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「アイヌオセロ(旺征露)」ロンドン公演

シェイクスピアの名作の舞台を幕末の北海道に移した演劇作品「アイヌオセロ」のロンドン公演プロジェクト。仙台で東北弁の芝居に取り組むシェイクスピア・カンパニーと、北海道アイヌ民族の舞踊集団ピリカップのコラボレーションによる大チャレンジです!

現在の支援総額

1,185,500

59%

目標金額は2,000,000円

支援者数

104

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2019/06/26に募集を開始し、 104人の支援により 1,185,500円の資金を集め、 2019/07/31に募集を終了しました

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現在の支援総額

1,185,500

59%達成

終了

目標金額2,000,000

支援者数104

このプロジェクトは、2019/06/26に募集を開始し、 104人の支援により 1,185,500円の資金を集め、 2019/07/31に募集を終了しました

シェイクスピアの名作の舞台を幕末の北海道に移した演劇作品「アイヌオセロ」のロンドン公演プロジェクト。仙台で東北弁の芝居に取り組むシェイクスピア・カンパニーと、北海道アイヌ民族の舞踊集団ピリカップのコラボレーションによる大チャレンジです!

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東北弁のシェイクスピア⁉︎ 〜私たちについて〜

 こんにちは!仙台を拠点に活動しているシェイクスピア・カンパニーです!私たちは東北にぬくもりある劇場を建てることを目標に、東北版のシェイクスピア劇の公演を続けています。物語の設定を東北に移し、台詞も全て東北弁です。例えば『ハムレット』の舞台は奥州幕末に、名セリフの「To be, or not to be: that is the question.」は「すっか、すねがだ、なじょすっぺ。」となります。1992年の設立から30年近い年月が経ったいま、私たちに大きなチャンスが訪れました。ついにロンドン公演への扉が開かれたのです。上演作品は『オセロ』。白人と黒人の差別の物語である原作を、私たちは幕末の北海道を舞台にアイヌ民族と和人(アイヌからみた日本人)の関係性を通して描く『アイヌオセロ』として改変し、アイヌ民族の文化発信をしている秋辺デボ氏と舞踊集団ピリカップとの共同体制で、本場英国での公演に挑みます。

(ロンドン公演に参加するメンバー 2019.6.9.撮影)

『アイヌオセロ』の成り立ち

 脚本を執筆するシェイクスピア・カンパニーの下館主宰は、オセロの本質を反映できる場所や時代設定を綿密に調査する中で、今回共同演出となった秋辺さんと出会いました。そして彼の率いる舞踊集団ピリカップと共演する『アイヌオセロ』は2018年に仙台、東京、札幌の3都市で公演を行い、作品のテーマをきっかけとしてアイヌ民族が受けてきた差別の問題についての議論を巻き起こしました。公演のアフタートークで秋辺さんは語ります。「日本ではアイヌに対する差別が150年続いてきた。あった事実を隠してはいけないが、仕返しになってもいけない。ドラマだからこそ描けるリアリティがある。」そしてオセロがたどった悲しい結末を目撃した観客の方々は、かたずをのんでそのメッセージに聞き入るのでした。公演ごとに予想以上の強い反響を受けながら、演劇上演の先にあるものを私たちは学んできたと思います、普段は見えない身近な人たちの苦しい体験や社会的な課題に気付き、それを話し合うきっかけを、演劇は提供することができるのだということを。

(公演後のアフタートーク、スパイスとユーモアを交えて話す秋辺氏(右)と下館主宰。
 2018.6.9.国際基督教大学にて)

いかにしてロンドン公演が現実となったのか

 昨年7月の札幌公演、イギリスからはるばる『アイヌオセロ』を観にきていたのがロンドンのタラ劇場の芸術監督ジャティンダ・ヴァーマさんと、美術監督のクローディア・メイヤーさんでした。タラ劇場はロンドンで民族多様性を推進する旗手的存在で、アジア、アフリカ、中南米など様々なルーツの舞台芸術を紹介しています。ジャティンダさんは下館主宰と長年の交流があり、『アイヌオセロ』にも多くの助言をくださっていました。そして初めて実際の上演を見てすぐに、1年後のロンドン公演を提案してくださいました。ヨーロッパからは一色に見えていた日本にアイヌ民族という先住文化があるという驚きが、彼を惹きつけたのです。「ロンドンの観客は作品を楽しむだけでなく、欧州で伝統的な黒人対白人の関係性の議論を超えて、現代日本における民族多様性を知ることになるだろう」と言い、ロンドン公演の際には、舞踊集団ピリカップによる伝統舞踊公演や、アイヌ民族の歴史・文化企画展も同時開催する計画となりました。

(『アイヌオセロ』婚礼の場面)

(札幌に来たヴァーマ氏(中央)とメイヤー氏(右)。向かい側には秋辺氏がいて議論白熱中。)

シェイクスピア・カンパニーとピリカップの協働作業、準備も佳境!

 合同公演とはいえ、劇団員は仙台に、アイヌのピリカップのメンバーは主に札幌近郊にいて、普段は分かれて稽古をしています。しかしロンドン公演の準備として6月上旬、まず今回主演の水戸貴文(仙台出身の和人ですが、演じる役はアイヌ人のオセロ)が札幌の稽古に参加して共同演出の秋辺デボさんから伝統的な所作やアイヌ語の台詞を習い、ピリカップのメンバーとの共演シーンを練習しました。さらに彼は作品の舞台である道東の野付半島へと車を飛ばし、オセロの世界の空気を体一杯に吸って仙台に戻りました。習ってきたアイヌの歌に魂を込めようと背中を震わせるその姿は仲間に刺激を与えてくれます。

(踊りを習う。奥が水戸貴文、手前はピリカップの早坂ユカさん)

 6月8~9日はピリカップの4名が仙台に1泊2日でやって来て、ロンドン公演参加者全員での合同稽古を実施しました。ロンドン版では昨年と比べてピリカップの出番は増え、仙台の役者たちとの絡みも複雑になっています。まずはお互い準備してきたものを見せ合って、組み合わせて、少しずつ調整して…という作業を積み重ねていきました。演技パートは主にシェイクスピア・カンパニーの東北弁の役者たちが担い、随所でピリカップのアイヌ語の唄が響くという構成で、言葉の意味を超えてロンドンでも楽しんでもらえる工夫を盛り込んでいます。

(2019.6.8-9の合同稽古の様子)

2日間ぎゅうぎゅう詰めの稽古を終えたピリカップの皆さんは、「感動した」「ロンドンでの完成形が楽しみ」などメッセージを残しながら意気揚々と札幌に戻っていきました。共演場面のイメージを共有できたところで、これからまたそれぞれ稽古を重ねてロンドンで合流となります。

(アイヌの言葉を習う、「天から役目なしに降ろされた物はない。」…私たちの役目とは?)

プロジェクトの意義  3つの文化がぶつかって混ざる

 このプロジェクトの面白さは、シェイクスピア劇が仲介役となって仙台の劇団員、北海道のアイヌ民族のメンバー、ロンドンのタラ劇場がつながっていくことにあります。現地の観客はおそらく、慣れ親しんだ名作をこのアジア人はどう料理してくれるのかな?という視点で見にくるでしょう。そこでシェイクスピア・カンパニーは東北地方の言葉を心込めて語り、ピリカップは伝統舞踊や企画展を通じてアイヌ民族文化の独自性を印象づけることができます。ピリカップの早坂ユカさんは、「今回は『オセロ』が真ん中にあったからこそ、ロンドンに行けることになった。この機会を最大限に生かしたい」と期待を膨らませています。旺征露役の水戸は、「言語や文化が違う国、シェイクスピアの作品が生まれたロンドンで、自分がどこまで成長できるのか、観客がどう感じてくれるのか、恐さとワクワクの両方がある」と語っています。これからお互いに力を合わせ、未知の世界に飛び込んでいきたいです。
 さらに私たちは今回の体験を、劇団の夢である劇場建設につなげていきたいと考えています。日本よりもずっと複雑な多民族国家としての歴史を持つイギリスで、演劇を通じて民族融和を推進してきたタラ劇場を運営する人々やそれを支える観客とはどんな人たちなのだろう?彼らとの交流を通じてできるだけ多くのことを学び、また僕らの新たなサポーターにもなってもらうなど、色々な形で東北や北海道に公演ツアーの成果を還元していきたいと思います。

(タラ劇場の内部。'Tara'には星、愛と芸術の女神、古代よりのパワーの源など様々な意味がある。)

資金の使い道

 今回のロンドン公演では、シェイクスピア・カンパニーから9名、ピリカップから4名が渡英します。一番資金がかかるのは渡航費用で、できる限り節約しても約500万円です。今回はありがたくも複数の文化活動助成制度の支援を受けて計画を遂行していますが、確保できているのは渡航費用の半分程度で、参加者の自己負担はまだまだ大きいのが実情です。また、応援してくださる方へのご報告や、将来の劇場建設プロジェクトにつなげる記録としての撮影費用を確保したいと考えています。よってクラウドファンディングによる支援の目標額を200万円をとし、公演参加者の渡航費用の補助と、プロジェクト撮影費用として活用していく計画です。

リターンについて

ご支援へのリターンとして、以下の関連グッズやイベント参加機会を用意しています。
金額別のリターンは以下のとおりで、3000円以上の方にはロンドン公演パンフレットも同封します。

1,000円:eメールによるお礼状・出演者のロンドンレポート

3,000円:アイヌ文様クリアファイル(公演パンフレット同封)

5,000円:以下からご選択ください
(1)アイヌオセロ文様 トートバック(Mサイズ)
(2)書籍「東北のジュリエット」(第5章が「オセロ」の名セリフ解説)

10,000円:以下からご選択ください
(1)アイヌオセロ文様Tシャツ(サイズ選択 S, M, L, XL)
(2)『アイヌ旺征露』ロンドン公演オリジナルCD ~劇中の音楽・アイヌの歌・台詞~
    *CDお届け後の使用許可はシェイクスピア・カンパニーに帰属します

30,000円:以下からご選択ください
(1)アイヌオセロ文様 木版画フレーム(A4サイズ)
(2)書籍2冊セット
   「ハムレット東北に立つ」と「東北シェイクスピア脚本集」5巻のうち1冊を選択
(3)ロンドン公演観劇ペアチケット
(4)仙台での公演報告会 ペアご招待券

50,000円:以下からご選択ください

(1)アイヌ文様刺繍作品(先着限定5個)
(2)書籍「東北シェイクスピア脚本集」全五巻セット
(3)ロンドン公演観劇ペアチケット+オリジナルCD+上演台本(非売品)
(4)仙台での公演報告会ペアご招待券+オリジナルCD+上演台本(非売品)

実施スケジュール

6月8~9日:仙台にてシェイクスピア・カンパニーと舞踊集団ピリカップ合同稽古実施
       その後、各々遠距離で稽古を継続
8月3日:仙台・札幌からロンドンへ出発
8月5~6日:タラ劇場、設営とリハーサル
8月7~10日:『アイヌ旺征露』公演、アイヌの伝統舞踊公演、及び歴史・文化企画展開催        (5回公演、詳細はこちらから→) https://www.tara-arts.com/whats-on/ainu-othello
 8月11~12日:帰国

この前例のないチャレンジに、ぜひともご支援お願いします!

この企画を、面白い!ロンドンで東北&北海道の魅力を思い切り伝えてこい!と思っていただけたなら、ぜひともご支援をお願いします!私たちの思い描くぬくもりある劇場、そこで生まれる豊かなものは、たくさんの人にとってかけがえのないものになると信じています。今回の企画を応援してくれる全ての人が、「実は私も関わってるんだよ!」と言って笑い合えるよう、私たちは全身全霊で『アイヌ オセロ』ロンドン公演に挑戦してきます。
(舞踊集団ピリカップの皆さん)

(シェイクスピア・カンパニーの役者たち)

なお、本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

最新の活動報告

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  • みなさま、おばんです。シェイクスピア・カンパニー & 舞踊集団ピリカプ、無事にロンドン公演を終えることができました。ご支援いただいた方々に、厚く御礼申し上げます。ロンドンの、多種多様な人種や文化が入り乱れた深さ、TARA Theatreが持つ暖かい雰囲気、劇場主ジャティンダの愛情と表現の豊かさにたっぷり包まれ、伸び伸びと公演をすることができました。来場してくださったお客様は、5公演400人以上にも登りました。予約していたお客様だけではなく、当日券で飛び込みでいらっしゃった方もいます。お客様も、イギリスの方だけでなく、フランスやスペイン、各ヨーロッパや、日本からいらしてくださった方もいらっしゃいました。「オセロの文化的背景に深く言及しているOthelloは初めて観た」「感情が揺さぶられた」等、心震える感想も多数頂きました。誠にありがとうございました。(ジャティンダから指導を受ける旺征露役の水戸)ロンドンツアーでは、劇団の目標であるグローブ座見学にも行き、木造の劇場が持つと暖かさと荘厳さに触れて、改めて劇場建築に想いを馳せました。千秋楽が終わった後に、劇場主のジャティンダとクローディアと、再開の約束をして別れました。(写真右から、ジャティンダ、クローディア、下館です)必ず、いつかまたロンドンに来たいと思います。ピリカップのメンバーや、ジャティンダと作品を再び創れるように、仙台でまた東北シェイクスピアを磨いていけたらいいなと思います。この度のロンドン公演は、みなさんのご支援がなければ成り立ちませんでした。本当に本当にありがとうございます。いただいたご支援を、今後のシェイクスピア・カンパニーの活動を通してみなさまにお届けしていきたいと思います!今後とも、ぜひよろしくお願いします。シェイクスピア・カンパニー &舞踊集団ピリカプ一同 もっと見る

  • シェイクスピア・カンパニーの渡邉欣嗣(きんじ)です。いつもお世話になっております。新人と呼ばれた頃から10年経ちましたが、どうにも新人感が抜けない未熟者です。今年、シェイクスピア・カンパニーはロンドンで公演をします。シェイクスピアに触れて来た者としては、ロンドンは極めて感動的な所です。きっと。幸か不幸か、私にとって初めての海外となります。素直に嬉しい思いと、漠然とした不安、緊張に苛まれています。それはただひたすらに明るい未来ではないものの、陰りがありつつもおそらく明るいに違いないというような、期待と不安が入り混じった、幼い頃によく感じた気持ちに近いものがあります。どうにもワクワクとしながら、ドキドキもする毎日、長いような短いような一日が積み重ねられていく感じ、まるで沖を漂っているような、何か大きな流れに身を任せているような感覚です。…伝わりますでしょうか。こうした気持ちの中、やはり焦りもあり、役者みんなが揃わなくとも稽古をしようという姿勢は自然と生まれてきます。今回の稽古はオセロ(水戸貴文)とイヤゴー(犾守勇)、そして私という男三昧の稽古でした。私はキャシオーの役で参加しています。『アイヌ オセロ』は昨年からスタートし、仙台公演、東京公演、札幌公演を経て、この度ロンドンで公演することになりました。昨年の3会場では私は脚本と制作で関わっていたのが、何の因果か、今キャシオーという役に向き合っています。久々の役者、やはり楽しいものがあります。難しいからこそ楽しい、そんな言葉にしにくくも純粋な感情が湧き上がるのを感じます。今回はアイヌのメンバー(舞踊集団ピリカップ)も同じ舞台に立つということで、存在感で負けてしまわないように一分一秒をキャシオーと過ごしています。男三昧の稽古、集中と倦怠を繰り返しながら精度が上がっていく感じはまさに男だけの稽古場らしさ。稽古後は近くの安居酒屋へ。生ビールとハイボールとジンジャエール、肴はもちろん『アイヌ オセロ』と『オセロ』(原作)。稽古場以外で芝居のことを考え語る、これが役者というものなのでしょう。翌朝目が覚めた頃には前夜の激論はすっかり忘れていることもありますが、もとい殆どそうですが、この刹那的な情熱が病み付きであったりします。焦りつつもロンドンの地を踏めること、その地の舞台に立てることの喜びを共有した稽古でした。*「男三昧」について、男性役者がもう一人おりましたので、完全版の男三昧は乞うご期待、ください!自分が今このプロジェクトに関わっていることに誇りと自信を持って、ロンドンでの公演に励みたいと思います。みなさま、応援、よろしくお願いいたします。 もっと見る

  • こんにちは。草刈番匠(ブラバンショー)役の藤野正義です。本番まで残り10日。いよいよ日本での最終稽古日となりました。この日はまず、気持ち作りの面で、役者がどうしても気になっているシーンについて、みんなで意見を出し合いました。演じる中で、少しでも気持ちに違和感があると、それが演技にも表れてしまいます。それぞれの役がどのような経緯でそこにいるのか、どんな気持ちで相手を見つめているのか、これまで共有できていなかった細かい部分について、意識のすり合わせを行いました。これまでの稽古は、いわゆる“芝居作り”に専念してきましたが、今日は少し違います。ここに来て、あえて基本に立ち返り、声のワークショップを行いました。一口に“声”と言っても、トーンが少し変わるだけで、相手に与える印象も大きく変わります。大きな声、小さな声、高い声、低い声、早い声、遅い声、前に向かう声、後ろに向かう声。同じ台詞を様々なトーンで言ってみることで、みんな新たな気づきがあったようです。そして、最後に行ったのは、通し稽古。本番と同じように、芝居を止めることなく、最初から最後まで通します。通し稽古は何度も行っていますが、一度たりとも同じだったことはありません。みんな日々自分の役と向き合い、対話することで芝居がどんどん濃くなるため、この日もまた一つ、確実に深まったと思っています。しかし、まだ完成ではありません。本番はロンドンです。とても趣のある素晴らしい劇場です。きっとこれまでにない緊張感と高揚感に包まれることでしょう。現地の空気を肌で感じることで、更に芝居が深まると思っています。残り10日、されど10日。最高の舞台にできるように、最後の最後まで全力を尽くします! もっと見る

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