こんにちは。草刈番匠(ブラバンショー)役の藤野正義です。
本番まで残り10日。いよいよ日本での最終稽古日となりました。
この日はまず、気持ち作りの面で、役者がどうしても気になっているシーンについて、みんなで意見を出し合いました。
演じる中で、少しでも気持ちに違和感があると、それが演技にも表れてしまいます。
それぞれの役がどのような経緯でそこにいるのか、どんな気持ちで相手を見つめているのか、これまで共有できていなかった細かい部分について、意識のすり合わせを行いました。
これまでの稽古は、いわゆる“芝居作り”に専念してきましたが、今日は少し違います。
ここに来て、あえて基本に立ち返り、声のワークショップを行いました。
一口に“声”と言っても、トーンが少し変わるだけで、相手に与える印象も大きく変わります。
大きな声、小さな声、高い声、低い声、早い声、遅い声、前に向かう声、後ろに向かう声。同じ台詞を様々なトーンで言ってみることで、みんな新たな気づきがあったようです。
そして、最後に行ったのは、通し稽古。
本番と同じように、芝居を止めることなく、最初から最後まで通します。
通し稽古は何度も行っていますが、一度たりとも同じだったことはありません。
みんな日々自分の役と向き合い、対話することで芝居がどんどん濃くなるため、この日もまた一つ、確実に深まったと思っています。
しかし、まだ完成ではありません。
本番はロンドンです。とても趣のある素晴らしい劇場です。
きっとこれまでにない緊張感と高揚感に包まれることでしょう。
現地の空気を肌で感じることで、更に芝居が深まると思っています。
残り10日、されど10日。
最高の舞台にできるように、最後の最後まで全力を尽くします!