本作品にて主演を務めてくれた杉田雷麟くんの新作が来年公開されます!
映画「子どもたちをよろしく」
来年2月29日ユーロスペースから公開はじまります!杉田くんからは過酷な撮影の話を様々聞きました。非常にボディブローの効いた内容で、本編がとても楽しみです。
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さてシナリオの話。
2018年は正月からこの「山歌(サンカ)」旧題「黄金」のシナリオに取り掛かりました。
しかし、難産の末の難産。本当に才が足りずに、シナリオを映画祭に提出する3日前までは「舞台は1965年、都会の少年がサンカの家族に出会い、仲良くなるが、やむなく別れ泣いて見送る」という内容でした。
いやあ、そうしなくて良かった!!
シナリオの世界では、「これ、もしかしてめちゃくちゃつまらないのではないか。。?」と思う瞬間こそが、シナリオが良くなるチャンスだと言います。「チャンス来たー!」と言いながら駅前のタリーズコーヒーで頭を抱え続けました。途中で諦めてプロレスの動画を見てたりはするのですが、6時間ほど経ち、「昭和の」シナリオの権現様が降り立ちました。
それで「黄金」は完成しました。
私はプロレスが大好きで、プロレスからは学ぶことが様々あります。プロレスラーは誰しも、常に自分を探しています。見られている存在としての自分が、今ここで何をするべきなのか、いつも考えているのです。観客の想像の範囲ではなく、観客の想像を超えた試合、パフォーマンスをするレスラーが名前を残していきます。止まらないので深くは書きませんが・・・
そして私が思うプロレスの基本(もしかすると究極)は、「イデオロギーの対立」です。(よく言うのはプロレスは「最強」か「最高」か、という対立です。これも長くなるので割愛します・・・)
私は、映画もそうだと思っています。例えば、ゴジラは必ず自分が人間の敵なのか、味方なのか、スタンスを明確にしてから人間、または外敵怪獣との戦いに入ります。
じゃあシナリオ「黄金」のイデオロギーとはなんだろうか。やはり「自然対人間主義」なのでした。それはそのまま「サンカ対開発」のイデオロギー対立に移行します。書いてみると不思議で、1965年の舞台設定ながら、2019年の今も地続きだとヒシヒシと感じます。むしろ現代、来るところまで来てしまったと、どうしようもないところに来ていると、戦慄しながら書きました。
そして無事、投函しました。