ようやくまとまった雪が降り、辺り一面雪景色に覆われた白馬をあとにして、今日は印刷所に出かけました
去年もお世話になった印刷所なので、クオリティはもちろん信頼しているのですが、今回はちょこっとだけ、通常の写真集ではあまり採用しない細工をしたので、その確認のためにお邪魔しました。
週明けの10日から始まった「STAGE」の印刷。
印刷工場の扉を開け、大量のインクの匂いがしたと思ったら目の前にドーン
昨年限定数のみ作った1st写真集とは打って変わって、今回は大幅な大量生産が始まっておりました
写真に合わせた紙質を選び、それに合わせて原稿データからの色校を行い、今度はその色校に合わせて職人さんが微妙な色加減を調整してくれます。
印刷する本の大きさや判型によって、使用する機械が違うのだそうですが、今回私の写真集のために使用した機械は「水無し印刷」専用の印刷機で、長野県内にはここともう一か所でしか採用していないそう。
「水無し印刷」というのは、読んで字のごとく、印刷に水を使わない印刷方法で、印刷済みの作品が乾きやすい、というメリットはあるものの、水を使わないので判型と紙との滑りが悪く、そのため版がずれやすい(CMYKという4色の色を判型に付け、その色を重ねて印刷する方法)ので、この機会を使える人は相当な技術者でないと扱えないらしい。
ちなみに、今回印刷を担当していただいた方は、なんと18歳からここで働いているという、相当な経験値と腕前の持ち主 つまり、マスターなので、かなり安心です。
仕事っぷりも、とても丁寧。さすがはマスターです
次の印刷が始まる前にちょっと工場見学してみると、こんな張り紙を発見
「ごたせず ずくだせ」
長野県民になってかれこれ12年ですが、「ごたせず」って初めて聞いた〜
どういう意味なのか、担当の人に聞いたけど分からず。
どうも中信地方(長野県の真ん中あたり)の方言らしい。
「ずくだせ」っていうのは白馬の辺りでも聞くので、なんとなく解釈。
たぶん、「ごちゃごちゃやってないで、(仕事に)精を出せ」ということかな〜
それにしても256ページの3000部だから、紙だけでも膨大な量。
色を合わせては印刷し、印刷したものを時々抜いてゴミや印刷ずれがないかをチェックして、そしてまた色味の微調整をしながら黙々と作業を進める。
こうして、本当にいろんな人の技術力をお借りして一冊の本は出来上がるのですね〜
インクの乗った、まだ乾ききってないプリントの匂いが「出来立てホヤホヤ感」をアピールしてきて仕方ない
その感覚はまるで、まだ母乳しか飲んだことがない生まれたての赤ちゃんを連想するほど愛おしくて、感動の時間でした
ここから製本、表紙付けがあって、ようやく一人前、一冊の本の出来上がりです
機械トラブルなどがなければ、ここから約2週間。
やっと完成が目前に迫ってきました。
一冊目を手にする日が、今から待ち遠しいです