近年、魚介類の摂取量が肉類を下回り、「魚離れ」が加速しています。保育の授業でも、子どもに魚の絵を描かせると「魚の切り身」の絵を描く子が本当にいると聞き衝撃を受けました。
でも、すべての子どもが「魚嫌い」というわけではありません。魚離れの原因として、ライフスタイルが変化し、家庭において調理に手間がかかるイメージの強い魚介類より簡便に調理が可能で子どもが好む肉を料理・食する機会が増加したこともあげられています。
実際、「魚料理はおいしい」と感じる若者は7割以上ということですが、魚の下処理をしたことがないと答える割合が若い人ほど高くなっているそうです。核家族化が進み、家庭内での調理の知識の伝承の機会が減少していることも原因のようですね。
もし、このまま「魚離れ」が加速した場合、どんな影響があるのでしょうか。
近年、魚の脂に含まれるDHAやEPAといった体内で合成される量が非常に少ない機能性成分が、子どもの脳の発育に重要な役割を果たすことがわかってきました。また魚油やDHAの摂取が精神活動に及ぼす影響についても研究が進んでいるそうで、水産物の摂取量が大きく減少することは、子どもの健全な発育に影響を及ぼすことになるかもしれないそうです。
そして、問題はそれだけではありません。
子どもが海や魚と触れる機会が減少しています。これは、獲れたての鮮度の良い魚のおいしさやさばき方を知る機会が減少し、魚や生産者とのつながりについて知る機会が減少することを意味します。こうしたことも魚離れに拍車をかけていると考えられます。今後このような状況が続けば、国内で持続的に活用でき、国民に安定供給できる水産資源の利用度が低下し、長期的には、持続的な発展を目指す水産業への影響も懸念されます。(水産白書より引用)
このように、「子どもの魚離れ」は日本の水産業の未来にも大きな影響を与える可能性があるのです。
しかしそんな中で、現在、福島県のいわき市では、「小さい頃から魚に親しむきっかけ」をつくる取り組みをすすめているそうです。
~小中学生には簡単にできる魚料理を教え、高校生にはさばき方や目利きを手ほどき。大学生は学内の食堂の献立を考えて、実際に提供する。漁業関係者とも連携する~
このような準備が進められています。これはとても素晴らしいことだと思います。
ぜひ、福島からこの取り組みを全国に広げてほしいと思います。
私自身も、今回このプロジェクトを通して学んだ多くのことを、保育士として活躍するようになった時、子どもたちにきちんと伝えていきます。
そして、今回、私たちが作ろうとしている「鮭のレシピ集」。
これは、ただのお料理本ではなく、しっかりと身近で獲れる「シロサケ」の魅力について、福島の子どもたちだけでなく、都内のひとたちにも、気づいてもらう、そんなきっかけになるようなレシピ集にしたいと思っています。
引き続き、応援よろしくお願いいたします。