経絡治療と東方会方式接触鍼法
がん化学療法に伴う末梢神経障害
•がん治療における大きな問題の一つ
•末梢神経障害の程度によっては化学療法を中止せざるを得ないことになる
•標準治療
• 抗けいれん薬、三環系抗うつ薬、α-リポ酸、およびオピオイド→しばしば効果は十分ではない
化学療法に伴う末梢神経障害の治療点
全症例共通: 中脘(CV12), 関元(CV4),天枢(ST25), 然谷(KI2), 四肢の井穴
選択穴: 曲泉(LR8), 期門(LR14), 太白(SP3),章門(LR13), 太淵(LU9), 中府(LU1),復溜(KI7), 京門(GB25), 大陵(PC7),膻中(CV17), 気海(CV6), 足三里(ST36),脾兪(BL20), 肺兪(BL13), 肝兪(BL18),腎兪(BL23).
以上の経穴に接触鍼を行った
人工生命とロボット 誌 2018
末梢神経障害の接触鍼の効果について作用機序の一部を特殊なカメラで撮影し工学的に分析、血液ので動態を精査しその結果を報告した
•ヘモグロビン濃度は、CNT前のレベルと比較してCNT後に有意に減少した(p <0.05)。
•酸素飽和度はヘモグロビンと広い相関(0.5 <| r | <1)を示した。
•ヘモグロビン濃度が大幅に減少、相関して酸素飽和度が上昇。
•静脈の還流が改善して、酸素飽和度が改善し症状の改善をもたらしているようだ。
「がん終末期の倦怠感に対する,鍼治療の効果」
日本緩和医療学会誌
Palliative Care Research
12 巻 (2017) 4 号
・がん終末期のがん患者にともなう倦怠感に対して鍼治療(接触鍼)を行った.
・緩和ケア病棟に入院,あるいは緩和ケアチームに紹介された患者(PS:3or4)のうち,16例を対象
・通常治療に加えて3回/2週の鍼治療が行われ,主要評価項目として研究開始前後のCancer Fatigue Scale(CFS),副次的評価項目として研究開始前後と治療期間中における倦怠感と疼痛のNumerical Rating Scale(NRS),唾液中のアミラーゼ測定を調査
倦怠感・疼痛の変化
倦怠感の変化
唾液中アミラーゼ値の変化
13例が鍼治療を完遂し,倦怠感のNRSでは鍼治療後に優位に改善が得られ,唾液中のアミラーゼ測定でも改善が得られたが,CFSでは有意差が得られなかった.副作用は認めなかった.
終末期の倦怠感に対し,鍼治療は安全で有用な可能性のある介入であることが示唆された.