2019/06/24 04:56

 (個人的)民泊史① 2008-2014
→(個人的)民泊史② 2014-2016
 (個人的)民泊史③ 2016
 (個人的)民泊史④ 2017
 (個人的)民泊史⑤ 2018

こんばんは!今日は昨日の(個人的)民泊史①�の続きです。airbnb創業まもない2011年頃からゲストとして利用し始め、2014年にホストを開始した、ってところです。

3.airbnb Japanの進出

■2014
ちょうど僕がホストとして活動を始めた頃、airbnbが本格的に日本進出を始めました。日本のユーザーにどのようにホスティングの魅力を伝えられるか、などのテーマで本社のスタッフからインタビューを受けたり、数少ない日本人ホストとして、まだ日本で知られていない民泊の普及に微力ながら貢献しました。優れたホストを表彰するスーパーホストという制度ができたのもこのころで、10月にはSuper Host of the Monthという賞をいただきました。そのおかげかは分かりませんが、airbnb創業の地、サンフランシスコで開催されたAirbnb Openという世界中のすぐれたホストが集まるイベントにお招き頂き、これから快進撃を始める直前のairbnb創業者達の話を間近で聞くことができました

Airbnb Openは2014年から2016年まで3回開かれたのですが、この1回目のOpenは、まだ参加者が1,500人程度で、人と人との交流の架け橋になるホストが中心となった非常に親密な雰囲気の中で開催されました。なんせみなおもてなし上手&コミュニケーション上手なスーパーホスト達です。誰と話しても面白くていい人で、感動しました。まだ一般的には民泊がほとんど知られておらず、周囲からは変人扱いだったので(まぁ、今もですが。。)妙な連帯感もありました。airbnbホストが理想と希望に燃えていた時期ですね。世界中どこへ行ってもお互いを受け入れあうことのできるコミュニティ。自分たちはそういう存在だと信じていましたし、そうあろうとしていました。少なくとも、その場にいた1,500人のホスト達は。

そういうホスト達を目の前にして、airbnbのCEO、ブライアン・チェスキーが言ったことを覚えています。「airbnbはコミュニティだ。ただし、ビジネスの側面も大きい。今はairbnbをビジネスとして成功させる必要がある局面だが、必ず最終的にはコミュニティに戻ってくる」正確な引用ではありませんが、だいたいこんな内容だったはずです。僕はまだその言葉を信じて、自分の地元のコミュニティ作りに挑戦しているところです。

■2015
このころ、airbnb公式の「ホストコミュニティ」が発足しました。だいたい地域ごとに分かれていて、僕は神戸ホストコミュニティのコミュニティオーガナイザーに任命していただきました。このころairbnbは、東京・大阪などの大都市を中心に、新人ホスト獲得のためのセミナーやイベントを多数開催していて、そこで新しくホストを始めた人を、地域のホストコミュニティと繋げて行く流れになっていました。まだ一般には民泊などほとんど知られていない頃。ホストになりたての時って、一体何をどうしていいのか分からないことだらけだったり、不安が大きかったりするので、近くに先輩ホストがいると何かと助かるのです。オーガナイザーはミートアップという交流会を開催することができ、そこで定期的にホスト同士の情報交換や交流会を開催してきました。

神戸はあまり観光に力をいれておらず、民泊で儲かる地域ではなかったので、神戸ホストコミュニティはゲストと一緒にBBQやパーティをしたり、ホスト同士がのんびり集まったりすることがメインの、リラックスしたコミュニティでした。僕自身が、儲けよりも交流を重視したタイプのホストだったから、というのもありますが、他地域のミートアップに参加して、話題が「稼働率」「売上」ばかりで辟易した思い出も多々あります。大阪なんて、土地柄もあるんでしょうけど、ギラギラしてました。まだ民泊はブルーオーシャンで、出せば出すほど儲かる状況だったのでしょうね。このころ転貸型民泊をいくつも転がしていて、法律が出来る前にうまく逃げ切った人たちが、民泊ビジネス界の勝ち組と言ったところでしょうか。

airbnbのビジネス面が強くなったのは、世界的な傾向でもありました。この年にパリで開かれたAirbnb Openは、参加者が3倍ほどに拡大し、ワークショップの内容もビジネスよりのものが増えました。とは言え、まだまだホストの交流のためのイベントといった雰囲気は残っていて、昨年度に仲良くなったホストと再会を喜んだりすることもできました。

日本からの参加者も、前年と比べて何倍にも増えていました。確か今をときめく片付けコンサルタントのこんまりさんが登壇した年だったかな。通訳の人との息がピッタリで、ちゃんとキャラクターとしての自分を演じているんだな、と感心しました。

airbnbの急成長に伴い、民泊のネガティブな側面が報道されることが多くなっていました。住宅不足になやむパリでは、airbnbに対する反対運動もあったと聞きます。そんな中、パリ市長からの前向きなメッセージが届けられたり、市のバックアップを感じさせる内容で、airbnbやるなー。かなりお金使ったんだろうなー。と思いました。

この年のairbnbオープンは、パリでおきたテロにより、残念なことに途中で中止となってしまいました。

もう一回区切ります。