【はじめに】
ご支援頂いた方には別途お知らせ致しました通り、名取天文台が皆様よりご支援を頂き進めておりました「完全自作プラネタリウムを復活させて子どもたちに星空を届けたい!」プロジェクトは完了期日を再度延長させて頂く事となりました。この場を借りて、支援者の皆様、プラネタリウムの完成を心待ちにして頂いている皆様にお詫び申し上げます。
今回の記事では、開発遅延の主要因となりました恒星原板の加工、さらには安全性と信頼性の実現に関して説明します。引き続き、本プロジェクト及び名取天文台へのご支援を宜しくお願い申し上げます。
【出口が見えてきた恒星原板開発】
恒星原板開発の鍵を握るレーザー加工機ですが、実は3月15日から不具合により使用できず、不具合解消を目指す作業を全力で進めつつも、別の方式による恒星原板製作を模索し続けていました。
そして1か月半の試行錯誤の結果、4月25日に新方式による恒星原板開発に成功、テスト投影にも成功しました。
新方式は星空の背景が完全に暗くならず、従来のレーザー加工機による製造方法に比べてコントラストに欠ける欠点がありますが、レーザー加工機復活までの代替としては必要十分な性能を有しているという結論になりました。
また、レーザー加工機による加工の最小径は20μm(1μmは1mmの1000分の1)でしたが、新方式では14μmを実現しており、よりシャープな星空の再現が期待できます。
今後は新方式による開発とテストを重ねて完成に向けて頑張ってまいります。
【信頼性と安全性の検討】
コロナ禍前の3年前に名取天文台が開発した投影機は3か月に1回程度のイベント当日のみを使用することを前提として開発しており、その都度補修と改良を必要としました。さらに、使用中は開発者が常に控えてエラーに対処する必要があり、信頼性と安全性の双方に問題を抱えていました。
今後名取天文台では、開発したプラネタリウムを活用したイベントを最低でも月1回開催し、月2回を目標に増やしていくことを予定しています。
そのためには、メンバーが使いやすい仕様になっていることや状況に応じてメンテナンスを迅速に行えるような設計が必要不可欠です。また、長期的に活用できるような十分な強度とプラネタリウム解説者の操作を確実に実行できる信頼性を実現する必要もあります。
さらにイベントでお客さんを集める以上は、万が一の故障や地震による停電時にも安全を確保するのは絶対条件になります。
そこで、停電時にもエアドーム内の明かりを確保するために、バッテリー方式の非常用室内灯を搭載する作業を進めています。プラネタリウムエアドームに空気を送り込む送風機についても、平常時は一般的なコンセントから電力を供給しますが、停電時はバッテリー駆動方式に切り替わるシステムの検討と導入を進めています。これらの取り組みにより、停電時にも照明が確保された状態で迅速かつ安全に避難することができると考えています。
プラネタリウムを長期的に活用できる体制を実現するために、信頼性と安全性の両面の検討と実行を丁寧に進めているところです。
【最後に】
プラネタリウムの完成時期としては5月中、リターン発送は6月を見通している状況です。しかし、恒星原板の開発が出口が見えつつもまだ道半ばの状況であるため、5月末をめどにまた改めて進行状況をご説明させていただければと思っています。
日々の取り組み状況についてはTwitterをメインにしながらも各SNSで発信してまいりますので見ていただけたら嬉しいです。
引き続き名取天文台のプラネタリウムプロジェクトへの応援を何卒宜しくお願い致します。