないのです。ゆえに、とりわけプロには「フルコメントを作る能力」が大切なのです。


【テイスティング力を高めるトレーニングとは】

まず前提として、

「経験ゼロの状態からテイスティング力の向上を目指して適切なトレーニングを何度か行った場合、

自身のビフォーアフターで相対比較をすると、テイスティング力が上昇している確率は、ほぼ100%」

です。これは、老若男女を問わず、プロアマ問わず言えることです。今までに私がさまざまな方々にお教えしてきた経験などから、自信を持って申し上げることができます。

よって、やり方を間違えさえしなければ、どなたもテイスティングを楽しむことができるのです。

では、「適切なトレーニング」とはどのようなことか? 

その問いに対する答えは、

「飲食物の外観・香り・味わいのどこに着目し、どのような言葉を使って表現するのかを覚え、使いこなせるよう練習すること」

です。

テイスティングは専門的かつ「究極のアナログ」技術ですので、基本をマスターするにあたっては、プロや指導力のある経験者と一緒にリアルで、ライブで練習を重ねるのがベストです。


そして、嗅覚や味覚そのものをより高めるためのトレーニングとしては「香材トレーニング」や「水溶液トレーニング」などがあります。

香りのキット

ここでは、「香材トレーニング」を簡単にご紹介します。

「香材トレーニング」は、「現物」または「調合された液体(香りのキット)」を用いて行います。香りの「持ち主」が何なのか分からない状態で嗅覚だけを頼りに香りを嗅ぎ、その香りの特徴をシートに書き出したり、香りの「持ち主」を当てたりします。

その際、ただ単に「これはレモン!」と当てるのではなく、「柑橘類を思わせる清涼感がある」「柑橘類のなかでも、シャープで刺激的」「若くてフレッシュ、みずみずしい」などと香りの特徴を捉え、裏付けから答えを導いていきます。このような練習の繰り返しによって、自分の中に「ロジック」が確立されていくのです。すると、自身のコンディションの好不調の波に左右されることなく、いつでもどこでも安定したテイスティング力が発揮でき、根拠のあるテイスティングコメントが作れるようになっていきます。


【いざ、実践!

何事も、「やる気がでるのは、実際にやり始めてから」と言われます。

テイスティングもご多分に漏れず、です。実際に身体の感覚をフル稼働させてみると、思わぬ発見があり、楽しくなっていきます。「面白さの淵」にハマることもあるかもしれません。

いざ、扉を開いてみませんか?



★〔当プロジェクトオーナー〕

 大竹 智子 Tomoko OHTAKE

1973年11月、東京都生まれ。


☆飲食業界おける略歴

大学2年生の冬から始めた本格的な調理のバイトで、飲食のプロの世界に興味を持つ。就職はホテルのレストラン、24歳まではイタリアンの料理人として働く。その後、サービスパーソンへとポジションを変えて経験を積み、専門スクールでアルコール飲料について学ぶ。

30代からは専門学校などの講師も務め、フリーランスで専門的な業務にも携わる。

かくして飲食の世界を極めようと、20歳の時から数えて今年で30年目。現在は、飲料のテイスターとして職人的な仕事も行っている(ワイン、コーヒー等の国際資格保有)。


☆日本酒関連の資格・タイトル取得歴

2002年 唎酒師資格取得(SSI認定)

2005年 酒匠資格取得(SSI認定)

2009年 SSI研究室専属テイスターに選出


☆海外での実績

2009年、ヨーロッパの特定都市において、現地で初めての酒販店における試飲販売を成功させる。「単なるブームではない」飲食文化交流の架け橋になるよう努める。


☆国内各種メディア登場歴あり

2005年〜2012年、断続的に各種メディアの取材を受けるなどして、独自の切り口で発信。フードペアリングの多様化に先駆けての「お酒とスイーツの会」や、日本酒の個性を的確に捉えるためのテイスティングにおける心構えなどが記事として掲載される。


☆二刀流での新たな境地

2013年、メディア等の表舞台での活動に一区切りをつけ、’00年代より携わっていた講師・指導者としての仕事に、より力を入れ始める。教育分野の仕事は「修業」でもあったが、2022年より「二刀流」による新たな立ち位置で世界を切り拓くことを目指し、邁進中。


【資金の使い道(支援総額が目標金額の25,000円の場合)】

イベント・講座実施の経費……約14,000円

当プロジェクト以降の事業資金……約6,750円

CAMPFIRE手数料……4,250円

※実際の収支については、後日「活動報告」にて公開いたします。


【リターンのご紹介】

★関西での日本酒テイスティングイベント

【ご支援金額 4,800円】

来る4月22日(土) 19:00〜20:30で京都市内にて開催いたします。20歳以上の方限定、5名までの受付とさせていただきます。

4種類の日本酒のブラインドテイスティングとその種明かし」を行います。“テイスティング” が全く初めての方、趣味としての楽しみの幅を広げたい方、飲料の香味の表現力を高めたいプロの方……どなたにもご参加いただけます。
「フルーツの●●のような香り」「スパイスの■■のような香り」といった表現は、どのような時にどうやって使うのか? 実際に皆様とテイスティングしながら、その疑問をひもといていきます。


★東京での日本酒テイスティングイベント

【ご支援金額 早割4,800円/通常5,000円】

東京都内にて、2023年5月28日(日) 14:00〜15:30で開催いたします。20歳以上の方限定、6名までの受付とさせていただきます(うち早割枠3名)。

イベントの内容は、上記の「関西での日本酒テイスティングイベント」と同様です。(使用する日本酒は異なる可能性があります。)


★「唎酒師を目指す! 実力養成講座」 前半3回分

【ご支援金額 19,500円】

東京都内にて、2023年6月4日(日)・7月2日(日)・8月27日(日)の計3日で開講いたします(時間は全日14:00〜16:00)。

プロとして資格試験を目指す方はもちろん、趣味として深く学びたい方もご受講いただけます。 20歳以上の方限定、5名までの受付とさせていただきます。

SSI(Sake Service Institute)認定の “唎酒師” 資格試験挑戦を視野に入れて、座学とテイスティングを行う日本酒の実力養成講座です。(私が主宰する「実力養成講座」は「全6回」の構成ですが、今回のクラウドファンディングのリターンでは「前半3回分」を実施します。「後半3回分」につきましては、次回のクラウドファンディングなどでの実施を計画しております。)

今回のクラウドファンディングでは特別受講料にて開講いたします。
〈通常受講料 21,000円 → 1,500円引き〉


【実施スケジュール】

2023年4月21日まで プロジェクト掲載・ご支援受付

4月下旬〜8月 リターンの講座実施


【最後に】

最後までお付き合いくださり、ありがとうございます。

日本の「食」と「農」をより良くする力にもなり得る “テイスティング” に少しでもご興味を持っていただけましたら、嬉しく思います。

今後も発信を続けてまいりますので、「やってみたい!」と思われた時には、ぜひイベント・講座にお越しくださいませ。

お待ちしております!!


<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

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