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「改姓しんどい」「事実婚は不安」ーー会社員たちがSNSでつながって始まった活動

世界の中で唯一、日本は「どちらかが名字を変えなければ結婚できない」法律(民法750条)があります。

自分の名字を変えたくない。氏名を変える意味がわからない。でも法律に従って仕方がなく改姓し、国が進める旧姓使用をしようとしてもトラブルと不利益の連続だった。事実婚では大事な場面で配偶者とみなされず、相続もできないーー。

「#自分の名前で生きる自由 、だれにでも平等にあるべきでは?」

SNSで集まった会社員などを中心に、2018年に立ち上げたのが「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」でした。2023年に法人化し、「一般社団法人あすには」に生まれ変わってからも、日本全国の約800人のメンバーと、国会・地方議会・司法に法改正を望む当事者の声を届け続けています。

▲2024年5月26日、香川県内すべての議会で選択的夫婦別姓推進の意見書が可決したことを記念し、各議会の議長や国会議員、市民とともに開いたイベントで(地元の報道)撮影:西川博喜

私たちの働きかけによって経済界も動き出しました。法改正はもうあと一歩のところまで来ています。どうか2025年内に選択的夫婦別姓の法制化を目指すため、国際世論へも働きかけを始めた私たちの活動を支援してください!


世界でただ一カ国、結婚改姓を義務付けている国・日本

改めて…結婚する時に、名字を変えることを義務付けている国は世界で日本だけだと知っていましたか?

2020年11月6日の国会で、上川陽子法務大臣(当時)は、「法務省が把握している限り、現在、婚姻後に夫婦のいずれかの氏を選択しなければならない夫婦の同氏制を採用している国は、我が国以外には承知しておりません」と明言しました。

▲答弁する上川陽子法務大臣(2020年11月6日参議院予算委員会 画像出典:国会中継

そう、結婚改姓の義務なんて他の国にはないのです。日本人と外国人の国際結婚も「お互い改姓しない」別姓が基本です。

加えて、東アジア各国、イスラム語圏、スペイン語圏、ベルギーやフランス、カナダのケベック州など、結婚しても基本的にだれも改姓しない(夫婦別姓)の国・地域はたくさんあります。


「夫婦同姓を義務づけるのは女性差別」が国際的な常識。だから日本以外、あらゆる国は法改正した。

では、名字の同姓しばりは、いつできたのでしょう。日本も東アジアの国なので、結婚しても名字を変える文化風習はありませんでした。1898年(明治31年)、西欧化のために、当時キリスト教国で一般的だった夫婦同姓を導入したと言われています。

夫婦同姓と同時に日本政府が導入したのが、「家制度」という差別法。NHKの朝ドラ「虎に翼」で描かれているように、家制度によって女性は法的に無能力者となりました。財産を持つ権利も、親権もなし。もちろん参政権はありません。女性が働くことも、夫や夫の父など「家長」の許可制。

1947年にこの家制度が廃止され、家庭内の平等を定めた憲法24条ができて以降も、夫婦同姓の強制が継続されてしまったことから、女性は「家」を統率する夫に従い、家事育児介護を家の中で担うのだから、夫の名字を名乗ればいい、という「家父長制観念」が社会に根づいてしまいました。

他の国々も似たりよったりで女性を法的無能力者とする差別法がありました。しかし女性参政権の実現や、社会進出に伴って、国連女性差別撤廃委員会を中心に、「女性にも男性同様、自分の氏名を変えない権利がある」と、夫婦同姓を義務付けていた国々に改善勧告を出したのです。

それに応じて夫婦同姓だった国は次々と、お互い改姓しない夫婦別姓も選べる選択制を導入。残すは日本だけとなりました。

望まない改姓による生きづらさ、不本意な事実婚による不安を解決したい!

結婚したい、でもお互い生まれ持った氏名を大事にしたい。そんなカップルに今の法律が用意しているのは、次の3択です。

1.どちらかが望まない改姓をして法律婚。旧姓利用では6割が不便・不快を感じる

2.婚姻届を出せず、事実婚でいざという時の不安を抱えながら生活する。

3.一生を共にしたいと願った人との婚約が破談になる。

95%は女性側が改姓しているという現実

家制度が導入された120年前と違い、今は女性も自分の氏名で仕事をし、信用・実績・試算を積む時代です。にもかかわらず家父長制観念が未だに強く、女性側が改姓するケースがほとんどです。多くの女性が名義変更に走り回り、「自分が自分でなくなるような違和感・苦痛」を感じています(参考:2020年第5次男女共同参画基本計画で集まったパブリックコメント)。

これを解決するには、現行法の「妻の名字で結婚する」「夫の名字で結婚する」の2択に加え、「どちらも改姓しない」の3択にした「選択的夫婦別姓」を導入すればいいだけ。

すでに国民の83.9%は、「改姓する・しない」を自己決定できるこの「選択制」に賛成です(出典:2023年「家族と性と多様性にかんする全国アンケート」)。

若者の4割が求める選択肢。でも政治が動かない。

2023年、BIGLOBE「若年層の意識調査」では、「選択的夫婦別姓が制度化されたら結婚したい/夫婦別姓に変更したい」と考える人は、18〜24歳のZ世代で39.7、25〜29歳が最多で41.6%まで高まっています。

しかし、与党・自民党のごく一部の議員が強硬に反対し、国会に法案すら出せないでいるのが現状です。

2024年6月19日NHK:「選択的夫婦別姓」に慎重な自民議員連盟 旧姓通称使用 拡充を

2021年6月11日NHK:選択的夫婦別姓 戸籍に旧姓記載で法改正を 自民議連


動き出した経済界。「日本人の通称使用は海外で理解されずトラブルに」

この状況を変えたいと思っているのは、当事者だけではありません。私たちは2021年から「選択的夫婦別姓の早期実現を求めるビジネスリーダー有志の会」事務局を務め、選択的夫婦別姓への賛同署名を集めてきました。2023年3月8日国際女性デーに、経団連、新経連、経済同友会などのトップも名を連ねてくださった企業経営層1,046名もの署名を日本政府、首相、関係大臣に対して提出。さらには、各経済団体の代表団も同行して、要望を届けてくださいました。

強制的夫婦同姓は、日本人女性が法的無能力者で、自分名義の財産すら持てなかった時代に導入された法律です。

120年以上経ち、いまや共働き率7割以上。自分の氏名で信用・実績・資産を築き、企業経営層としても働くようになった女性たちが改姓を強いられ、生きづらさ、働きづらさを抱えることは、「社会の発展、経済の拡大にとって損失」「旧姓使用は国際的なビジネスにおいてリスク要因でしかない」と、名だたるビジネスリーダーたちが、国に法改正を求めてくださったのです。

当日レポート:経済界から政府へ。選択的夫婦別姓法制化を要望する手交・院内集会を開催しました|2024年国際女性デー

しかし、それでもまだ、岸田総理は「国民の間で意見が分かれている」と、導入に後ろ向きな国会答弁を続けました(出典:2024年3月25日参議院予算委員会)。

2024年3月25日参議院予算委員会で答弁する岸田文雄首相

これに対し、経団連は2024年6月10日、正式に政府に対して、正式に「一刻も早く」経団連が選択的夫婦別姓求める提言書を公表提言資料によれば、女性役員の88%が旧姓の通称使用の限界について実感しており、具体的なトラブルも列挙されています(関連報道)。

しかし岸田首相はその7日後も再び、「家族の一体感や子どもの利益にも関わる問題」と述べて進めない意向を示したため、「すでに存在する夫婦別姓の家族や国に失礼だ」と大きな批判を浴びることとなりました。

その後も、経団連・魚谷雅彦ダイバーシティ推進委員長(資生堂会長)が記者会見を開き「日本企業の事業展開がますますグローバルになる中、女性を含む多様な人材が一層活躍することが予測される」「選択的夫婦別紙は先送りのできない最重要課題だ」と発信し、自民党にも提言を持参して、法制化に向けて政界への働きかけを強めてくださっています。

2024年6月20日毎日新聞:経団連・魚谷氏、選択的夫婦別姓「先送りできない最重要課題」

2024年6月22日ANN:経団連 選択的夫婦別姓の提言を自民推進派に手交


2024年秋、国連からの8年ぶり4度目の改善勧告で、日本がジェンダー平等に進むのを後押ししよう!

2024年6月12日、世界経済フォーラムが、男女平等の実現度合いを示す「ジェンダーギャップ指数」を発表しました。日本は146か国中118位。この順位は依然、G7で最下位です。どうすれば日本もグローバルスタンダードに追いつけるのか。

実は2024年は勝負イヤーなのです!!

8年ぶりにジュネーブの国連本部で、「女性差別撤廃条約」に基づく日本審査が行われます。この審査に合わせ、あすにはでは国連など国際機関勤務や国際人権の研究者など、15名いるグローバルチームメンバーのうち、6名をジュネーブに派遣します。国際業務という女性活躍の最前線で働く中、それぞれが感じた不利益を、「次世代に受け継がない。ここで、自分たちの手で終わらせる!と立ち上がった精鋭です。

委員に直接働きかけ、日本政府に対して「速やかな法改正を」という4度目の改善勧告を要請するとともに、国際世論を盛り上げる記者会見を現地で実施したいと考えています。

市川房枝さん、赤松良子さんが日本の女性に遺してくれた条約。今こそ「外圧」を効果的に使おう!

日本政府が1985年、国連女性差別撤廃条約(CEDAW)を批准(調印)できたのは、2人のレジェンドのおかげでした。女性参政権の生みの親といわれる市川房枝さん、そしてこの条約を糧に男女雇用機会均等法を実現させた赤松良子さんです。

市川房枝さんらは半世紀前の1974年、「生まれながらの姓を、なぜ結婚で変えなければならないのか」「女のみが家制度の亡霊に悩まされている」とした趣意書で署名を集め、翌1975年に民法750条改正を求める国会請願を提出。これが日本史上初めて、結婚改姓を強いる法改正を改めるよう、政治に解決を求めた女性たちの声となりました。また日本がCEDAWに批准するよう、国内女性団体をまとめ、声明を出し、総理府、外務省などに陳情を行い続けてくださいました。1981年、87歳で亡くなられた時、棺には女性差別撤廃条約の条文が納められたそうです。

▲市川房枝さん(公益財団法人市川房枝記念会女性と政治センター提供)

1979年、CEDAW誕生に賛成票を投じたのが、当時国連公使だった赤松良子さんでした。世界にジェンダー平等の光をもたらそうと生まれたこの条約を、次は日本が批准できるよう、晩年の市川房枝さんとも連携しながら85年、批准に漕ぎ着けてくださいました。第1回審査(88年)では、改姓を望まない女性も含め98%が改姓しているとして、日本政府に苦言を呈する形で別姓の必要性を指摘してくれたのも赤松さんです。残念ながら2024年2月に94歳で逝去されましたが、晩年、何度もお会いする機会をいただき、「女性差別をなくすには、とにかく法律を作ること」とアドバイスをいただきました。

▲亡くなる前年の2023年、面談してくださった赤松良子さん(右|ご遺族のご許可をいただき掲載)

市川房枝、そこから続く「長い列」──参政権からジェンダー平等まで」(亜紀書房)でも、「目指すべき社会に向けて市川が取った戦略戦術の一例が、条約批准という『外圧』をうまく使い、社会の仕組みを変えていくこと」と指摘されています。

国連女性差別撤廃委員会の前日本代表委員で、同委員会の委員長を務められた林陽子弁護士(公益財団法人 市川房枝記念会 女性と政治センター理事長)に「女性差別撤廃条約とは?」「なぜ改善勧告が重要なの?」「市川房枝さんや赤松良子さんの功績は?」など、わかりやすく解説していただきました。3分ほどですのでぜひご覧下さい!


あなたの支援によって実現できるプロジェクト(資金の使い道)
1:女性差別撤廃条約の日本審査が行われるジュネーブ国連欧州本部に、委員への直接陳情を行う「あすにはグローバルチーム」6名を派遣したい!(約300万円)

すでにCEDAW委員への陳情、海外メディアへの説明を目的とした資料は完成し、委員や各国大使館に配布をスタートしています。

▲あすにはグローバルチーム作成のAdvocacy Briefの一部

国連に提出するNGOレポートも作成中です。現地に行くことで、委員へ直接説明を行うブリーフィングに出席したり、より理解を広めることができます。

しかし問題は円安!!😱

6人中4人は在欧メンバーですが、残りはNYと日本からの渡航が必要です。飛行機のチケットも高い!😭 物価が特に高いスイスに審査の期間中滞在してアドボカシーを行うには数百万円の資金が必要です。

他の国際NGOとも連携しながら、記者ブリーフィングや院内集会も行う予定なので、会場費・配信費・広報費・資料印刷費もかかります。ぜひ効果的なアドボカシーができるよう、ご支援をお願いします!


2:経済界、法曹界と連携し、法改正を盛り上げるシンポジウム・広報キャンペーンを展開したい!(約400万円)

あすにはが事務局を務める「選択的夫婦別姓の早期実現を求めるビジネスリーダー有志の会」を実施主体として、今秋以降、大規模なシンポジウムやキャンペーンを展開したいと企画中です。やりたいことはいっぱいですが、まだ公にできない情報ばかり…。支援者の方には、随時活動報告で進捗をお知らせします。

会場費・運営費・社会啓発動画撮影費・広報費・外部登壇者への謝金など、資金面で困難を抱えています。これまでの実績を信じて、どうか2025年、世論を大きく巻き込んだキャンペーンの展開にご支援をいただきますようお願い申し上げます。

このクラウドファンディング開始を記念した社会啓発キャンペーンの第一弾として、6月24日、日弁連・渕上玲子会長と、タレントの池澤あやかさんをお招きしたオンラインイベントを実施、100人以上の方にご参加いただきました。

今後、経済団体の皆様、他のNGO団体、企業の皆様とのコラボ企画も続々ご提供してまいります。


3:グッズ制作(約100万円)

自分が自分だと思える名前で名乗り、呼ばれ、人との絆を紡ぎ、いのちを終えることができる社会を私たちは実現します。今回みなさまへご提案するリターンの中で、私たちがやりたいと考えているのが「あなたの名前をジュネーブに連れて行く」こと。あすにはグローバルチームのメンバーが、支援者の皆さんのお名前(ご希望の場合はロゴ)を背負って、ジュネーブでの活動・記者会見に臨みます。また制作したTシャツをお手元に届けるリターンもご用意しています。

#MyName MyChoice #自分の名前で生きる自由を、ともに実現しましょう。


1000万円の使い道まとめ

・女性差別撤廃条約の日本審査にあすにはグローバルチーム6名を派遣 約300万円

・経済界、法曹界と連携し、法改正を盛り上げるシンポジウム・広報キャンペーン 約400万円

・リターンなどグッズ制作 約100万円

・クラウドファンディング実施に伴う経費(手数料など)・経費約200万円


ジェンダー平等の壁を突破するドミノ倒しの最初の一コマ、あなたも一緒に押しませんか?


<募集方式について>

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

資金が余った場合、一般社団法人あすにはのジェンダー平等を推進する活動のために使わせていただきます。

社会課題の解決を
みんなで支え合う新しいクラファン
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