明日は下谷上農村歌舞伎舞台で歌舞伎上演会が開催されます。今日は地域住民と上演団体が準備作業を行いました。
10月26日の活動報告では、上谷上(かみたにがみ)農村歌舞伎舞台を紹介しましたが、ここ丹生山田の里には多くの舞台が残っており毎年秋に農村歌舞伎の上演会が開催されています。農村歌舞伎とは、江戸時代、京や大坂で演じられた歌舞伎に魅了され、村の人たちが自ら演じ楽しんだものといわれます。幕府は娯楽を禁じましたが、神様への奉納という形で上演が続けられてきました。したがって今回の下谷上農村歌舞伎舞台も天津彦根神社の境内にあります。
農村歌舞伎舞台は、舞台により多彩な装置が附属されており、地域の独自性を見ることができます。下谷上農村歌舞伎舞台には、「回り舞台」や「花道の裏返し機構」という装置が設置されています。「回り舞台」は直径5.6m、心棒にくさびを打ち込むことで回り舞台が浮き、これを舞台上から棒で押して回す「皿回し式」と呼ばれるものです。「花道の裏返し機構」とは、花道の一部がシーソーのように180°回転し、裏側に取り付けられた反り橋が出現するもので、全国唯一のものです。規模の大きさ、機構の精緻さでは全国的にも比類のないものとして国指定重要有形民俗文化財に指定されています。
地域住民と上演団体のみんなで準備中です。回り舞台が見えますか?
この溝の上に花道を組みます。溝が深いのは花道を回転させるためです。
花道を下から見たところ。裏側に反り橋があるのが分かります。
このような装置が組み込まれた舞台が農村地域で江戸時代に作られ、現代まで受け継がれています。面白いですね。
上演団体は地域の愛好家で結成されており、子どもたちも出演します。もちろん「回り舞台」「花道の裏返し機構」も実際に使いますよ。