大学を休学してインターンに行くみなみさんから寄稿してもらいました。
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大学3年生からインターンなど就職に関することを意識し始めて、インターンに3社、選考に1社参加したけど、自分がそこで働く気はしなかった。
自己分析をやってみると、それ自体は面白かったけれどエントリーシートや履歴書に書くと、実際の自分と全然違う人の像のような気がした。
就活に関して、何に取り組んでいても自信が全くなかった。私は片頭痛持ちで、自分のしたいことと出来ることとの間にギャップがあり、症状が出るより何より、それをものすごくコンプレックスに感じていた。必要以上に自分を使えないヤツと考えてしまう。
バイトをたくさん入れるのも、友人と予定を立てて出かけることも、慣れない場所に行くことも、夏や冬に外出することも、電車に乗るのも、「頭痛になったらどうしよう」それしか考えられなくなる。薬にも限界はある。頭痛にならないかが行動の第一基準となり、動き出すのをためらうことがとても多くなっていった。
就活も、条件が自分の体調を合わせられそうなところを探そうとしたが、したいこととは離れていたし、消極的な気持ちでとてもつまらなかった。
もともと自分が納得できないと物事に取り組めない性分だった私は、周りの動きとは逆に、ゆっくり立ち止まることになった。
したいことはあった。
昔から外遊びが好きで、大学では樹木や森林を専攻している。林業従事者になりたかったが体験するとやっぱり頭痛は避けられなかった。でも、身近に植物があることが自分の気分を保ってくれることが分かった。
大学生になってから一人旅でゲストハウスを回るのが好きになった。仕事をするなら正社員になるものと思っていたが、いろんな働き方をしている人がいることを知った。そんな人達ともっと会ってみたい。
絵を描くことが好き。集中しているととても落ち着く。
そういうことをちょっとずつ整理していくと、自分にとっては、働く会社より住む環境のほうが重要で、たとえ正社員じゃなくても健康でいられるほうが、ストレスがなくなるのではないかと、3年生の年末に気付いた。
林業に従事できなくても山の近くに住めばいいし、身近に面白い働き方をしている人がいれば影響を受ければいいし、絵を描くことが何かに繋がる気がした。
お金はないよりあった方がいいとは思うけれど、したいことが自分のせいで出来ないと思うと、自分のことがどんどん嫌いになって辛かった。
就職する前に、一度そういうところに住んでみようと思った。
いろいろな地方を調べたり連絡を取ったりしているうちに、新潟県長岡市の「にいがたイナカレッジ」という団体が、インターンや集落での生活を通して、暮らすことと働くこと、どちらも大切にする生活を支援してくれることを知った。そしてそのプロジェクトのうちの一つ、印刷会社での発信・企画等を行うインターンに半年間、参加することになった。
自分のできるペースで、したいこと出来ることを周りの力を借りながら挑戦できる。絵だって活かせるかもしれない。休みの日は近くの山や村に行ける。とてもわくわくしながら申込書を書いた。
これを書いているのは、インターンの始まる5日前。
インターンの後のことは、今は何も考えない。過剰な期待も悲観もしないことにした。毎日、目の前のことをあるがままに受け取っていって、半年後に残ったもので次のことに繋がればいいな、とだけ思っている。
(つづく)