2019/06/26 02:37

 (個人的)民泊史① 2008-2014
 (個人的)民泊史② 2014-2016
 (個人的)民泊史③ 2016
→(個人的)民泊史④ 2017
 (個人的)民泊史⑤ 2018

5.民泊新法(住宅宿泊事業法)

■2017
ついに、1年近く議論に参加させて貰った通称民泊新法「住宅宿泊事業法」の成立が決定しました。年間を通しての宿泊日数の上限が180日に決まり、これにより、業として民泊を営んでいた個人事業主が大打撃を受けることとなります。中には、会社をやめ民泊一本で食べていこうと考えていた人、実際に実行してしまった人などもいて、大変な思いをした人も多かったのではないかと思います。そうでなくても、法律の制定が決定したことにより、それまで「取り締まる法律がない=グレー」で営業していた民泊が正式に法の下取り締まられる存在と認められ、消防や保険の締め付けが大変厳しくなりました。確かに民泊新法により、民泊が法的にその存在を認められることとなったのですが、それはむしろ、これまで以上に厳しく法の監視下に置かれることを意味していたのです。

ちなみに、年間180日の営業日数制限について「ホテル・旅館業界を守るため民泊に圧力をかけた」ととらえている人が多いですが、これは完全な誤解です。年間の宿泊上限がきめられているのは、法の立て付け上、「住宅」を主に、「宿泊事業」を副に据えて営業を認めているからです。年間の半分以上宿泊業を営んでいたとしたら、それはもはや住宅ではないですよね。僕が見ていた限り、法律ができる過程のほとんどはこういった解釈にどうやって正当性を与えていくか、という退屈な論理ゲームで、そこで僕にできることは、これまでいない民泊ホストという人たちの行動をどのようにとらえるべきか、そういった疑問に、できるだけ正確に答えることくらいでした。2017年は、毎月1回連合会の理事とミーティングをかさね、民泊に対する規制のあり方を議論しました。ただの面倒な奴だったかもしれませんが、出来る限り積極的に発言するように心がけていましたね。

2017年は、ビットコインが大ブームとバブルを巻き起こした年でもあります。民泊に群がった層が、今度はさっと民泊に背を向け、凄いスピードで仮想通貨に飛びついていくのを見て、人はここまで必死に頑張ってお金をつくろうとしているんだな、と逆に感心しました。むしろ我が身を振り返ってそのふがいなさに反省してしまったぐらいです。情報スピードを武器に、まだ規制の入らない美味しい市場を追いかけ続けるネットビジネス事業者の存在を初めて意識しました。中には本当に頭のいい、お金儲けの上手い人もいるんですね。まぁ、自分のスタイルではないですが。

この「民泊新法」「仮想通貨ブーム」という二つのファクターにより、民泊ブームのピークを越え、第一次民泊ブームは終焉を向かえたと言っていいのではないでしょうか?

続きます。