9月11日(日)14時、ボルファートとやまチャペルにてロザリオ・ソナタ全曲演奏会最終回を開催いたしました。当日夜のAbema TVニュース、テレ朝ニュースで取り上げられました。https://www.youtube.com/watch?v=5ApULBe4o605月から始まったこの企画もいよいよ9月11日、締めくくりの最終回を迎えました。ロザリオの祈り「栄の玄義」の部分にあたる5曲と最終曲無伴奏曲を演奏しました。スコルダトゥーラを用いた楽曲が5曲。最終曲のみ普通調弦ということで、合計6挺。眺めると壮観です。◉楽曲と調弦は、ソナタ11番「復活」 g-g¹-d¹-d²ソナタ12番「昇天」 c¹-e¹- g¹-c²ソナタ13番「聖霊降臨」 a-e'-cis²-e²ソナタ14番「聖母被昇天」 a-e¹-a¹-d²ソナタ15番「聖母戴冠」 g-c¹-g¹-d²終曲 パッサカリア 「守護の天使」g-d¹-a¹-e²特に第11番「復活」ではヴァイオリンの弦が交差させて音の高低を逆転させ、まるで十字架のようにさせた状態のスコルダトゥーラです。スコルダトゥーラの様子はこの動画でどうぞ!https://youtube.com/shorts/dRBeDjcUotk?feature=share◉本番前の入念なチェンバロの調律。ヴァイオリニスト鈴木崇洋さんによると、中川岳さんが楽器を調整し始めると音がみるみる輝き出すのが分かる。不思議だ・・・と。リハーサルもリラックスして臨めています。3回目、ということもあるのでしょう。回を重ねるとはありがたいものです。コンサート本番には動画撮影のためのカメラと北陸朝日放送のテレビカメラも入り、演奏は始まりました。◉中川岳さんによる楽曲解説とプログラム演奏についてはヴァイオリニストお二方の実感のこもったツィートが秀逸ですのでここでご紹介いたします。◉ヴァイオリン奏者 鈴木崇洋さん Twitter◉ヴァイオリン奏者 保坂喬子さん Twitter奏者の皆様、特にヴァイオリン奏者鈴木崇洋さん、保坂喬子さんはスコルダトゥーラを駆使した楽曲のために代役を見つけることは非常に難しく、コロナ感染については精神的にも非常に厳しかったと思います。また、拝借しているバロック・ヴァイオリンの調整には非常に気を使うなど、演奏以外のところで負担の大きいコンサートでしたが、見事に乗り切りました。素晴らしい演奏でした。ほっと安堵しているのが伝わる写真撮影の様子。https://youtu.be/A_2qGjtqmv0改めて、梨ばろっこ10周年記念事業梨ばろっこ2022 ロザリオ・ソナタ全曲演奏会にご来場いただいた皆さま。クラウド・ファンディングでご支援くださった57名の皆様。スタッフの飯田潤さん、中村美千代さん、廣田雅史さん、水落佐知子さん。そして今回はスタッフとして協力してくださったアンサンブル30メンバーの丸杉俊彦さん。おかげさまでこの企画を無事に終えられたこと、本当に感謝いたします。引き続き、活動報告をいたします。
古楽器 の付いた活動報告
引き続き、活動報告をいたします。8月6日 ロザリオ・ソナタ全曲演奏会第2回が終了しました。今回、5挺のバロック・ヴァイオリンが準備されました。こうして並ぶと壮観ですね。ヴァイオリンの調弦(スコルダトゥーラ)はこんな感じです。https://www.youtube.com/shorts/CaxuvfgKwjYリハーサルはとてもリラックスした雰囲気の中、順調に進みました。コンサートはまず、中川岳さんによるプログラム記載のない、チェンバロ演奏からスタート。フローベルガー作曲「組曲19番ハ短調」アルマンド/ ジーグ/ クーラント/ サラバンド厳かな演奏にみなさんが目も耳も釘付けになっている様子が手に取るようにわかりました。集中力が増したところで、「カトリック富山教会の長谷川潤神父様による「苦しみの玄義」についてのお話がありました。今回演奏される5つのソナタはロザリオの祈りの「苦しみの玄義」の部分。以下の曲です。「オリーブ山」「鞭打ち」「いばらの冠」「十字架の道」「磔刑」身体も心も精神も全てにわたって痛そうな曲が続きますが、実に実に、イエスは喜んで苦しみを引き受け、喜んで身を捧げたのだと思わせる曲調。アンケート回答にも、前半の2曲は明るく元気なことに驚き、想像していた情景とうまく結びつけられなかったと、あるほど。楽曲演奏の前に、音声訳(目の不自由な方のための朗読)ボランティアあゆみ会川崎紀子さんによる聖書朗読がされました。落ち着いた、心に沁みる声で読まれる聖書のシーン。誰もがその情景を目撃しているかのように感じたのではないでしょうか。プログラムはこんな感じでした。(第8番 ロ短調は変ロ長調と訂正いたします)今回の演奏会では前回に引き続き、チェンバロ奏者中川岳さんが楽曲解説を書いてくださいました。楽曲を聴く良い手引きとなりました。興味深かったのは、第10番「磔刑」にあるこの音型について。楽譜ではスコルダトゥーラ、この場合 g-d¹-a¹-d² が用いられているため実音とは違った表記がされています。しかし、記譜されている音と実音が違ったり、1曲づつ調弦が変わるのでは、どんなに奏者は大変か、、、こんなところから感じ取ることができます。奏者目線からこの曲の魅力、理解のポイント、演奏した実感など、鈴木崇洋さんがツィッターで述べられています。実感のこもった言葉が並んでいますのでぜひご覧ください。コンサートでは1回目に引き続きご来場くださった方も多くおられました。次回のコンサートも楽しみにしているとアンケート回答もあり、奏者を始め、スタッフ一同、コロナ禍でもあり、気を引き締めて頑張ろうという気持ちになりました。引き続き、活動報告をいたします。
梨ばろっこ2022 ロザリオ・ソナタ全曲演奏会 第1回目を無事終了いたしました。多くの方に足を運んでいただきました。中にはお子さんの姿もちらほらと。今回は全16曲のうち、第1番から第5番まで演奏しました。演奏会は、チェンバロ奏者 中川岳さんによるプログラム外の独奏からスタート!◉フローベルガー作曲 組曲第11番 ニ長調アルマンド「神聖ローマ王フェルディナンド4世の選出および戴冠によせて」クーラント「若き王女誕生の日に」サラバンド「皇妃エレオノーレの戴冠によせて」ジーグ意外な展開に皆様の集中がぐっと高まった感じがしました。そして、◉カトリック富山教会司祭 長谷川潤神父による「ロザリオについて」のミニトーク実際にロザリオの実物を見せていただきながら、ロザリオの祈りとは聖母マリアに起こった、5つの喜び→ 「喜びの玄義=秘蹟、神秘」5つの苦しみ→「苦しみの玄義」神の栄光が現れる5つの栄え→「栄えの玄義」15のシーンに要約された聖母マリアのストーリーに自身を重ね合わせて思い巡らし、神への計らいを願う祈りであること。会場の皆様には「秘蹟」「神秘」「黙想」と言う普段あまり聞きなれない言葉を味わう機会となったのではないでしょうか。今回の演奏は「喜びの玄義」の部分にあたります。◉楽曲演奏の前に念入りな調弦と、聖書朗読がありました。聖書朗読は 音声訳:視覚障害者のための朗読 ボランティアあゆみ会で40年の長きにわたって活動を続けている 川崎紀子さん。とにかく。お二人の語りは、ロザリオ・ソナタへの最高のいざないでした!演奏は◉第1番 「受胎告知」 保坂喬子さん◉第2番 「訪問」鈴木崇洋さん◉第3番 「降誕」保坂喬子さん◉第4番 「奉献」鈴木崇洋さん◉第5番 「神殿の中で」保坂喬子さんスコルダトゥーラを駆使した「ロザリオ・ソナタ」の 第1番から第5番 (←下の動画が再生されない場合ココをクリックしてみてください) の調弦はこんな感じです。16曲中、14回も調弦を変えるこの曲。ヴァイオリンの響きが1曲づつ、まるで変わることに気がつきます。音、響きに含まれるいろいろな倍音の多さ?からか,これがヴァイオリンの音?と驚くと同時に、調弦が変わることで、調性が強調されて、ぐっと現実味を帯びてくる感じがします。やはり「ロアリオ・ソナタ」はCDではわからない。生で聞いてこそ解る音楽だと強く感じました。そして、聖書朗読の後に1曲づつ演奏していったわけですが、会場は演奏が終わっても拍手は申し合わせたように起こらず、水を打ったような静けさ。奏者と共に、次の音楽の世界へと移る時間を楽しんでいるかのような一体感が半端なくありました。聖書の朗読で映像的なイメージを持て、音楽へスムーズに入り込めたのか、お子さんもとても高い集中力で「ロザリオ・ソナタ」の世界に浸っていて、非常に充実したコンサートでした。アンケート回収率もとても高く、次回も聴きたいとあり、とても嬉しかったです。アンコールはヴァイオリン奏者は調弦が大変なために通奏低音のお二人がしました。今回の演奏会ではプロカメラマンに撮影をお願いしました。リハーサルではマイクの設定、カメラの位置など、念入りに確かめました。演奏中の写真は残念ながら今回はありません・・・当日、受付では「風景と食設計室ホー」のデザインによる3点がお目見えしました。◉記念のお菓子2種・エリキシル・ヴェジェタルの小さなパウンドケーキ・天使の輪、バラの花冠をイメージした 薔薇のキャンディリング◉シルクスクリーンのイラスト入り リネン巾着◉梨ばろっこ10周年「ロザリオ・ソナタ全曲演奏会」記念冊子内容は、①カトリック富山教会司祭 長谷川潤神父による「ロザリオについて」②「祈り」「暮らし」「音楽」をテーマにした公募エッセイから選ばれた・今西香菜子さん (東京) 「音楽をする意味」・永井 千晶さん (富山県) 「ヒバリ」・中田絢子さん(富山県) 「祖母のポップコーン」・岸本明子さん(富山県)「祈りと暮らしと音楽と」③チェンバロ奏者 中川岳さんによる「ビーバー作曲『ロザリオソナタ』について」④ホーによる「祈りのお菓子のレシピ」以上で構成されています。
クラウドファンディング、ゴール前日に目標額30万円を達成し、最終的に32万3千円のご支援をいただきました。ご支援してくださったかた、本当にありがとうございました。富山の古楽は熱い!と皆様が実感できるように富山に根付いた活動をこれからも続けようと思います。今後とも応援をよろしくお願いいたします。さて、いよいよロザリオ・ソナタ全曲演奏会本公演第1回目が近づいてまいりました。それに先立ち、7月2日14時より 本公演会場のボルファートとやまチャペルにてプレトーク「スコルダトゥーラについて」があります。スコルダトゥーラ(変則調弦)はどのようなものなのか、ヴァイオリン奏者お二人が実際に音を出しながらのお話です。そして、7月3日本公演では、カトリック富山教会司祭の長谷川潤神父によるミニトーク「ロザリオについて」もあります。ロザリオ・ソナタのロザリオとは?ロザリオの祈りとは何か、わかりやすくお話されます。また、ロザリオの祈りに即した聖書の朗読を、音声訳ボランティアを40年続けられている川崎紀子さんがします。落ち着いた声で、スッと耳に入りしっかりと心に残る朗読をされます。また、当日、風景と食設計室 ホーによる記念のお菓子2種。◉修道院で伝統的な製法で作られた薬草のリキュール、エリキシル・ヴェジェタル入りの小さなパウンドケーキ◉ロザリオ(バラの花冠)や天使の輪をイメージした、バラのキャンディリング。◉「祈りと暮らしと音楽と」をイメージするイラスト入りのリネン巾着(260mm×175mm)を販売予定です。そして、応募作品の中から選ばれた、4編のエッセイと、長谷川神父による「ロザリオについて」、中川岳さんによる「ビーバー作曲ロザリオソナタについて」ホー作成のお菓子2種のレシピが、掲載された記念誌も添えられます。どうぞお楽しみに!開催までもうすぐ。遠く東京から足を運んでくださる方もおられるので、私たちの準備も熱が入ります。
梨ばろっこinよっさ 6月5日14時開演登録有形文化財 丸谷家出演 リコーダー/丸杉俊彦 ヴィオラ・ダ・ガンバ/折口未桜 チェンバロ/中川岳無事に終演いたしました。多くのお客様にはお座布団でくつろいでもらいながら、聞いていただきました。休憩を挟んで、中川さんのトーク「ロザリオ・ソナタについて」も質問が多く出て盛り上がりました。オリジナルの楽譜にあるレリーフの元版?の原寸大のコピーを手に熱のこもったトークは地元吉久の方達に快く受け入れらた実感を持ちました。本公演の期待も高まります。「祈りと暮らしと音楽と」古い建物に思いを寄せる意味で、この古民家にお住まいの建築家丸谷文恵さん(写真丸谷芳正、文恵ご夫妻)に建物についてのお話を伺いました。例えば丸谷家の天井板。古民家で、立派な天井の梁が丸出しになっていて見えたりすると、わぁすごい!と感動しますが、普通のお家で、何気に天井を見て張られている天井板にあんまり感動はしません。しかし、天井が張ってある、というのは実は昔は、格式のある家(部屋)だということの証明なんだそうです。今回、演奏会場となった丸谷家の座敷の天井は、厚さ5ミリ一枚板が張ってあリマス。修繕するときに天井を剥がして調べてわかったことらしいのですが、なんと、天井板に使われている板は、ノコギリで、要するに手でひかれている。機械でカットされたものではないのです。丸太を厚さ5ミリに削いでいく?なんて。。。。昔の大工さん、技術すごすぎです。そして、畳床。丸谷家の座敷の畳床は稲藁で手縫。手縫はとても力のいる辛い作業だそうだ。だからか、機械ですることが今は大半らしい。長く膝を折って座るお茶会など、最近のボードのように、機械でガッチリと固められ頑丈に縫われた畳床だと足もさぞ辛いでしょうね。手縫の畳床は柔らかくて、膝をおって座るにはとても具合が良いらしいです。ここ、丸谷家には畳床が手縫いのもの。手縫と機械のもの。全部、機械のもの。全て使われていたらしい。畳床の教科書、宝の山でした。と仰る丸谷文恵さん。古いものを大切にする、というのは使い続けることでもあり、良さを感じる力、そのものだったりする。楽器も使い続けること、そして何よリその良さを感じることだと思います。古い建物に住む感覚と同じだなと思いました。古い建築物に住むキモは、修繕するときに「元通りに戻せる」ようにしておくことなんだそうです。その家だけではなく、これは街並みを保つことに繋がりますよね。技術の伝承は難しいのかもしれませんが、このお作法だけでも伝統として、次の世代へと繋いでいけたら良いなと思いました。