9月23日、「奏で継ぐヒロシマ~被爆を生き抜いた2つの楽器」感想文コンクールの大賞授賞式を行いました。ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました!
今回は、Zoomの特別機能「イマーシブビュー(没入型)」を使い、実際にステージでお話しているような雰囲気を作りました。大賞受賞者の桂菜奈さん、お母さまの純子さん、選考委員の川崎哲さん(ピースボート/ICAN)、二口とみゑさん(HOPEプロジェクト)にご登壇いただきました。
バイオリンが大好きで、毎日練習し、週に一度レッスンに通う菜奈さん。感想文のタイトル「奇跡のピアノとバイオリン」について、「戦争でたくさんの方が亡くなられたなかで、このふたつの楽器は、生き残って、私たちに平和の大切さを伝えてくれた(だからこのタイトルにした)」そして、「音楽や、その楽器の音色で、みんなに平和や幸せを伝えていきたい」と語りました。広島に行ったら「明子さんのピアノに触れて、戦争について学びたい。そしてもみじ饅頭も食べたい」と締めくくりました。
選考委員の川崎さんは、たくさんの感想の中から菜奈さんの作品が選ばれた理由として、「楽器が生きているようだ」と表現をしたこと、「戦争なんておかしい」ということをストレートに主張したこと、「私たちがこうやって生きていることも奇跡だ」と理解させてくれたこと、などをあげました。
二口さんからは、受賞せずとも素晴らしい感想文を書いてくれたみなさんへの総評が送られました。子どもだからこそ伝えられる素直で力強いメッセージ、高校生が説いた核兵器の恐ろしさや自身の体験を織り交ぜた主張、事実を知ることの大切さ。そして、参加したみなさんが「被爆ピアノ」ではなく「明子さんのピアノ」と表現してくれたことに喜びを感じた、と語りました。「コロナが終わったら、ぜひ広島に来てほしい」と呼びかけました。
最後に、番組「パルチコフさんのヴァイオリン」を製作した広島市立牛田中学校PC放送部の3人からのビデオメッセージを紹介しました。広島名物から平和を学べる大切な訪問地まで、祝福と励ましの言葉に乗せて、コミカルに伝えてくれました。
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広島原爆投下から76年の夏、このプロジェクトの一連のイベントはこれで一旦終了になります。あとは、コロナ感染状況を見て、大賞賞品である菜奈さんの「広島への旅」実施を楽しみに待つばかりです。その頃、NPT再検討会議、核兵器禁止条約第1回締約国会議も行われ、核兵器にまつわる世界情勢が大きく変わっているかもしれません。時代や世界が変わっていくなかでも、「明子さんのピアノ」と「パルチコフさんのバイオリン」がいつまでも変わらず、「平和の大切さ」を教えてくれる2つ楽器として、優しく美しい音色を聞かせて続けてくれることを祈っています。