1000年と形容するほど長い年月、人の生活が営まれ続けてきた家を千年家(せんねんや)と言います。
丹生山田の里、つくはら湖畔に佇む「箱木(はこぎ)千年家」は、江戸時代、元禄期(17世紀末)にはすでに「千年家」と呼ばれていたことが当家に伝わる文書に記されています。
昨日紹介しました呑吐ダムの建設に伴ない、数十メートル移築されることになったため、建物本体を解体しての調査と地下部分の発掘調査が行われることになりました。その結果、建築は少なくとも室町時代前半にさかのぼるものと判定され、現存する日本最古の民家のひとつであることが確認されました。さらに、使用している部材や、発掘された土器の年代の調査により、主屋の建築は鎌倉時代にさかのぼる可能性も考えられるそうです!
カンナではなく手斧で削った柱、板敷きの床、一定ではない間隔の柱、など近世以降の民家との違いも見られるそうで、「箱木家住宅」という名称で国の重要文化財に指定されています。
現存する千年家は数が非常に少ないそう。休日に開放されていますので、歴史を感じにお越しになってみてはいかがでしょうか。