『東風ふくなか、ちいさな星』全公演と関連企画が終了しました。1年あまり想い描いてきたように多くの人にとって忘れがたい末広がりな出来事となったようです。 終演後多くの方がたから「奇跡」という言葉を幾たびとなく聞かせてもらいました。関連企画も含め、まさに奇跡みたいな出来事でした。 舞台づくりは祭りの支度と同じく晴やかで華やかな雰囲気なりに地道で地味な職人仕事にあふれています。お客さんのこころを想いつつほんのわずかな立ち位置やタイミングを数えきれないほど何度もシュミレーションし、何人もで繰り返し身につけたり。 世界中だれにとっても大切なことありふれていてかけがえのない大切なことをこころから たしかに分かち合えるように。メンバーたちは上演のさなかにも細かな工夫を積み重ねてきました。 そうして目立たないところで多くの方がたがこのプロジェクトをそっと見守り支えてくださっていました。 日本中あちこちから海幸山幸を送ってくださった方がた。海外メンバーのお世話をしてくださった方たち。合宿の場所を支度してくださった方がた。創作合宿を支え見守ってくださった西和賀の方がた。舞台のうえには登場しない舞台スタッフの方たち。 周りの方がたに公演のお知らせをしてくださった方がた。たくさんのチラシを折り込み配って歩いてくださった方がた。公演を楽しみにしてくださったひとりひとりのお客がた。出演者たちを遠くから応援し見守ってくれた家族や友人。成功を祈って こころある御支援をしてくださった方がた。 出演者・スタッフ・お手伝いの方がたから「この公演に関われて本当に誇らしかった」と別れぎわに聞かせて頂くことができました。チカラをあわせた皆がこの先ずっと誇りにできるような公演だったようです。 「この世界とは」「この自分とは」それぞれ別べつに抱いていた想いが、『東風ふくなか、ちいさな星』というひとつの出来事のなかで束ねられひとつの方へ向かってあわさった。 ばらばらなままに揃ってひとつの方へ向かっていった想いはそれぞれの ちいさな こだわりそれぞれに切実な名病みを 包み込みながらゆったり広くて晴れやかだったようです。 それぞれに身ずから進んでチカラを尽くしチカラをあわせることが出来た。このプロジェクトの、表面はともかく内実は、誰かが中心というわけでもなく、ひとりひとり それぞれの広くて晴れやかな想いが中心にあったのだと思います。無数の想いが結びつきあい網目となってこの時代の何かを広く掬いとる大きな網が生まれた。皆が願い・皆で生みだした出来事だったと思います。 共にこの公演を育ててくださった方がた蔭に陽に公演を支えてくださった多くの方がたに東風組一同あらためて感謝いたします。 このたび東風組が生みだし育てたことはこれから種となって世界中に散らばり広がっていきます。帰国の前日にボヤマダさんが言っていたように「10年20年さき、いまの子たちが大きくなった頃小さな種から大きく育った樹たちは たくさんの果物をおいしく実らせて次世代を養いさらにたくさんの種を広げていく」ことでしょう。 …………………………………………………………. 〈お客さんからの声〉 小学生から80代の方がたまで、様々な職種の方がたが公演を観にいらしてくださいました。それぞれのジャンルで日本を代表するアーティストの方がたが公演を観にいらしてくださいました。繰り返し観にきてくださった方がたもいました。 こんなに感動した舞台は初めてだった、すべてが素晴らしかった、これまでの人生で最高の公演だった、これからの人生を変えられてしまう体験だった、そうしたお言葉も含め、メンバー全員かつて経験したことのないような素晴らしいリアクションを頂きました。 この星を、この命を、このさき大切にしていこうと思った、という感想をたくさん頂きました。 言葉は通じなくても想いが通じた、という感想をたくさん頂きました。 きれいだった、美しかった、という感想もたくさん頂きました。 そんな お客さん方の感想を聞いて涙ぐんでいるメンバーもいました。創作のあいだ上演のあいだにはたいへんなことも色いろあったんです。 このうえない感動のお言葉と賛辞を頂けましたこと、これからの大きな励みとさせて頂きます。 ……………………………………………… 〈東風ふくなか〉 夢みたいな創作合宿のあいだ出演者それぞれに地元での仕事を休み、家族やお子さんたちと遠くはなれていました。芸術監督も制作統括係は、この公演のために半年の期間限定で仙台へ引っ越してきていました。 お互いにスケジュールを調整してこのようなメンバーが結集したこと自体が奇跡みたいな出来事なので次回の公演はいつになるかわかりません。 このたびのプロジェクトでは覚悟のうえで家を一軒買えるくらいの赤字を出しています。次にいつか持ち出しの自主企画を出来るかどうか今のところは不明です。 そして東風組の次の流れはすでに始まっているようです! 仙台公演のあとでは早速!「ちゃんと予算を組んで東風組メンバー全員を招待して劇場でこの作品を再演してもらおう!」という動きが某所にて生まれています!!! 春には東京と仙台それぞれの最終公演の記録映像が出来あがります。このような作品が世界あちこちの舞台芸術フェスティバルから放っておかれるわけにもいかないでしょう。 世界を代表する演劇祭、アヴィニョン国際舞台芸術祭へ招聘されるかもという2年後の話を始め、イスタンブールやアンカラでの招待公演の話もすでに動き始めています。 極東の国の さらに東から起こった東風はこれからも このちいさな星を経めぐるようにして絶えず吹きつづけていくことになりそうです。 ときにはそよそよ ときにはぴゅーぴゅーこの時代の最前列にいる人たちこころある人たちの掲げる旗を晴やかに はためかせていくことになりそうです。 『東風ふくなか、ちいさな星』またいつの日か この國でそして海外での再演を今のうちから どうぞ お楽しみに!
私たちは今日これから劇場へ向かいます。 これまでは創作メンバー。 これからは上演メンバー。 『東風ふくなか、ちいさな星』 ここまでに どんな作品になっているのか? 時代を超えて、国を超えて、 きっとどなたにも楽しんで頂ける 素晴らしい舞台になっていると思います。 人の一生・人類の経てきた道筋・自分たちの現在。 私たちにとって大切なことすべてを シンボリカルに包摂するような作品になっている、 海外メンバーはそんなふうに言ってくれます。 みんなで創りあげた作品の内容、 みんなそれぞれに、大好きとのことです。 世界9ヶ国から集まったメンバーが すべてのチカラを併せて手作りした 空前絶後の不思議な現象・稀なる出来事。 ゆるくて、どこか、なつかしい舞台。 宝石みたいにきらめきながら 朝露みたいにありふれていている それぞれの想いあふれる歌と踊り。 東京公演・仙台公演とも どうかお誘い合わせて お楽しみに観にいらしてください。
このたびの公演の出演者たちは みんな、昔から日本で受け継がれてきた心身術みくさのみたから を身につけています。 みくさのみたから、通称 みたから。みたからをひらく、などといいます。かつて誰もがしていたような ありふれたことです。 日本の国体がいったんなくなってしまってからもう70年あまり経っていますし、いったんは耳なれなくなった呼名かもしれません。 このたびの舞台を演出した私・飯田茂実は祖母から伝えられた「みくさのみたから」を舞台の共同創作に久しく応用してきました。 大昔から日本の民衆文化を支え続けてきた原動力。どんな活動にも応用できる極めつけの元気術。身につけておけば もう整体や鍼灸を受けなくて済む。 などなど、色んなふうに紹介されながら今みくさのみたからは世界中に広まっています。世界的な無形文化財みたいに思われているようです。 耳なれない呼び名を怪しむ方もおられるでしょうが、あっけないくらい たやすい心身技術というだけで宗教とか思想なんかとは何の関わりもありません。 お味噌汁とか ぬか漬けなんかと同じくなくなってしまったら なんとも もったいない日ごとの暮らしのなかでの心地よい習慣です。 ひと日・ふた日で たやすく身につけられます。目安があるだけで固定した形も決まりもないので、それぞれに それぞれの仕方で楽しめます。 ちかごろは身につけている方たちも増えてきてその氣になったら日本各地で、世界各地で色んな方たちから伝えてもらうことができます。 身につけて永らく楽しんできた者としてみたからの効き目の素晴らしさはよく知っています。成程びっくり、万人向けです。できれば誰にでも薦めたい。 けれども。あんまり強く薦めると怪しまれてしまう。当世風のややこしい勘違いをしてしまう人もいる。いつしか最後の後継者、みたいな私の立場は微妙でした。 この宝を呼名もろとも どうしても末々まで残す必要がある。最後のひとりが途絶えさせてしまっては人類にとっての損失。かといって宗教うんぬんと勘違いされるのは すごく怖い。 そうした個人的な ああだこうだを乗り越え、「勘違いがあっても まあやむをえない」と思いきって最終的にカミングアウトしたのは3.11を経験したからです。 あれから、すごい緊急感覚で、緊急の芸術活動として、氣が触れたみたいに みたからを伝え続けてきました。到らないところだらけで いろんなウッカリもありました。 いま数えきれない多くの人たちがどうにか日ごとにみたからをひらきながら暮らすようになりました。このまま世界中で次の世代へ引き継がれていく様子です。 みたからを身につけると生き心地がどうなるのか、これからは色んな方たちが示していってくれると思います。私もひとまずほっとして肩の荷がおりた心地です。 みくさのみたから。みたからをひらく。なんとなく氣にとめていただけたらそしていつの日か身につけてもらえたらと思います。 たやすく身につけられて日ごとにたのしめますから。ほんとうに。 …………………………………………. 綾うつし絵は去年の日本各地での みたから諸國めぐりの集いから。 どの綾うつし絵にも出演者が写っています。 まさか自分が世界中のダンサーたちと 一緒に暮らして ひとつの舞台を創るとは それぞれに思ってもみなかった頃のこと。 1年あまり公演支度で休んでいた諸國めぐりの旅。 氣ごころの知れた仲間たちと ふたたび旅が始まります。 https://www.facebook.com/events/656440544482665/
先週は創作メンバーたちが 熱を出したり、どこか腫らしたり、 バッタバッタと倒れていました。 生物は生きているかぎり 生命活動にとって要らないものを 捨て去り、手放し続けます。 要らないものを手放すときには 腫れて痛かったり、熱が出たりする。 お腹をくだしたり、痰が出たりする。 排泄するためにはまず 炎症を起こす必要があるんです。 出演者みんな このことは良く知っています。 命にとって要らないもの余ったものを 炎症おこして さっさと排泄する。 その後では みんな晴れやかな顔になります。 生きているかぎり誰もが みんな お互いに やみを晴らして健やかなほうへ ヴァージョンアップを続けていく。 大勢でいちどに晴れあがると、 お互いの晴れっぷりも けた外れに速くなる。 このあたりは集団創作の効用かと思います。 どんどん腫れて するする手放し ゆるゆるゆるむ。 ただし。公演直前または公演中に 盛大な炎症・排泄を起こしてしまうと 周りも含めて ちょっと大変だったりする。 なるべく本番10日まえくらいまでに 炎症・排泄をすっきり済ませておくと楽。 まさに先週が程よいタイミングでした。 出演者をすでに知っておられる方は 公演当日、お楽しみにどうぞ。 生まれ変わった顔になっているかと思います。
体のチカラと想いのチカラと知力のかぎりを尽くし 力をあわせて祭りの支度をする。人としてこのうえなく喜ばしいことだと思います。 まつり。祭典。Festival.まつり。式典。Ceremony.まつり。祭儀。Ritual. ご先祖さんの お祭りの血は 誰にだって流れている。かつてはみんな祭りを楽しんで暮らしていました。その氣になったら今 誰でも祭りを生みだせます。 いったん祭りの消え始めていた この世界。私はおもに芸術の世界で、この時代の、新しい祭りの生みだし方を工夫し続けてきました。 皆で力あわせて晴れやかな祭りを取り戻す。誰もが楽しめるような生命の祭りを育てていく。どうやったら末広がりに祭りの流れを生みだせるのか? 新しい祭りの流れを生みだそうとながい旅を続けた末に今回の舞台でようやくおおきな大きな末広がりが見えてきました。 祭りさえあれば、この世界はまだ、なんとかなる。今は慥かに言えます。きっとできる。取り戻せる。私たちはこれから大きな祭りを取り戻すことができる。 こんなふうにして自分たちはこの地球に広く取り戻していけるんだよ、人びとの、祝祭、儀礼、祭典、まつりを。 力を併せて、まつりを支度するやりかた。今風で末広がりな ひとつの例としてもこの公演を楽しんでいただけるかと思います。