参加演奏家 東前克枝さんからのメッセージです!
音楽の都ウィーン。
物心ついた頃からピアノを弾いていた私ですが、私の恩師もそこで学び、ウィーンという言葉を小さい頃から聞き馴染んでいました。憧れの街ウィーンにはじめて足を踏み入れたのは、大学4年生の頃。卒業旅行と称して、音楽を共に学んだ友人達とウィーンを訪れ、貪欲に音楽にゆかりのある場所を駆け回りました。
憧れていた街の空気を味わい、本物に触れ、心が満たされて行くのを感じていましたが、演奏を生業としていきたいと決意したばかりの私は、やはり物足りなさを感じていました。史跡を訪れ、音楽に触れることはできましたが、この地で演奏してみたいという思いは拭いきれませんでした。しかしそのまま無念にも帰国の時を迎え、次にこの地を訪れる時は、必ず演奏者として帰ってきたいと強く願ってウィーンを去りました。
あれから、約30年近く経ち、その思いが叶う時がやってきました。そしてそれはまさに天からの贈り物のように、突然やってきました。
青野原オーストリア2019プロジェクトという壮大な企画の情報を知り、是非私も参加させて欲しいと思い、すでに決まっていた演奏者の方々の仲間入りをさせていただく幸運を得ました。これも、私のウィーン行きを応援してくれた多くの仲間のおかげです。本当に感謝しかありません。そして、このプロジェクトに参加できたおかげで、日本とオーストリアの深い関係や、歴史の傷痕、多くの使命を知ることができました。その一端を私の演奏で応援できると思っただけで、感無量です。
11月は奇しくも私が学生時代にウィーンを訪れた時期。嬉しくもあり、身の引き締まる思いでいっぱいです。
多くの方々に支えられたこのプロジェクトと、私を応援してくれる仲間や家族のために、心を込めて演奏して来たいと思います。
ピアノ奏者 東前克枝