皆様、いつも応援いただきありがとうございます。
今回の活動報告では、メール「応援」コース以外の方 全員に含まれるリターン品 "「新実力主義」語録ポストカード "について、なぜこのリターン品を考えたか、どういった方々にイラストをお願いしたかを含め、ポストカードに込めた想いを、詳しくご紹介させていただきたいと思います。
<なぜポストカードをリターン品にしたか?>
今回、盛田昭夫氏の著書『新実力主義』の復刊に向けたクラウドファンディングに挑戦するにあたって、どうやって世の中の方々に告知するか、開始する前にとても悩んでいました。
私達の宣伝力のなさももちろん悩ましいところではありましたが、本を読まなくなっている世の中の方々、盛田昭夫氏のことをよく知らない世代の方々に向け、どうやって本の良さを伝えたらよいか?ということが一番の悩みでした。
そんななか、あるイベントで「イラストレーション」が「言葉」や「想い」を表現するのにとても良い方法であると気づく機会があり、今回の復刊プロジェクトの一つの目玉にしたいと思うに至りました。
盛田昭夫氏が『新実力主義』の中で述べている印象的な「言葉」を5箇所ピックアップし、様々な個性を持った5名のクリエイターの方々に、各々が「言葉」から感じたままに表現していただきました。
通常のポストカード(100×148mm)より大きめのB6サイズ(128mm×182mm)に決めたのは、部屋の壁に飾っておいても絵になるように、ぜひ盛田氏の「言葉」を目につく場所に飾っていただきたいという想いが込められています。
以下に、サンプルイラストを掲載します。
※ 参加クリエイター(芦刈将/イワタニユウスケ/さかがわ成美/榊原ますみ/鴻奈緒 敬称略)
※ ポストカード1~5(参加クリエイター50音順)
※ サンプル画像は、実際にお送りする最終的なポストカード デザインとは異なる可能性がございます。
各クリエイターについての詳細やSNS情報は、
https://camp-fire.jp/projects/151799
本文の ”「新実力主義」語録ポストカード ” の項目をご覧ください。
■ ポストカード1(クリエイター:芦刈将)
お願いした言葉は
「生きがい」とは、働きがいのある場所(自分の才能を充分に発揮できてそのことが他の人のために充分に役立つ場所)を得ること
『新実力主義』P21 生きがいは働きがい
この言葉の前に、盛田昭夫氏は以下のように語っています。
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自分の人生を大切にしようと思えば、他人のすすめだけで簡単にはきめられないものだと思う。
また、志望した会社が景気がいいとか、社風がよさそうだとかいうことは、本当によく考えてみれば、その人の幸福とはあまり関係のないことではないかと思うのである。
一番大事なことは、たった一度しかもち得ない自分の人生を、「生きがい」のあるものとするために、この会社が適しているかどうかということだろう。
『新実力主義』P20 君はなにができるか
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自分の幸福を第一に考え、働く場所を選ぶこと。
50年前ならピンとこない発想かもしれませんが、今ならよく理解できるかと思います。
芦刈さんが描いてくださった風景も、各々が自分の仕事に「生きがい」を持って、生き生きと取り組んでいる様子が感じられます。
要所要所に潜んでいるソニー製品、いくつ気づきますか?
--- 芦刈将 コメント ------
苦労したところ:才能とは何なのか、個性とは何なのか、役に立つとは何なのか、
アイディア、表現方法の部分で苦労しました。
こだわったところ:登場人物それぞれが各ポジションで明るく楽しくクリエイティブに仕事を出来ている。そんな雰囲気を出せるよう意識しました。
文章から感じたところ:仕事の現場は人生において、かなり多くの時間を費やす場所です。働きがいのある場所を見つけるというのは難しいことですがとても重要なことだと思います。私自身、イラストレーターとして活動できていることはとてもありがたいことだなぁと感じました。
また、この本を読まれた方にも、(職場に限らず)生きがいを感じられる人生を歩んで頂けたら嬉しく思います。
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■ ポストカード2(クリエイター:イワタニユウスケ)
お願いした言葉は
一度しかない人生で、自分の道は自分で選ぶ権利と責任があるのである。
適所は、自分自身で見出すものだという意欲を持ってもらいたい。
『新実力主義』P90 「出るクイ」を求む
この言葉の後に、盛田昭夫氏は以下のように語っています。
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自分で自分の適所を見出すためには、自分の才能、能力を真剣に考えなければならないので、そこに、本気になって勉強をする気持もあらわれてくる。
教育、訓練に会社が安心して投資できるのは、日本の特徴だと、前に述べたけれども、勉強でも他人の意志や、命令では身につくはずはなく、本人がその意義を見出した時にはじめて、効果のあるものとなる。
それには、勉強をすることにより、よりそれが役に立つ職場を選べるチャンスをつくる必要がある。
それではじめて、学歴よりも学力を重んじる気持が出てくるのである。
『新実力主義』P21 勉強は自分のため
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「学歴無用論」という言い方で誤解が生じてしまったと『新実力主義』の冒頭でも述べていますが、盛田氏は学歴ではなく学力が大事だと一貫して伝えたかったことがわかります。
イワタニさんのイラストでも、意欲を持って矢印の方に向かって自分の道(適所)を選ぼうとしている若者達が描かれています。
個性的なイラストの中に、ソニー製品がちりばめられています。
--- イワタニユウスケ コメント ------
ソニー製品をうまく折り込み、自分のタッチと内容に照らし合わせ説明的になりすぎないようにと意識をしました。
また若者へのメッセージということで当初は若者側の視点で内容を構成をしていたのですが、敢えて、年長側の視点として構成をいたしました。
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■ ポストカード3(クリエイター:さかがわ成美)
お願いした言葉は
束縛がないという「…からの自由」に対して、「…への自由」は、積極的に自己を生かす自由である。
『新実力主義』P225 自由の二つの区分
この言葉の前に、盛田昭夫氏は以下のように語っています。
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現代からは想像もできないような、不合理な束縛のもとに大多数の人びとがおかれていた。
その束縛をなくして、自由をかちとるために、封建社会から現代にかけて、私たちの先達は、血みどろのたたかいをしなければならなかった。
この時期に行なわれたいくつもの戦争には、直接自由の問題にかかわっているものが少なくない。
こうして、私たちに確保された自由は、なによりもまず、束縛がないことであった。
さまざまな束縛からの自由であった。いわば、消極的な自由であった。
ここに、新しい課題がたちあらわれる。
さまざまな束縛から解放された個々人は、何をするのか、ということである。
『新実力主義』P225 自由の二つの区分
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この「…からの自由」。現在だと ”マイノリティの問題”、”多様性の問題” が該当するかと思います。
その束縛から自由になった時、次に何をするか?ということが本当の自由(積極的な自由=「…への自由」)だと盛田氏は述べているのです。
実は、この非常に難しいテーマをどうイラストで表現できるのだろう?と思いつつ、さかがわさんにお願いしたのですが、個性的な形で「…からの自由」および「…への自由」を的確に表現してくださったと思います。
この子(子?)達、束縛から解き放たれたあと、飄々と自分らしく自由へ向かっているように感じられます。
この「自由」には「責任」が伴うわけなのですが、さらに詳しくは本書をご覧ください。
--- さかがわ成美 コメント ------
「…からの自由」とは「今いる場所から出て行きたいという想い」だと私は解釈しています。出て行った先でどうしたいのか。どういう自分でいたいのか。
盛田さんにそこを問いかけられているように感じました。
その問いかけはどんな人でも当てはまるし、自分自身にも当てはまる。
自分にその問いかけをしないまま「出て行く」ということだけを目指すと、そこがゴールになってしまい、その後何をしたら良いのか分からなくなってしまう。
経営書の言葉とはいえ「とても普遍的な言葉だな」と感じたので、表現や制作はあまり迷う事無く進められました。
本質を見つめた盛田さんの言葉と、イラストとのギャップも楽しんでもらえたら嬉しいです!
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■ ポストカード4(クリエイター:榊原ますみ)
お願いした言葉は
大人たちのつくりあげている社会というものは、決して完全無欠ではない。
逆にいえばそこに私たちの仕事をする余地が、さまざまな形で残されているといってよい。
『新実力主義』P218 庇護から参画への一大転換点
この言葉は実際は本文では以下のように書かれています。
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大人たちのつくりあげている社会というものは、決して完全無欠ではない。
思春期・青年期には、だれでも多少は、世の中の不合理さ、不完全さ、場合によっては醜さに気づくようになってくる。
(逆にいえばそこに私たちの仕事をする余地が、さまざまな形で残されているといってよい。)
自分の能力も、いくらかつかめるようになり、将来の進路や職業、生涯たずさわる仕事などが、たえず、重要な問題として日程にのぼってくる。
その手さぐりの時代、模索の極み重ねを経験しながら、しだいに、社会全体に深くかかわってゆく。社会の建設にかかわってゆく。
『新実力主義』P218 庇護から参画への一大転換点
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完全無欠ではない社会だからこそ、様々な形で仕事をする余地があるのだと、盛田氏が成人式を迎える若者達を鼓舞している場面です。
榊原さんは子供のイラストが特徴的だったので、この言葉をお願いしました。不完全な社会とそこで仕事をする様子をパズルで見事に表現してくださいました。
AIBOがかわいいです。
--- 榊原ますみ コメント ------
ウォークマンやハンディカムをはじめ、様々なソニー製品のお世話になってきました。
そんな想い出に浸りながら、楽しく描かせていただきました。
イラストに登場する子供たちは、それぞれモノを創る仕事をしています。
課題を探し、調査をして、対策を考えならが青写真を描いていることろです。
想像力に限界はありません。
盛田氏のメッセージを信じて、楽しみながらチャレンジしてほしいという気持ちを込めて制作しました。
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■ ポストカード5(クリエイター:鴻奈緒)
お願いした言葉は
「若さ」は無限の可能性に向かって開かれている。
その若さを存分に生かして、新しい未来を築き、それを次の世代に伝えていただきたい。
『新実力主義』P221 自由な創造力をもとめる激動の時代
この言葉の前に、盛田昭夫氏は以下のように語っています。
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私たちも、この大きな変化を生きぬくべく専門家の意見も聞き、新聞や雑誌、そのほか関連した書物にも十分な注意を払っているつもりである。
しかし、この新しい社会が、新しい考え方やそれに基づく経験の上に成り立つ以上、私たちがどのように努力しても、その努力には一定の限度がある。
若い皆さんの柔軟な頭脳や、過去にとらわれない自由な創造力 ー おそらく、新しい社会の建設には、どうしても皆さんの若い力に頼らざるを得ない局面がたくさんでてくるに違いない。
『新実力主義』P218 庇護から参画への一大転換点
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「過去百年に起こった変化を、私たちは、これから十年か二十年のうちに経験することになるだろう」と50年前に語っています。そして、実際に社会は驚くほどの変化を遂げました。
鴻さんは和とおじさんのイラストが印象的な方で、あえて「若さ」という言葉をお願いしました。
「若さ」を年齢を超えた形で、寿司ができあがるまで・一人前になるまでの行程を小さい弟子達で表現してくださいました。
--- 鴻奈緒 コメント ------
最初は「若さ」「無限」「製造業」といった言葉に縛られていましたが、伝えたいものは私がよく描く職人さんにも通ずるものだと気付きました。
そこで、着衣だけはソニーの制服にして、あとは自由に描かせて頂きました。
モノづくりの面白さ、皆で創り上げる喜び、技を伝えるトキメキと受け継ぐ使命感、何歳になっても生き生き無邪気な人たち。
描いているのは寿司職人ですが、そうしたものを感じて頂けたなら大成功!と思っています。
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<【ポストカードコース】、【読み比べコース】に関して>
2コースのリターンの場所に「ポストカードをランダムで1枚お届けします」と書きましたが、好きなイラストがある場合は、そのイラストをお届けするように変更いたします!
クラウドファンディング終了後、どのイラストが良いかをお伺いしますので、その旨お知らせください。
その他のポストカード付きコースに関しましては、全種類のイラストをお届けしますので、どうぞお楽しみに♪