双子家庭の移動問題、「抱っこ紐」編と「ベビーカー」編に続く第三弾は「自転車」です。長男と次男がいるので、前と後ろに子どもを乗せる電動アシスト付き自転車を使っています。いまは長男は自転車、次男もほぼ補助輪なし自転車を乗れるようになりました。
謎の現象として、補助輪外してしばらくは自転車練習って転んだり、なかなかうまく乗りこなせなかったりしますが、次男は一発で(まっすぐですけど)乗れてしまって、「このひとは何なんだろう」なんて思った記憶がそこそこ最近です。
ただ、困ったことに双子の移動にはしばらく電アシ自転車が使えませんでした。前には乗せられるのですが、後ろに乗せるには小さ過ぎて怖い。よりがっちり身体を固定する椅子に切り替えることも検討していましたが、そんなときにひとつの記事が目に入ってきました。
「双子のための自転車」
それによると、尼崎市にいる双子ママが双子のための自転車を作ろうとしているというものでした。そのとき尼崎に行く予定が偶然あったので、早速アポイントを取ったのが「ふたごじてんしゃ社」「NPO法人つなげる」の中原美智子さんでした。
そのときはお話だけで、たまたまメンテナンスの関係で試作品の「ふたごじてんしゃ」に乗ってみることができなかったのですが、よき相談相手となってもらいました。ただ、僕が「ふたごじてんしゃ」を知らなかっただけで、双子界隈では超有名な取り組みでした。
そして月日は流れて、僕のところにも「ふたごじてんしゃ」が来ました!!
以前のエントリーから抜粋して、双子の移動課題とそれを解決してくれた「ふたごじてんしゃ」について説明しましょう。
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双子バギーで電車に乗ると、乗り換えごとにエレベーターを使うことになります。必ずしも便利な場所にあるというわけでもなく、一家庭でエレベーターを一回使わなければならないときは、どなたかが乗られていると乗れなかったり、ご迷惑になるので見送ったりします。
それは時間的にも大きなロスになりますし、今夏のように暑いと子どもたちも、そして僕ら夫婦も疲弊してきます。しかし、周囲にご迷惑をかけないように配慮しながらなので心身ともに疲弊をしていく。そうすると移動する意思決定にも影響が出ます。
近場の公園、車やタクシーを使う、といった選択はもちろん取れますが、バスや電車に乗りたいという気持ちは、どの子どもたちにも湧き上がるもので、それをかなえてあげたいという親の気持ちも出てきます。
工藤家は夫婦に長男(7)、次男(5)、三男四男の双子(2)という構成なので、どこかにお出かけする、全員で出かけるのはまだまだ一大イベントになります。
本当に近所の公園は、子どもたちと手をつないだり、双子だけ手をつないで長男次男は歩いたり、キックボードという選択ができます。これはひとり(ワンオペ)でも可能と言えば可能です。
しかし、ボトルネックは中距離移動です。ダブルバギーや歩きは500mを越えるとかなり厳しいです。僕であればパワーと体力で乗り切れるところも、妻ひとりだときついです。何か危ない、危なそうなシチュエーションがあったとき、パワーでなんとかできると思えるか、そうでないかだけでも移動範囲に大きな影響を与えます。
一般的な電動アシスト付き自転車(前と後ろに子ども用シート)と、ふたごじてんしゃでは何が異なるのでしょうか。ふたごじてんしゃが工藤家に来てから、だいぶ、活用経験も増えましたので、その違いを書いてみたいと思います。
・荷物が置けるということ
ふたごじてんしゃのベネフィットを一つだけあげろ、と言われたら迷うことなく「荷物が置けること」を選びます。ふたごじてんしゃは子ども二人を後方に座らせることで、前かご設置を実現しています。
遊びに行くときであれば、双子二人分のおむつやおしりふきシート、着替えにおやつなど、結構な量をバッグに詰めています。これを背中に抱えなくても自転車をこぐことができるのは、安全面も大きく、身体的な負担が小さくなります。
そして、何より有用なのは買い物シーンです。スーパーで買い物をすると、場合によっては結構な量の買い物をします。大きな袋二つとか、それを越えることもあります。自分と双子がいて、買い物をしなければならないとき、買い物袋を入れるところがありません。巨大なバッグを使って、そこに荷物を入れて背負うか、仕方がないのでハンドル部分に引っ掛けるか、あまり安全な方法がありません。
しかも、前に10-20kg、後ろに10-20kg、さらに買い物袋となると自転車にかかる総重量は相当なものになります。ちょっとふらついてしまったとき、この重量を身体で支えるには、相当の強さを必要とします。転んでしまったら大けがでは済まないかもしれません。
それくらい荷物が置けるというのは楽である以上に、安心であり、そして安全です。ふたごじてんしゃが実現したのは、僕らに安全と安心、それに伴る生活範囲の拡張とリスクの低減をもたらしたことです。
・自分が最前線になれること
自転車の前と後ろに子どもが分散したとき、子どもへの意識が前後に分散します。そしてどちらの子どもも話しかけてきます。話しかけてくれたら返したい。前と話せば後ろがむくれ、後ろと話せば前がせがみます。
僕の場合は、比較的前方の子どもに集中します。理由は、交差点や曲がり角など、自分より前にいる子どもから死角に出てしまうからです。後ろに注意を向けているとき、何かあるとすれば自分ではなく、前に座っている子どもです。
ふたごじてんしゃは子どもたちが後方に座っているので、最前線は自分になります。自分の安全を確認できれば、基本的に後方はそこを通過するだけなので、前にいることに比べたら格段に走りやすいです。
これはふたごじてんしゃに乗ってから気が付きました。とにかく、自分より前に、死角に飛び込む子どもがいないというのは、強い安心感を持って移動することができます。
・双子が喜んで乗ってくれること
もともと自転車に乗ることを嫌がるわけでもないですが、疲れていたり、試し行動をするとき、二人をそれぞれ自転車に乗せるために大きな時間をかけなければいけないことも多くありました。
また、どちらも前または後ろに乗りたいと主張したとき、主張が通らなかったとき、やはり時間がかかります。本当に前または後ろに乗りたいのであればいいんですが、「あいつが前なら、やっぱり俺も前」という後出しじゃんけん、謎のメカニズムが動き出すこともあり、ため息をつくしかないことも。
---(抜粋)【双子生活】自宅に「ふたごじてんしゃ」があるということ
中原さんが双子と移動について非常に困った、悩んだ体験から生まれた自転車は、僕ら双子家庭が直面する課題を解決し、多くの恩恵をもたらしてくれました。何より、移動距離が延びたことで行動範囲が拡張し、翼を手に入れた気持ちです。
中原さんと行動をともにし、トップ写真でウチの子どもを乗せている大野さん(写真撮りたかったので運転者を依頼しました)のお二人には感謝しかなく、いまもよい友達でいてもらっています。
ふたごじてんしゃの試乗会に来られた方々からもメッセージいただきました!!
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