プロジェクトスタートから1ヶ月。ただいま折り返し地点にきました。
この間いろんな質問をいただいたので、何回かに分けて質問への回答をアップしていきますね。
「こどもスタートアップ塾の目的はこどもが会社を作ることなの?」という核心に迫る質問を何人かからいただきました。そんなに深く読み込んでくれる方もいるとは、すごく嬉しいです。
「こどもスタートアップ塾」の最終目標は「こどもが主体性をもって参加できる社会の実現」です。
なんのこっちゃ?だと思いますので、ここは大御所NY州立大教授のロジャー・ハートが提唱する「参画のはしご」つかって説明します。
「参画のはしご」とは、こどもが何らかの活動をするときの参画の度合いを8段階にわけて説明しています。
低い方から説明すると
1.操り参画 2.お飾り参画 3.形式的参画 あたりまでは、
「こどもがいるとなんかいいことしてる感出るからこどもを参加させよう」という大人のいやらしい意識が働いていて、本当の意味でこどもたちは参画できていない状態です。
今の日本に一番多いパターンで、「うちのイベントにこどもDIY部の子に参加してもらえないか」というオファーもありますが、正直このレベルには関わり合いたくないです。
次の段階で
4.与えられた役割の内容を認識した上での参画
5.大人主導で子どもの意見提供ある参画
6.大人主導で意思決定に子どもも参画
この中盤辺りは、学校とか地域の中で「このままじゃいけない、何か変えていかなきゃ!」と思っている意識の高い大人が頑張っていて、今増えている領域。
最高峰は
⒎ こども主導の活動
8.こども主導の活動に大人も巻き込む
この辺りは日本ではまだ神領域です。
最終目標の「こどもが主体性をもって参加できる社会の実現」=「こども主導の活動に大人を巻き込む」が普通になればいいのに、と思っているわけです。
ちなみに「こどものまちをつくろう」は「⒎ こども主導の活動」になります。ただ私たちのやり方はパンクでロックで、日本に早すぎた。
何度かやっていくうちに、理解してくれる人はまだ少ないという現実を知ったわけです。
なので少し参画のはしごを一段降りて「6.大人主導で意思決定に子どもも参画」を実現するのがこの「こどもスタートアップ塾」です。(なぜ起業なのか?は話がややこしくなるので割愛します)
「6.大人主導で意思決定に子どもも参画」ではあるんですが、部分的に「7.こども主導の活動」になりうるところがある。それが「WEBページを作るデジタルツールの活用」です。
デジタルネイティブであるこどもたちは、動画もプログラミングもあっという間にできるようになります。大人の場合はそうもいきません。つまりデジタルツールで大人を超えて参画のはしごを半歩上がることができるわけです。
そのためにデジタルツールはこども向けにカスタマイズされ、圧倒的に美しくデザインされる必要があります。なぜなら大人が「こりゃかなわない」というレベルに到達することが重要。
こどもをお飾り参画させて、なんかやった気になっている大人たちに、見方を変えてもらおうじゃないですか。大人にできないことをできる「一人の人間」として、認めてもらおうじゃないですか。社会や学校が変わらないと、苦しむのは親だからね、ほんと。
※参考文献:萌文社「子どもの参画」ロジャーハート