いさまスタジオ映画祭が終わり、ちょっとひと段落か、と思ったのですが、
映画「山歌(サンカ)」ではまだまだ仕事が残っています。
この映画を海外に持っていく大仕事です。題して「中之条から世界へ!!」と風呂敷を広げていきたいと思います。どうかどうかお付き合いくださいませ。
先日のいさまスタジオ映画祭にて、本映画で警官役をしてくれた星野恵亮さんが、一緒に登壇してくれた時に言ってくれた、「イワナの撮影が終わった後、笹谷が川に向かい手を合わせていた」ということについて書きます。
映画「山歌(サンカ)」ではイワナを釣るシーンがあったり、色んな生き物が登場します。
例えば、イワナを釣ると一言でいっても、このシーンを撮るために何匹ものイワナを用意せねばなりません。運搬中に死んでしまうイワナもいます。普段とは違うストレスで弱ってしまうイワナもいます。焼くためにシメられるイワナもいます。詳しくは本編を見て頂かないと分かりませんが、その他にも色んな命を頂き、この映画は成立しているのです。
しかもすべて食べられるわけではなく、その死体を焼かずに川に流す場合もありました。映画のためだけに命が犠牲になった瞬間です。(では食べられたイワナのほうが幸せかと言われると、それは人間の思い上がりのような気もします)
だからどうだ、命を大切にしろと何か言いたいわけではないのですが、私は自ら手を下すことに慣れていないと痛感しました。今日食べた鶏肉は誰かがシメています。昨日食べた豚肉もそうです。全部誰かがやっているのです。
自ら他の動物の命を絶たせ、手を下すと、その命の重さ、ことの重大さを実感します。だからこそ自分がいかに綺麗事で生きていたかを、改めて、撮影中に痛感していました。
感傷ではなく、単純に、昔の人は「自分で」手を下していた。そのことを、この映画で少しでも伝えられれば。。。と思っています。
何より、イワナや蛇に臆せずに率先して付き合ってくれた助監督・葛西氏の身体能力、根性にに、この上ない感謝です。
最後に、彼が管理してくれた蛇です。3匹のうち2匹は逃げました。